慣らしは慎重に行いました

鍛造ピストンを組んでお願いみて、エンジンはかかりました。とりあえずはひと安心。でも、クラブの友人の焼き付きがトラウマとなっています。苦労して輸入して、お金もかけてボーリングした。おいそれと「やっぱり焼き付いちゃった、ならばもう一度」なんて出来ません。

いろいろと考えた結果、時間をかけて、走らずに初期慣らしする事にしました。もともと、レーシングマシンでは初期はそういう慣らしをしています。昔、ホンダのCR110を所有している友人が、慣らしのマニュアルがあって、何千回転で何分、次は…というような事を言っていたのを思い出しました。

ワークスならエンジンに送風して温度も計りながらやるのでしょうが、そんな事は出来ません。その分時間をかけてやろうとなりました。

ある廃墟になった住宅地を見つけ、友達のワンボックスにオートバイを載せピクニック気分で行きます。おそらく、開発中に会社が倒産したか何かで人は住んでいないから、騒音も問題なし。そこで、エンジンをかけてある程度暖気したら、止めて冷やす。それを、何度も繰り返すのです。

家に戻ったら、シリンダーを外してピストンやスリーブを確認し、必要があれば耐水ペーパーにオイルを塗って、当たりを取る。左矢印これを確か4回やりました。大変だけれど、これでもかという感じでやっていましたね。友人も良く付き合ってくれました。

初期の当たりは大丈夫だろうという事で、実走に入ります。もちろん、中回転域まで、慎重に、とにかく慎重に。そして、無事焼き付くことなく走れるようになりました。グッ

それからずいぶん経って、ワイセコが普及し始めました。

それについては、また書きます。