超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンの間-03279355.JPG

http://www.bk1.jp/product/03279355

ミツゴ評価 ☆☆☆☆

【書評】はっきり言えばやや難解かも

まぁ少し(というかかなり)難しい本。
近年 ホリエモンがブタ箱にぶち込まれたが 具体的に彼が何をしたか 正確に言える人はどれだけいるだろうか?
少し経済をかじった人なら"粉飾会計"と答えられるだろう
では より具体的には?と言われて 何人が答えられるだろうか。

その辺を見てみる。
簡単にまとめると
・ライブドアが増資をした株式を、例えば100円で 非連結のファンドに売却
・そのファンドが一般投資家にライブドア株を150円で売却、ファンド的には50円の利益
・ファンドがライブドアへ利益を還元、ライブドアには"受取配当"として営業外収益とカウント
・ライブドアの利益が増える
となる

会計をかじった人なら解りやすいが 自社株の売却益を利益として見なしちゃいけないんだ(いくらでも数字を操作できる為)
ライブドアは"非連結のファンド"を通してソレをしたわけやね。

では、なんで?
アノ手の企業の戦略は 株価を引き上げ、株式交換で企業を買収し、企業体力を付け さらに株価を高めて・・・・という倍々ゲームを行っている訳だ
その前提になるのが"高い株価"であり "高い利益率"と"利益の成長期待"がバックボーンになっている。
つまりだ 利益があるから株価が高く 故に企業を買収できる、故に利益を常に高めにしたいという力が働くんだな。

実は私の身内の知り合い(要するに赤の他人)がライブドア株で200万程やられているらしい。
では?と思う、何故ソイツはライブドアなんかに突っ込んだのか、と

実はプロから見ればライブドアは結構怪しかったりする。
ライブドアはよく"新進気鋭のIT企業"と言われた、一部の人間はジョブス、とまでは言わないが孫正義の後釜と見做していたくらいだ。
だが 粉飾の損益計算書 そのセグメント別の評価を見てみても 実はIT事業は殆ど利益を産んでいない。
例えば 17年度営業利益176億円中、モバイルソリューションが3億、ネットメディアが5億、ソフトウェアが△4億だ
一方ファイナンスが146億円・・・・・コレだけでもライブドアはIT企業というより金融会社とわかる
で、ライブドアは具体的に何してんの?と突き詰めれば自ずと姿は見えるハズ
少なくともまともなビジネスマンは本業以外で稼いでいる会社には警戒をするハズなんだけどね

では粉飾は一部新興企業の得意技か?といえば、さに非ず。
例えば老舗企業
老舗企業は性格上、事業内容が既に伸び盛りを過ぎていて 事業自体が安定と低迷の境界にいる事が本当に多い。
では 利益を増やし続けるには何等かのアプローチが必要である、そこに付け入る隙が生まれる訳やね。
例えば某醤油メーカー
東海地方にて明治期より操業、名証2部上場の会社がある
この会社は銀行からの借り入れを、設備ではなく 金融商品 例えばマレーシアやコロンビアの公社債に投資していた
その受取利子で本業の不振の穴埋めをしていた訳だ。

だけどね、金融商品にはリスクがある以上 一定の貸倒引当金をつまなならんのよ ソレを積んでいなかったんだな
ポイントは 何故こんな事が出来たのか という事
簡単にいえば投資資金を銀行が貸してくれたから
銀行も明治以来の伝統にまんまと信用してしまった訳だ。

実は粉飾という戦略はあまり美味しくはない。
何故なら リスクは高いし、割とバレやすい
常識で考えれば急激な売上や利益増があれば大規模な投資があると見ると考えるのが普通だし、その辺なにも無ければ アヤシイ、となる
おまけに 利益が増えれば、税金も増える ソレも法人税はキャッシュが原則だ。
だから 粉飾をする時は 最小限かつなるべくギリギリのラインの会社が大きかった。
カネボウなんか見れば 利益が見事に低空飛行をしている
だが近年の傾向として"時価総額経営"等もあり そこそこ儲かっている会社ですら粉飾に手を染める傾向が見られる
そういう意味では"会社が苦しいから粉飾に手をそめる"という常識は揺らぎつつあると言えるかも知れない。

粉飾を見破るのに必要なモノは 実は"常識"である。
利益率にしろ資産の回転率や規模にも一定の常識的な水準は存在する。
だが常識は常に揺らぐのも事実

故に常に我等は学び続けなければ、と思ったム