勧酒


勧君金屈巵   コノサカズキヲ受ケテクレ


満酌不須辞   ドウゾナミナミツガシテオクレ


花発多風雨   ハナニアラシノタトエモアルゾ

 

人生別離足   「サヨナラ」ダケガ人生ダ  于武陵(井伏鱒二訳)



太宰治が愛唱し、井伏鱒二の名訳「サヨナラ」ダケガ人生ダで有名な漢詩だ。


出会いが人生ならば、別れも人生だ。


出会いの初めが出生ならば、別れの最後は死ぬ時か。


そのあいだ、人は多くの出会いと別れを繰り返す。


「勧酒」で、于武陵は金の盃(屈巵)を友に勧め、人生を語る。


                 「勧酒」 yamaちゃん 迷訳


お前のしたことは、間違ってないぞ!これはオレが送る金の祝杯だ。


今夜は飲み明かそう。


でもなあ・・・・・せっかく出会えたお前とオレなのに・・・・・


どうして別れなくちゃならねーんだよー。


酒が沁みるぜ。                

「恥多き人生でした」・・・と言ったのは、太宰治だったか。


ある日、昼寝をして目が覚めた。


ランドセルを背負って、Sちゃんを迎えに行った。


「あら○ちゃんどうしたの?」とS君のお母さんが言った。


日曜日の午後三時だった。


我が「恥多き人生」の始まりは、その時だったような気がする。




秋にたっぷりと脂肪を貯えたヒグマやツキノワグマは、冬の間、穴の中で春まで何も食べず、水も飲まずに過ごす。


寒さが、「冬眠」という生理現象を誘発するらしい。食料の無い厳寒を過ごす適応なのだろう。


暖かいところに住むツキノワグマや、暖冬の時は、タイミングを逸して冬眠出来ないのもいるらしい。


その場合、人里に現れたり、餓死することもあるのだろう。


基礎代謝・・・・・・何もせず呼吸だけしている状態のことを言うのだろうが、熊はさらに呼吸数、脈拍数、体温を落として冬眠中を眠って過ごす。


死んでいるわけではないから、うつらうつら状態なのだろう。


メス熊は、そのもうろう状態で出産授乳をするという。


山登りであえいでいる時、熊の冬眠を思い浮かべて登ったら、楽にならないかと考えたことがある。


「基礎代謝、基礎代謝」と唱えて歩いた。


一瞬呼吸が楽になったと思った気がしたが、長くは続かなかった。


熊は偉大だ。


いつかはその域に達しようと思っている。