彼方へ向かう

犇めき合う空気の圧縮

切り取られた様な空の下

錆付いた翼は

軋んでは殺される


放り投げ出された

身体は望んだ蒼の世界

誰の為に差し出す

痛みを伴い続けた

その言葉の意味を

知らないままで


腐りかけた

埃臭い部屋の中

草を踏みつけて

奪い続ける侵略者

望まれない歓迎と

スケープゴートの呪いを


お前の事を捨て去る

呼吸を失った理由を

被せ続けた

本当の意味を

気付くのが遠くとも

血を流し続ける

掌の意味を


剥き出しの本能と

誇り臭い理想

現実に在るのは

ただ一つだけの

真実だ


飛べない翼が

折り曲げ続けた言葉を

立ちあがれない理由を

誤魔化し隠して

ようやく訪れた


扉は


開かれた


もう意味がないのなら

何でもいいだろう


ただ一つそう在る為に



居ない


いない。


痛い


居たい


心が


軋む


犇めく


顔を隠して


俯き一人


足元に砕けた


花の名を


誰が知るというの


居ないのに


燃え尽きた


灰の中で


息衝く


鼓動、


夢の跡も


痣の音も


花の色も


全てが


最後になる。


ねぇ、


散らしたのは


誰の為の、


言葉。


思い。


忘れたのは


罪なのか


罪悪と


贖罪と


断罪に揺れる


弾けた


本当の、


思い。


言葉。


痛みも


きっと、


それでいいよって


貴方が触れる


傷の跡は


もう、


きっと。




きっと。


触れたところから

崩れていく世界

僕の瞳じゃ

白黒の壁の中

壊れ出したのは

どちらが先だったのか


誰かが叫んだ声で

引き裂かれた心が

汚く淀んでいく

パレットに零したのは

何時かの自分の姿で


白くなりたいと

黒く塗り潰した

世界の中

膝を抱えているのは

僕一人だけで

見えないものだけが

確かな感覚を与えた


もう許されない事も

全て分かっているつもりで

許しを請うのは

きっと僕の世界が

まだ色を求めるから


白線の向こう側

霞んでいく境界線と

君の手が見えた


壁は、もうなかった


口を開けずに

遠くに置いてきた

私の心

瞬いたその先で

睫毛を震わす


溢れだした涙も

零れた言葉で

静かに受け止めた

雑踏と街並みに触れる

貴方は何処にもいない


同じ顔の群れ

変わらないまま

振り向く事も

何時だって悲しい

前だけを見て

見据えて、

誰もいない


過去の事も

未来の事も

別に興味なくて

ただ只管に。

変わらないで

今のまま

私を失えば、


通り過ぎる人波

合わない視線

不揃いな背格好

無愛想な表情

貴方だけが揃わない

消えないまま

私の傷痕は深くなる


そうしてまた私は

言えなくなってしまった

過ぎていくものだけ

貴方を置いていくから


また一つ、私は詰んだ。


固く握りしめた

両手じゃ伝わらない

どうしても

どうしても

言葉だけが出なくて


言いたい事はそれだけ。


たった一言が

深く根付いていく

恨みも憎しみも

苦しみも悲しみも

全部混ぜてしまって

本音が霞む

嘘ばかりが増える

君には伝わらない


痛みも堪えても

それだけの事

何も変わらない

何も伝わらない

だから僕は傷を携えた

犠牲を無視した先の正義


倒れる不変と

鉄塔の要塞

墜落していく

深窓の箱庭

守るべきは

語らないまま

呟いた音の羅列

並列進行した

誰かの犠牲


もう一回、

その手が触れた

痛みを伴って

全てを救いだそうと

伝わらないままの

全ての答えが


打ち抜かれた