コラムなタイム -38ページ目

本との気持ち47

「お金の教養」泉 正人 著
(大和書房・1260円)

 お金の話は難しそうだけど、これは違う。少しのゼイタクで人生を豊かにしてくれる方法がこの本には書かれているからだ。そのためには、お金を価値のあるものに使う。収入の使い道の割合を生活費6、貯蓄2、自己投資2というぐあいに分けるのがベストだという。

 また、お金の習慣を変えると不思議にお金がないという問題も解決する、という。それを「お金のダイエット」と呼んでいる。
 具体的には、貯蓄の最大の目的を「貯める」というよりも、支出を管理する習慣を身につけること。つまり、お金をコントロールすること。もっと具体的に言えば、お金の使い道を一つだけあきらめてみる。そうしているうちに自分のお金にルールを作っていけるというわけだ。

 著者は、さらにお金に時間の感覚を持つことを勧めている。無駄な時間を減らすだけで収入につながってくるというのだ。
 例えば、飲み歩くことを減らすとか、テレビを見るより他のことをしてみるとか。欲しいものも果たして本当に必要なのかどうか考えてみる。それをメモに書いておいて一週間待ってみると、時間が答えを出してくれる。お金がいろんな情報を運んでくることに気がつくはずだ。

 その他に、お金は「迂回させて使う」というのがある。欲しいものが見つかったらすぐに収入(フロー収入)からは買わないで、「ストック収入の資産から買う」。
 例えば、ポイントカードや特典などを使う。そのカードで購入すればポイントと金利が付いてくる。つまり、「機会損失」と呼ばれる増えるはずのチャンスを逃さないという買い方だ

 また、ローンや保険もほんとに必要かどうか見直してみる。無駄を省けるものは省く勇気が必要だ。車の資産価値は4年後からという試算もある。
 資産運用にしても必ずしもお金が入ってくるとは限らない。リスクを知った上で、収入源は管理しよう等々、教養のあるお金の使い方がぎっしり詰まった「人生のお助け本」と言える一冊だ。
お金の教養ーみんなが知らないお金の「仕組み」/泉 正人

¥1,260
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本との気持ち46

「成功への熱い思いを君に」 監修/小尾敏夫、熊谷正寿
(かんき出版・1680円)

 ベンチャー起業家達11人が事業を成功させるスキルを熱く語った講演録。信念、構想力、リーダーシップなど将来へのビジネスが展望できる。

 起業して、たとえ経営が赤字続きでも規模拡大のためにはさらに投資をして赤字の状態を続ける。そして黒字になっても、さらにアイデアで事業を拡大してゆく。誰が考えてもそのまま利益を上げていくのだろうかと思うが、なんともう一度赤字スレスレの利益ゼロになるまで資金を使って全く新しい事業を起こしてゆく。あきらめず業界ナンバー1を目指せばアイデアは事業化へと繋がってゆくという。これは取扱高180億円の企業に成長させた女性社長のサクセスストーリーだ。
 この他にも不動産業から焼肉店のフランチャイズを築いた起業家などが紹介されている。彼らは何が違うのか。それは「吸収するエンジンが違う」という。人材育成を一番に考え、社員全員で理念を共有し合う会社づくりを実践してゆくからだ。成功はやはり努力しかないのだ。その当たり前な努力ができるかどうかが成功の鍵だ。

 そうした11人の講演録の他、巻末にはこの本を監修した2人の対談と、「実力派ベンチャー経営者にみる成功訓」と題した解説が付いている。ベンチャーをめざすすべての人に贈りたい一冊だろう。
成功への熱い思いを君に/監修 小尾敏夫、熊谷正寿

¥1,680
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本との気持ち45

「財政のしくみがわかる本」 神野直彦 著
(岩波ジュニア新書・819円)

 どうして国も地方自治体も財政赤字になってしまったのだろう。それを理解するには、財政の在り方が国と地方では全く違うということがポイント。国の場合は、赤字が生じても補正予算で歳出を削減するか、あるいは増税するか、場合によっては赤字国債を発行することができる。
 しかし、地方自治体の場合は、法律を変えることはできないし、歳出削減をしようにも赤字地方債の発行もできない。赤字分は次年度予算に計上して処理しなければならないのだ。

 また、地方自治体には財政を自由にできない2つの拘束がある。1つは、国が命令として地方自治体に公共サービスなどの仕事をやらせる「機関委任事務」というのがある。2つめは、政府がお金を出し、地方自治体に仕事をさせる「補助金」だ。こうしたしくみで、公共サービスがほぼ同じ税率で行われ、全国画一的な財政になってしまってる。
 2000年に地方分権一括法で機関委任事務が廃止されはしたものの、これも介護保険制度の介護度を決めるのは全国一律のやり方だし、また交付税や国庫補助金が減らされているという状況があるように、国が依然と決定権を持っているという現実も変わっていない。財政を考える上で重要なことは、財政は民主主義的でなければならないということと、財政も税金によって支えられているということだ。

 以上、簡単過ぎるが、財政のしくみがわかってくると、民主主義の大切さが見えてくる。財政のあり方を見つめ直し、そのために分かりやすく書いてあるのが、このジュニア新書。大人が読めば、地方財政の入門書となるだろう。

財政のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)/神野 直彦

¥819
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