http://www.bk1.jp/product/00963055

ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆

【書評】ヤング佐藤大輔

佐藤大輔、20代の1冊
とにかく軽快
前半は当時彼が飯の種にしていた ボードゲームのアレコレ、後半は氏の歴史感や現代(90年代初頭)の出来事への考察だ。

とにかく面白い

じゃあなんか書くか。
冷戦当時、実はソ連の対日戦というシナリオは影が薄かった。
ソ連が西側主要国である日本(アフガンみたいなド辺境と訳が違う!)に手を出す事態は ほぼ確実に第三次世界大戦モノであったりする。
世界大戦になれば主戦場は欧州並びに中東地域になるのは明白、つまりアジアの果てまで派兵する余裕がない、という状態なんだな。
まして対日戦となれば 海を越えなければならない、どう考えても数百万単位の大軍を送り込むのは困難だったりする。

では 何故対ソ戦を佐藤大輔は取り上げたか?
何の事はない 自衛隊が活躍するシナリオを作りたい時に一番手頃な相手が当時(80年代末)のソ連だったというお話
だから氏はかなり強引な展開を書いている
簡単に言えば、
ソ連が日本に攻める→アメリカが日本に救援→アメリカ軍のNATOや中東方面の戦力手薄→ソ連が有利
って具合だ。
個人的には資源分配的に アメリカの対日支援<ソ連の対日侵攻戦力 と思うんだけどね(要はソ連としては割に合わない)
逆に言えばそれくらいしないとありえないくらい のシナリオだったりする、不凍港や太平洋への出口なんてオマケだったりする。

だいたいのシナリオでいえば
ソ連極東軍8が北海道侵攻→陸上自衛隊北部方面隊(5万人強)が交代しつつ応戦→ソ連軍が疲弊したところで反撃、緩やかに追い詰める→その間に日米海軍がソ連太平洋艦隊と輸送船団を撃破→ソ連軍、補給を絶たれ道北に孤立→停戦
といったノリ
まぁ あれだ 現状で 自衛隊の評価は最強でも最低でもないという事だ。

もうちょい書く
個人的には"不征の国"が好きだったりする、元寇のお話

当時 モンゴル帝国は南宋との戦争にてこずっていた。
それは南宋の地理的状況にもよるが南宋が対外貿易により国力を維持し続けた為でもある。
モンゴルとしては 南宋の貿易相手である日本を"どうにかしよう"と考えて、国書を鎌倉幕府に出す。
一方 幕府
当時は国内事情がかなりグダグダだったりする、例えば土地の相続問題なんかが拗れたりしていた
そこに舞い込んだ国書
幕府を牛耳っていた北条氏は喜んだ、国書にある"兵を用いる至るに~"のくだり、つまり"仲良くしましょう、戦いはなるべくしたくない"を軍事的恫喝だ、と殊更言い触らした。
今日でも日本の政治家がよくやる"ガイアツ"である(何かをするとき外圧を利用する)、つまり「大陸からの圧力だ、みんなで団結しよう、幕府に力を集中しよう」とカマした訳だ
面白くないのはモンゴル側、小国日本に舐められ、使者まで殺されては国としてのメンツが成り立たない
"帝国"と呼ばれる国は大概、国内外の属国や異民族の支持により成り立つ
それが小国に舐められまくっては 国が成り立たなくなる
こうして元寇(文永の役:1274年)が決定した訳だ。

まぁ 面白い
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンの間-110729_1537~01.JPG

日本国債については様々な評価がある
曰く、負債の積み上がりが既に危機的水準だ
曰く、政府資産があるのでさほど危機的には非ず
曰く、日銀が直接引き受ければいい

等などだ。
では、その辺を見てみる。
まぁCDSスプレッドのお話
CDSとは何ぞや?わかりやすくいえば債券の保証、つまり"デフォルトに対する保険料"と言える。
保険料がリスクと比例するように CDSスプレッドもリスクと比例する と考えられる。
まぁ 適当にググッた数値をあげておく(数値が誤りとの指摘があれば修正します)

・ノルウェー 17bp
・ドイツ 56bp
・アメリカ 58bp
・日本 91.5bp
・フランス 116bp
・イギリス 152bp
・中国 155bp
・オーストリア 185bp
・イタリア 241bp
・スペイン 330bp
・ポルトガル 780bp
・アイルランド 790bp
・ギリシャ 2000bp

さて、これから どう思うだろうか?
少なくとも"日本国債は世界一安全"というのはウソとわかる、米独債の方が安全である
ならば、何故金利が安いかといえばデフレによる実質金利高 と言っていいだろう。

