時空省 時をかける者達

時空省 時をかける者達

時は25世紀、設立から数百年たつ時空省は2度目の危機を迎えていた。その中で、地球時空省次官【山本誠一】と、臨時副次官【辻谷広行】は、時代や世界観を超えた仲間たちと共に、強大な敵と戦っていく。

なんだか凄まじく長くなりすぎている二次小説作品。この物語に登場するキャラクターみんな知ってたら凄いと思う。序盤や外伝は拙い文章となっていますが、何でも許せるひとや、頭空っぽにして読みたいヒトはちらっとでいいので見てみてください。

 山本【…来た!真・八刀一閃】

セフィロスの真の必殺技。強力な追撃を繰り出す究極の一。…だが、これを防ぐことが出来なくば、剣士の名が廃るというもの。

 

して、その結果というのは意外なものであった。激しい残響音が響き渡る。両者の手には、本来持っているはずの得物が存在していない。

 セフィロス「成程…やはりお前は脅威だ。」

その後、宙を舞っていた互いの武器が地上に金切り音を立てながら突き刺さる。

 山本「いや、駄目だ。やっぱり、あなたは強い。残念だが、今の俺では勝てないということか。」

セフィロスは、そんなことを言いながら謙遜していると思いきや、顔をよく見ていると、笑みを隠しきれていない山本を見て彼も同じように不敵な笑みを浮かべる。

 

 セフィロス「…ふっ、やめだ。計画を頓挫されてしまっては、もはやどう仕様もない。次の作戦に移るまでだな。」

と、セフィロスは何故か嬉しそうな顔をする。

 山本「なんで嬉しそうなんだセフィロス?」

 セフィロス「いや、あの燃え盛る鳥が言っていたとおりだと思っただけだ。お前には、あの理不尽極まりないあいつを倒す力が確かにありそうだ…が、それでは駄目だ。」

セフィロスは、そのまま何処かへと立ち去ろうとする。…その前に、山本に対しあることを言い残す。

セフィロスは、山本の構えを見る、観る、視る。成程、まるで全身隙だらけのような構えにしか見えないが。成程、どこに刀を突き立てようと必ず攻撃が捌かれてしまうということだ。

 

 セフィロス【なら、俺も全力で応えてろう。…忘れられない痛みをお前に刻んでやる。】

セフィロスは、50メートル弱ほど離れていたであろう距離を刀を構えた状態で瞬間移動する。その後、襲いかかるセフィロスの剣撃。そこから繰り広げるセフィロスの必殺技である技こそ、【八刀一閃】である。複雑な動作を用いたセフィロスによる究極の剣技だ。

 

 山本【来た…!】

この時を待っていた。その技を捌くためにこの技はある。白閃二刀流奥義【残照】。相手より先に技を出させ、それを全て捌き切る技である。

一撃目、捌き切り

二撃目、技を翻し

三撃目、 弾き

四撃目、防ぎ

五撃目、受け止め 

六撃目、封じ

七撃目、阻む。

そして、最後の八撃目を抑える。…しかし、山本は予期していた。問題は【 次 で あ る 】。

 

 セフィロス「ふっ」

セフィロスは、歓喜する。成程、これは戦いがいがある。クラウドと戦ったときを思い出す。

 そのままセフィロスは山本の頭上天高く飛び、叩きつけるように襲いかかる、それを山本はギリギリのところで防ぐが、最後に繰り広げられる回転斬りが強力だった。

 

 

いいや、それだけではないだろう。セフィロスは、もしかすると、ジェノバ細胞がいままで山本の力を制限しており、いまそれが解き放たれたせいでタガが外れたのかとも考えた。が、それはないだろうとも思う。なにせ、無意識下で影響するはずのため、正直考えにくい。

 セフィロス【厄介だ。正直、これ以上戦いを長引かせたくはない。】

 

セフィロスは、早急に決着をつけたかった。それは、あいても同じなようで、山本もセフィロスが知らないような構えを取る。

 セフィロス【ん?両手を下げて力を抜いた型とは。】

その構え、どう考えても隙だらけのはずなのだが、これのせいで逆に不気味だ。まるで、自分に攻撃してこいと言わんばかり。

 山本【セフィロス。お前のあの技を打って来い!これで、どちらが上かはっきりするはず。俺か、お前かだ?】

 

言葉は発さずとも、セフィロスと山本は不思議と互いの意思疎通が取れていた。奇妙なことである。が、そこは高みに立つ者同士のなにかがあるのだろう。

セフィロスは剣の先を相手に向ける独特の構えから更に腰を落とす。彼の大技【八刀一閃】が繰り出される直前の構えだ。

 

長い長い静寂が流れる。先程までこの空間に響き渡っていた剣撃の音が嘘のようだ。

 

