鍛造と鋳造の違い

私が鍛造を知ってたのは中学生の時です。月刊誌Gunで米国の銃器メーカーの製造ラインの取材記事がありました。

真っ赤に熱した鉄の素材を型に入れ、何 t(トン)かは忘れましたがプレスして強靭なリボルバーのシリンダーを作る内容で、鍛造にする事で強度がアップするのを知りました。

まだ昭和の時代に個人輸入でワイセコ製ピストンを手に入れたのは以前書きましたが、その後ドイツのWossner社製(ヴォスナー)の鍛造ピストンを個人輸入。

おそらくオートバイ用のヴォスナー製ピストンを日本に輸入したのは、私が初めてかかなり早い方でしょう。もう9年位前だと思います。

ピストンキットなのでピストンピンやリング、サークイップも含まれます。

写真アップの通りピストンピン周辺の強度に問題がない部分はマシニング加工で切削、軽量化が施され、テフロンコーティングされています。

これは昭和のワイセコのカタログ。ワイセコに手紙を送り、カタログを入手しました。鍛造ピストンの製造工程ですが、上の写真の円筒形の材料を隣の写真のように炉の中で真っ赤になるまで熱し、それを型に入れてプレスすると左上のように大まかなピストンの形になり、マシニング工程に移ります。

ピストンの比較図(黄色・青)です。ワイセコは1,500t(トン)の圧力でプレスをしており、金属組織が強靭に結合するので強度が上がります。その為、熱がかかると圧縮されている分膨張率も大きくなるので、鋳造よりもクリアランスを大きく取る必要がありました。ただし、随分前の話で長い間ワイセコでのボーリングをしていないので、最近のクリアランスについては分かりません。

ヴォスナーの軽量化の加工はとてもきれいに仕上がっていて、美しい。ワイセコにはこのようなピストンピン付近の軽量加工はしてありません。

鍛造は型に入れて超高圧力でプレスするので、鋳造のように複雑な形は出来ません。それなので後加工で不要な部分を削り落とすのですが、どうでしょうか、美しくありませんかはてなマークスカート部はいいとして、丸いものの内側を丸く削るのはどうするのか知りたいです。

ピストン裏側がすべてマシニング加工されています。鍛造ピストンのスカート部を削った事がありますが、物凄く硬くて大変でした。

ワイセコのピストンの裏側です。加工が施されているのは、スカートの部分のみです。型から抜けるようにピストントップに向けて厚みが増しているのですが、そのままです。私が輸入したドラッグレースで著名なショップは、レース用は軽量化の為に、ピストントップ付近の内側は削り落としていました。

ワイセコも経年と共に改良がされていて、現在はテフロンコーティングされているのですが、Wの文字が書いてあります。せっかくのコーティングなのだから、全面コーティングにして欲しいと思います。見た目よりも性能でしょう。

製造元が所有していたヨシムラの鋳造ピストンのカットモデル。ピストンに浮き出し文字でPOP.Yが入っています。誰の事か分かりますよねはてなマーク

現在はどうなんでしょうか?昔、モリワキも鋳造ピストンを販売していましたが、同じ浮き出し文字があったのでしょうかはてなマークご存じの方がいらっしゃいましたら教えて欲しいです。

鋳造でも押し湯と言って少しは圧をかけるのですが、鍛造とは比べものになりません。ちなみに、旧車のリプロピストンの中には、コストを下げるために東南アジア?で作ったものがあります。目に見えない細かなピンホールが無数にあるピストンがあり、焼き付きでもないのにバラバラに割れた事例があったと聞きました。

ヨシムラのピストンのカットモデルです。鋳造はこのような複雑な形状が出来ます。実際に使われたピストンをカットした物ですが、中心をカットしたものではありません。裏側には加工された痕跡はなく、レースに使った物ではなさそうです。持っていた製造元に何のためにカットしたのか聞きましたが「そんな昔の事、覚えてないよ」でした。サイズと年代からして空冷のGS750の物と思われます。

ワイセコはピストンだけではなく、スリーブやビッグブロック(オーバーボア用のシリンダー)もあります。

豆知識ですが、私がワイセコを輸入した際に重量を測ってみました。同じボアで純正の鋳造ピストンより、ワイセコのピストンの方が軽かったビックリマークのです。

鍛造を少し知っている仲間と話していたら「ワイセコは鍛造だから重いでしょう」と言われましたが、それは同じ形状・大きさであれば圧縮されている分重くなりますが、強度があるからピストンスリーブが薄く出来るので逆に軽いのですよ。

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今までの鍛造ピストンの記事のリンクを貼っておきます。ダウン

当ブログの中でも根強い人気がある記事ですので、よろしければ読んで下さい。

 

 

 

 

今年のブログは今回で終わりです。一年間ありがとうございました。

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