あまり参考にならないが 参考程度に書けば東電の社債が400bpらしい(何年モノかは不明だが)、これからもPIIGS問題がヤバいかがよくわかる
個人的にはイタリアとギリシャを同一視するのもアレだとは思っているが。

さて、私は以下のように見てみる
・主要国上位グループ
ノルウェー ドイツ アメリカ

・主要国中位グループ
日本 フランス 韓国(上にはないが100bp強程度)

・主要国下位グループ
イギリス 中国 オーストリア

論外組
PIIGS

さて 私が注目したいのが イギリス
STUPID(バカ)という言葉がある、PIIGS(ブタ)に代わる言葉で スペイン(Spain) トルコ(Turk) イギリス(UK) ポルトガル(Portugal) イタリア(Italy) ドバイ(Dubay) を当てこする内容だ。http://www.garbagenews.net/archives/1252485.html

ただし、コレはニュアンス的には"イギリスもうかうかしているとスペインやイタリア並になる"という意味だったりするんだが
どちらにしても 主要国下位クラスは既にPIIGSの射程に入りつつあるとわかる
さて日本、イギリスよりそれなりにマシではあるが 米独程安泰かといえばさに非ず、だ

つまり日本国債、5年モノに対する評価は「すぐに危なくなるとは行かないが、うかうかしているとレッテル貼りの対象になりかねない」と言える。

こちらがあてになるので 是非にhttp://www.garbagenews.net/archives/1794928.html

では、余談モード
何故 金融機関は国債を買うのだろうか?
1つにはALMの問題だ。
例えば生命保険は加入者の保険料を運用、死亡時に支払う というスタイルだ
この場合はなるべく加入期間と運用期間がリンクした方がいい、運用期間が短ければその分利益が減るし 長ければ支払うキャッシュがない
そして保険の加入期間は長い、例えば40歳から70歳までで30年だ。
あと銀行等でも 定期預金で長期間にわたる預金が増えている事もある
つまり 長期間 安定した投資先として国債が人気がある といえる。

他方では、VaR(バリューアットリスク)だ
金融機関はカネがある、がそれは所詮他人のカネ(借金)である
つまり カネがあるからと言ってリスキーな投資が出来ない、しょい込めるのは自分達の自己資本分だけだ
逆にいえば自己資本が銀行の意志決定を左右するとも言えるんだけど
さて 国債、過去を遡っても 極端な値上がり値下がりを経験していない
つまり"安定している"という実績があり 実績を銀行が評価している形だ。

実はコレが怖い。
銀行が国債を購入する理由が"安定している実績"と書いた
だが、例えば何等かの理由で極端な値動きがあったとする
銀行からすれば 不安定となり 不安定な資産イラネ→国債を売却→一気に値崩れ となりかねないんだ。

だから日銀や財務省は頭を絞っているんだ コレが金融政策、という意味

トートロジーになるけど 国債は"安定しているから安定している"んだな
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンの間-03279355.JPG

http://www.bk1.jp/product/03279355

ミツゴ評価 ☆☆☆☆

【書評】はっきり言えばやや難解かも

まぁ少し(というかかなり)難しい本。
近年 ホリエモンがブタ箱にぶち込まれたが 具体的に彼が何をしたか 正確に言える人はどれだけいるだろうか?
少し経済をかじった人なら"粉飾会計"と答えられるだろう
では より具体的には?と言われて 何人が答えられるだろうか。

その辺を見てみる。
簡単にまとめると
・ライブドアが増資をした株式を、例えば100円で 非連結のファンドに売却
・そのファンドが一般投資家にライブドア株を150円で売却、ファンド的には50円の利益
・ファンドがライブドアへ利益を還元、ライブドアには"受取配当"として営業外収益とカウント
・ライブドアの利益が増える
となる

会計をかじった人なら解りやすいが 自社株の売却益を利益として見なしちゃいけないんだ(いくらでも数字を操作できる為)
ライブドアは"非連結のファンド"を通してソレをしたわけやね。

では、なんで?
アノ手の企業の戦略は 株価を引き上げ、株式交換で企業を買収し、企業体力を付け さらに株価を高めて・・・・という倍々ゲームを行っている訳だ
その前提になるのが"高い株価"であり "高い利益率"と"利益の成長期待"がバックボーンになっている。
つまりだ 利益があるから株価が高く 故に企業を買収できる、故に利益を常に高めにしたいという力が働くんだな。