と、せっかくの会話の機会だと思い、まずクリームヒルトは簡単に自己紹介をしたようで、その女神はニコニコしながら聞いている。

 女神「ふむふむ、あなたも色々あったのね…サーヴァントのことは聞いているさ。全く、ヌヴィレットが聞いたら何ていうかな?あ、そうそう。僕の自己紹介がまだだったかな?【フォカロルス】。僕の名前はフォカロルスだ。宜しく。」

 

と、南米の冥界では新たな物語が進み始める。そうしている間、テスカトリポカは転移先に無事たどり着いたようだ。

 テスカトリポカ「…こいつは驚いた。…世界ってのは、広いもんだ。」

と彼が辿りついた場所、テイワット大陸北西部に存在する国【モンド】。その国の東部に存在する誓いの岬という断崖絶壁の上から西の方を彼は向いていた。

 テスカトリポカ「すげぇなここ!気に入った!ま、しばらくここで色々旅するのも悪くねぇかもな。」

と思っていたのだが、事態がこのあと急変する。いや、何かがおかしい。

 テスカトリポカ「ん?何だ?平和そうな雰囲気のはずが、何やら闘争の香りがする。んじゃ、ちょっと行ってくるか。何か起こりそうな気がするな。しかもだ、この感じ…まさか!?時空省か?…やれやれ、あんまりゆっくりできそうじゃないなこいつは。」

 

 クリームヒルト「あら?またお客さん?…なんだかものすごい美人さんね?」 

 テスカトリポカ「ああ、こちらのお嬢さん、時空が捻子曲がってこの冥界に迷い込んだ別世界から来た女神様らしい。いいか、俺とおんなじ神だぞこちらの人。客人に失礼が無いようにほかのサーヴァントに言っておけ。…そうだ。折角だ、しばらく俺は用があって留守にする。その前に、ちょっとした客人が来たらしいからそっちの様子を見に行く。あとは宜しく。」

と言い残し、彼はどこかへと行ってしまった。

 

 クリームヒルト「全く、自由な神様だこと。っと、意見するのは禁止禁止。あ、そうそう女神様とかいったかしら?ふーん、どんな神様かしらね。」

と焚き火の前にちょこんとすわっている女神の隣にいつの間にか自然に座っているクリームヒルトである。そして、その隣にすわった女性を拒まないどころか、むしろ、その女神は興味津々でその人間を見つめる。

 女神「うん?どうしたの?僕のことを見つめて?」

クリームヒルトが感じたのはまるで子どものような純粋さをもつ女神様だなということだ。

 クリームヒルト「いいえ、なーんかほんとに死んでるのかなってくらい目が輝いて見えるのよあなた。生前、なんの未練もなかったということね…。…そういえば女神様、名前を伺ってなかったかしら?」

 

 

 

 

 セフィロス「成程、これは一筋縄ではいかんということらしい。」

 山本「ああ、お前が何を考えていたか知らんが、ついでにここでお前の計画を潰したうえで、ここで終わらせてやる。」

その勢い、まさに旺盛!あのセフィロス相手に引けを取っていない。

 セフィロス「成程、こちらに技を出させなければよいという判断か。が、それではお前の体力が持つまい。」

 

セフィロスは見抜いていた。先程まで倒れかけていた人間だ。体力がとても残っているとは思えない。しかも、攻撃が軽い。セフィロスに与えられる技は全く無い。が、二刀流というのは厄介極まりない。しかも、相手はかの白閃流。流石はあらゆる剣術武術を極めなければならぬとは聞く。想像以上だ。

 山本【流石に見破られたか。逆に押されてやばい。】

と、今度は防御をしながら攻撃をし、今度はこちらから攻撃をするということを繰り返す。

 

果たして戦いが始まってからどのくらいの時間があったのだろうか?お互い、己を過信し、相手を見くびっていたのだろうか?想像以上に決着がつかない。

 セフィロス「…ほう。あの時は嘘だったのかのように強いな?」

 山本「ああ、なんでだろうな?自分でも理解が出来てないんだ。強いて言うなら、あのときは色々ありすぎて全力が出なかったからだろうさ。」

 

 セフィロス「無論だ。…さて、お前の力を貰うというのは頓挫したか。まぁいい。なら、今のお前の力を図るという絶好の機会を得る事ができたからな。」

 山本「ああ、さっきも言った通り、ここで終わりにしよう。」

 セフィロス「いや。終わるんじゃない。ここからすべてが始まるのだ。」

 

二人は再び互いの武器を構える。…山本は考える。相手はセフィロス。時空省に名が知られている者として、他時空に影響を与える存在としては数少ないランク■■というもの。しかも、ナンバー00であるあ奴は例外として、ナンバー01として脅威の対象とされている存在だ。

 

その強さは桁外れ。あらゆる魔法による状態異常不可。ほぼ不死に近い存在。何度も復活する異常性。そして、あまりにも単純にかつ理不尽な強すぎるその能力。いや、これ本当に彼もと一企業の私設軍隊の一個人なのか?

