【紹介】昭和館で学ぶ『この世界の片隅に』 他 | トリュフ・ラボ-アクマで4コマ-

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イラスト描き、マンガ描きが趣味のトリュフのブログ。

 

こんばんは、お久しぶりです。

今回はイベント参加のお知らせと、ブログタイトルの通り、昭和館の特別企画展「昭和館で学ぶ『この世界の片隅に』」の紹介です。

(レポートと言えるほどのことを書けないと思うので"紹介"なのです)

 

まずはイベントのお知らせから。

 

 8月19日(日)に東京ビッグサイトでコミティア125が開催されます。

 「トリュフ・ラボ」としては久しぶりにサークル参加します。

 

 

 サークルスペースは「M25b」です。

 いわゆる「島はじ」から1スペース分、奥の場所です。

 

 新刊はありません。

 「墜ちたテンシと太陽の物語(1)」・・・当ブログで「ヨシノとミコト」として公開している漫画の第一部までを収録した冊子を頒布します。

 イベント価格として一冊400円を検討しています。

 

 夏だから参加しよう!っていうあまり考えもない動機で参加申し込みをしました。

 ぶっちゃけちゃうと、頒布数はすでに期待していません(笑)

 

 以上、イベントのお知らせでした。

 

 

 さて、「昭和館で学ぶ『この世界の片隅に』」のご紹介をします。

 昭和館は以前にも記事にしましたが(→こちらです)、東京は九段下にある施設です。

 東京にはいくつか太平洋戦争にちなんだ展示施設があるのですが、昭和館は戦時~戦後の市民の生活に焦点をあてた展示を行っています。

 

 

 「昭和館で学ぶ『この世界の片隅に』」は特別企画展です。は7月21日から9月9日まで開催されています。

 この企画展は入場無料です(昭和館の常設展示は見学料が必要ですが企画展だけ見るなら本当に無料です)。

 

 詳細に代えて昭和館さんのツイートをご紹介します。

 

 

 初日の昨日(7月21日)にちょうど東京に出る用件があったので、その帰りにお伺いしました。

 企画展を行っている3階で最初に目にしたのは展示そのものではなく、ロビーで大型モニターに映し出している太平洋戦争の時代の「ニュース映画」でした。

 

 ちょうど「女子挺身隊が兵器工場に動員される」というニュース映画を上映していました。

 女学生が兵器の製造に携わっている場面もあって、今描いている作品を考える上でとてもタイムリーな内容でした。

 当時のニュース映画のアナウンスではこんなニュアンスを語っています。

 

  「女学生が兵器の生産に携わることは次のような利点がある。

 一つは学校をそのまま工場に出来る効率性、二つ目は卒業後に速やかに熟練工として女子挺身隊に加わることが出来る。

 そして、彼女らの眼差しは戦場の兵士らとともにある」

 

 「・・・なんとまあ、勝手なことを言う!」って僕は思いました。

 卒業後の進路も、心情をも決めてしまうというのか!?

 

 ・・・とは言うものの、僕が同様の立場だったら、そうやって「レールを敷かれてしまっている」ことに気づくだろうか?

 

 僕は(決して良い意味ではなく)優等生というか模範生的なところがあって、お偉いさんの言うことにはホイホイと迎合してしまうところがあります。

 

 僕はこう見えて熱血漢なところがあって、そして(これは良い意味です)郷里愛もあります。だから"戦場"を与えられたら「滾って」しまうかもしれません。

 

 僕は、いつもの振る舞いの通り小心者でありますので、同調圧力に抗うことはきっとできないだろうなあ・・・と思います。

 

 ここ何年か酷い目(笑)にもあって、お上のおっしゃることに眉に唾をつけて聞く癖はついてきたのだけど、しかし、太平洋戦争当時のように途切れなく発せられるプロパガンダの下で、大日本婦人会や隣組といった制度に組み込まれていったら、僕は世の中で起こっていることの正否を疑うことが出来るだろうか?(いや、疑うという発想すら出ないだろう)

 

 

 ・・・「この世界の片隅に」の主人公の、すずさんの置かれた環境というのは、たぶんそういうものだったのではないのかな?と展示を見て感じました。

 

 すずさんは「ある事件」が起こるまでは、比較的"ほわ~ん"とした人物として描かれていて(それが魅力でもあります)、戦時の逼迫した状態すらあまり苦しいと感じていない風に見えます。

 そして自分の置かれた状況を疑うこともあまりない感じがします。

 疑うとか考えるとか以前に、日々の生活を一生懸命やってるって感じが前面に出ています。

 良く言えばポジティブだし、もしかしたら鈍感なのかもしれない。

 

 そんな、すずさんを中心に描かれる「この世界の片隅に」ですから、太平洋戦争当時の世の中の大変さとか息苦しさが前面に描かれていることは少ないと感じています。

 

 でも、描かれていないか?と言えば、全く逆で作品の隅々まで目を配ると、ほんとに大変なことがいっぱい描いてある。

 物資が不足して衣料品や調味料も入手が厳しくなってくる、戦況が切迫して出征兵士を送る壮行会が簡素になる、戦後は食料を手に入れるために思い出の品を手放さなければならない・・・

 

 これらは作品の中では、あまり暗い感情を伴わずに、単に出来事とか背景のように描かれているように感じたのですが、昭和館の展示から、その裏で起こっている事情を知ることが出来ます。

 知識を得れば見えてくるものがあるように思います。

 

 それにしても、改めて「この世界の片隅に」という作品ははリアルな感じがします。

 原作においては紙面と読者を隔てるモノが何もない感じ。

 

 前述の"あまり暗い感情を伴わない"ってところも、・・・あぁ、たぶん僕の周りもそうだし、僕もそうなんだろうなあ・・・って思います。

 わけもわからない世情に置かれ大変なことに直面した当事者になったら、暗い感情に引きずられる余裕もなく一生懸命にやるだけだと思うんですね。

 あるいは、まぁしゃあないなあ・・・と流してしまう。

 

 このように「この世界の片隅に」という作品への思いは深まりました。

 そして、太平洋戦争の頃の世の中や生活について多くの知見を得ることが出来ます。

 そんな企画展でした。

 

 ちなみに昨日は、この展示だけでなく図書室で調べごとをしたりして4時間以上、昭和館に滞在してしまいました。

 

関連記事:人の気持ちはわからない【取材日記】

 

 

<お知らせ>

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 扱っているのは、只今ブログで掲載誌ている「ヨシノとミコト」の第1部と第2部を収録した同人誌「墜ちたテンシと太陽の物語(1)」です。

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