実は私の身内の知り合い(要するに赤の他人)がライブドア株で200万程やられているらしい。
では?と思う、何故ソイツはライブドアなんかに突っ込んだのか、と

実はプロから見ればライブドアは結構怪しかったりする。
ライブドアはよく"新進気鋭のIT企業"と言われた、一部の人間はジョブス、とまでは言わないが孫正義の後釜と見做していたくらいだ。
だが 粉飾の損益計算書 そのセグメント別の評価を見てみても 実はIT事業は殆ど利益を産んでいない。
例えば 17年度営業利益176億円中、モバイルソリューションが3億、ネットメディアが5億、ソフトウェアが△4億だ
一方ファイナンスが146億円・・・・・コレだけでもライブドアはIT企業というより金融会社とわかる
で、ライブドアは具体的に何してんの?と突き詰めれば自ずと姿は見えるハズ
少なくともまともなビジネスマンは本業以外で稼いでいる会社には警戒をするハズなんだけどね

では粉飾は一部新興企業の得意技か?といえば、さに非ず。
例えば老舗企業
老舗企業は性格上、事業内容が既に伸び盛りを過ぎていて 事業自体が安定と低迷の境界にいる事が本当に多い。
では 利益を増やし続けるには何等かのアプローチが必要である、そこに付け入る隙が生まれる訳やね。
例えば某醤油メーカー
東海地方にて明治期より操業、名証2部上場の会社がある
この会社は銀行からの借り入れを、設備ではなく 金融商品 例えばマレーシアやコロンビアの公社債に投資していた
その受取利子で本業の不振の穴埋めをしていた訳だ。

だけどね、金融商品にはリスクがある以上 一定の貸倒引当金をつまなならんのよ ソレを積んでいなかったんだな
ポイントは 何故こんな事が出来たのか という事
簡単にいえば投資資金を銀行が貸してくれたから
銀行も明治以来の伝統にまんまと信用してしまった訳だ。

実は粉飾という戦略はあまり美味しくはない。
何故なら リスクは高いし、割とバレやすい
常識で考えれば急激な売上や利益増があれば大規模な投資があると見ると考えるのが普通だし、その辺なにも無ければ アヤシイ、となる
おまけに 利益が増えれば、税金も増える ソレも法人税はキャッシュが原則だ。
だから 粉飾をする時は 最小限かつなるべくギリギリのラインの会社が大きかった。
カネボウなんか見れば 利益が見事に低空飛行をしている
だが近年の傾向として"時価総額経営"等もあり そこそこ儲かっている会社ですら粉飾に手を染める傾向が見られる
そういう意味では"会社が苦しいから粉飾に手をそめる"という常識は揺らぎつつあると言えるかも知れない。

粉飾を見破るのに必要なモノは 実は"常識"である。
利益率にしろ資産の回転率や規模にも一定の常識的な水準は存在する。
だが常識は常に揺らぐのも事実

故に常に我等は学び続けなければ、と思ったム
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンの間-03397813.JPG

http://www.bk1.jp/product/03397813

ミツゴ評価 ☆☆☆

【書評】正直 悩みのある人には辛いかもしれない。

こういう本は 実際に精神的に辛い人が手に取る事が多いと思われる。

そういう人には少し読みにくいとオモタ
というのも 表紙を見ればわかるが この本 かなりギャグパートに力を入れている
が、精神的に参っている人からみれば 茶化されている、と思ってしまうかもしれない、少なくとも私は少しイラっとした。

なんか書くか。
浦島太郎という話があるが なぜ乙姫は恩のある浦島太郎に玉手箱を渡したのだろうか?
その辺のお話が面白かった。
あんましよくねーかも知れんが 書いてみる。
人間の記憶の特性として辛い体験ほど忘れやすい、というモノがある。
例えば高齢者は割と昔の苦しみを気楽に話したりするでしょ?それと同じ
もっといえば 人間は年とともに記憶が薄れていくが、記憶の減衰率が 楽しい記憶<辛い記憶 となる
結果 年をとる事に記憶に占める辛い部分が相対的に小さくなり 楽しい記憶が相対的に大きくなる

浦島太郎を見てみると 浦島が地上に帰った時、数百年の時間が流れていた
当然 家族や知人友人の類はそこにはいない、おそらく家や財産もないだろう。
この時浦島の脳内には、竜宮城での楽しい記憶と現在の悲惨な記憶が混在している
玉手箱で時間を流す事は辛い記憶を忘れさせる乙姫の配慮だったのではないのか?というお話

尺的にアレなんで新型うつの話でも
新型うつの特徴には、旧来(でいいのか?)うつ と違い、・他者への攻撃性 ・過食、過眠 ・特定の分野のみに影響 というのがある
ポイントは最後のヤツ
例えば「仕事はイヤだけど遊ぶときはノリノリ」という事
コレは他者から見れば ただの甘えや怠けに見えてしまう
では それらとの違いを見破るには?となれば 1つ
怠け、の場合は昔からずっと継続している事
新型うつ、の場合は昔がアクティブなのに急に力が入らんなくなっちゃう事やね。