 

 山本【でも。残念ながらこっちも化け物呼ばわりされてるんでね…あのときは遅れを取った。しかし、今ならあいつに引けはとらん!】

 

沈黙を破るは山本の方だった。しかし、セフィロスはその動きを読んでいる。【反撃の構え】から最初の一太刀をさばいて山本に攻撃をする。が、山本もそれを読んでいる。白閃二刀流【残照】。相手の攻撃に合わせて片方の武器で防御し、もう一振りの剣で相手に追撃をする。

セフィロスは、天川…いや、山本から放たれた斬撃から発せられる衝撃波を長刀【政宗】で捌き、山本の激しい二刀流による激しい攻撃を凌ぐ。

 セフィロス「…ほう。強くなったな?」

とそれでも彼はどこかしら余裕を持っている。まるで、まだ自分のほうが格上であると言わんばかりの笑みを浮かべたままだ。

その表情が断じて気に入らんという山本次官は、ここでむしろ決着をつけてセフィロスをここで食い止めると言わんばかりだ。

 山本「セフィロス、その余裕は今日ここまでだ!時空省次官として、いずれにせよお前は見過ごせん!」

 セフィロス「ふっ。精神的にも強くなったか。天川の者共もよい依代を選んだものだ。」

と、激しい打ち合いをする。激しすぎるために生じる火花、金属が擦れ合うことによる焦げによる刺激臭。このままでは埒が明かないと判断した二人は、一旦間合いを開ける。

 

 セフィロス「成程、その剣を扱うことができる後継者として相応しくなったということか。あらゆる並行世界に存在する最高の一振り。魔剣でもあり、聖剣でもあり、神造兵器でもある。概念剣【白閃】。あらゆる概念を切り裂く最高の一太刀か。」

 山本「やはり知っていたか。あらゆる並行世界をかけているお前なら知っているだろうとは思ったよ。」

 

ネオ・リユニオン?苦しみながら、その言葉ははっきり聞こえた。リユニオン自体はクラウドから聞いたことがある。しかし、ネオがついているのは一体?と、そのまま彼は施工が停止する。そのままどうやら気絶したようだ。

 セフィロス「まぁ、それを知らぬがお前のためだな。…さて、気を失ったようだ。では、計画通り、お前の感情を利用させてもらおう。」

 

セフィロスは、そうしてゆっくりと山本…いや、【あめかわせいいち】へと手を伸ばす。もう少しで、自分はすべてを手にするかと言わんばかりに。だが、セフィロスは瞬時に気がつく。…何だこの感じは?気を失っているものから感じるものではない気配を感じ取る。そして、気絶していたはずの存在は、突如として牙を剥く。

 

セフィロスの眼の前を横切るは白き閃き。そして、再びセフィロスに対して眼を上げる。

 天川「なるほど…。俺の【真の名前】を知っているとは…。で、聞かせてくれないか?そのネオ・リユニオンと言うやつを俺に教えてくれないか?場合によっちゃあよ、俺はあんたをこの場で即刻叩き潰す必要があるんでね!?」

彼の唯一の汚点であり、悔恨であり、トラウマだ。その事実は表には絶対に公表されることはなく、時空省の闇として葬られている。

 

セフィロスは、苦しみながら倒れ込む山本。その彼に対し、彼は己の計画を喜々として話す。

 セフィロス「まだ意識はあるようだな?まぁいい、折角だ。お前に話をしてやろう。あの時、お前の記憶の改竄を多少施したのは母だ。勘違いを起こしたお影で、お前は母に対する注意を怠った。そして、母は時空省の裏で暗躍しやすくなり、マークがすべて私の方へと向かっていったというわけだ。母の細胞は、【お前にずっと張り付いたまま】。操られているという事に気が付かずに。」

 

すると、山本の体からなにかしらの奇妙な物体が剥がれ落ちる。そして、それはセフィロスが回収し、ニヤリと笑う。

 セフィロス「ご苦労だったな。我が母の一部よ。今まで、憎しみの感情を彼によく植え付けてくれた。…さて、次官殿、続きを話そうか。なかなかお前一人しかいない状況へと持っていくのは大変だった。不思議と、お前のところには人がつきまとう。が、ようやくだ。ようやくこの状況へとたどり着いた。この時を見計らって時が流れた。して、多くの経験を通してあらゆる世界の理不尽を経験したお前の怒りは【ネオ・リユニオン】に欠かせない物となった。」