ただ 注意が必要な事がある
新型うつ、は実は学術的にはよくわかっていないんだな
私も正直 バーンアウト症候群との区別が付かない

「新型うつも知らないのか」と自信満々に言っていた人がいたけど 逆にお前さんはどーしてそんなに詳しいんだ?と個人的には思った、専門家ですらよくわかっていないのに

まぁ真面目な話 そういう事はネットで聞くよか医者に相談した方がよろしいと思うよ

当blogも医療ネタに関しては"一切"責任をとらないので念のため

<余談>ランボー、って映画がある、スタローンが出て来るヤツね
ぶっちゃけ私は2作目以降は駄作だと思っているんだが、1作目(ファーストブラッド)は是非見てほしいと思っている
ベトナム帰還兵の話なんだが、ランボーの有様を見ると泣けてくる、アレは没落したエリートの姿でもあるんだな
ランボー、というかベトナム帰還兵の場合はうつ というよりPTSDやパニック障害なん(だと思う)んだけど
興味のある方は是非に
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンの間-03190668.JPG

http://www.bk1.jp/product/03190668

ミツゴ評価 ☆☆☆☆+☆×0.5(☆4.5コ)

【書評】自動車メーカーの強み、環境、そして戦略

日本の自動車メーカーの最大の強み、それは製品のインテグレート(すりあわせ)にある
わかりやすくいえば、例えばパソコン
処理能力の高いパソコンを作りたければ 処理速度の早いCPUを使えばすぐに作れる
そして技術がコモディティ化した現在では金を出せは割と簡単に部品や設備手に入る
このような業界だと 競争力の付くのは 例えば安い労働力が豊富な国だったり 資本力のある国だったりする。
つまり中国や韓国メーカーが有利に働く訳やね。

自動車はこの逆だ
例えば馬力のあるエンジンを採用しても、即 スピードが出るかと言えばさに非ず。
何故ならシャーシやボディとの相性があるからだ
エンジンの性能を最大限に引き出すには エンジンに似合ったシャーシやボディを作らなければならない。
これを"すりあわせ"というが 日本企業はコレが上手い。

もっと言えば 部品を自前で作る以上"ネットで気軽に仕入れる"とはいかない訳なんだが、"欲しいものを欲しい分だけ納期に合わせて"生産するノウハウが凄まじい。
コレが今日、"ジャストインタイム"と呼ばれているシステムである。

だが 日本の自動車業界が安泰かといえばさに非ず。
1つにあるのが、"電気自動車"だ。
つまり 自動車の部品が電子化すれば 金さえあれば誰でも必要な部品を購入、組立が出来るようになるかもしれない、といわれている(small hundreds)
つまり 自動車の家電化、コモディティ化 という訳やね。
ならば 中国や韓国メーカーが台頭する可能性があるのでは?となってくる。

さてどーなるか?といえば実は明瞭な答えはない。
おそらく インテル見たいに特定のコア部品に生産を特化するんじゃないの?なんて言われてもいる
例えばリチウムイオン電池やモーターなんかやね。

ビジネスの世界には"スマイルカーブ"という言葉がある
モノの生産工程を 1)企画・開発 2)部品生産 3)組立 4)販売 5)アフターケア とすれば、利益率が 1)5)>2)4)>3) となる訳やね
iPodなんかみればわかりやすい
開発はアメリカのインテル、部品は日韓台、製造は中国だ
中国が一番旨味の少ない部分をやらされている、だから安い労働力が大量に必要になってくる訳やね。

閑話休題、1)5)が旨味があるとかいた。
当然誰もが1)5)をしたい と考えるがそうはならない。
何故なら技術開発には莫大な資金と長年のノウハウが必要な上、突っ込むモノ突っ込んでも成果が出るとは限らないからだ。
そう 技術開発は極めてリスキーなんだ
だからこそ 参入者が少ない→競争が少ない→利益が厚い となるんだけど。

では、どうする?
現在進んでいるのは他業種間の業務提携、合従連衡(メガコンペディション)だ。
たとえばスズキとVWが資本提携をしたりした、あれも技術開発費の捻出とノウハウの共有が背景にある。
あるいはホンダはNECやショーワと組んでホンダエネシスを立ち上げ トヨタも松下と組んだPEVEの増資を行っている

自動車業界は大きく2つの潮流にある
1つは次世代自動車のビジョン 1つは途上国市場の問題である
故にしばらくは自動車業界が騒がしいのは想像に難くはない、と思う。