どうであろうと

僕が僕である事

全てが本当だと

そう言える強さが

あれば良かったのに


茹だる様な暑さと

照り返すアスファルト

伝う言葉と汗と

知らない君を見つけた

もしも話なんて

非現実的な嘘吐きは

何処にだっているんだ


僕だって、

君だって。

本当はそうなのさ

言ってしまえば

きっと、続きはないけど。


僕が僕の強さを

認める事が出来ていれば

何かが変わって

何かが終わってしまうと

気付いてしまったから

君が知らない僕を

もしも話の向こうへ

連れていってしまえば良かった


掴んだ腕の強さも

その癖バカみたいに揺れてる

弱虫の瞳を瞬かせて

君は言うんだ

聞きたくはないけど、

知りたくもないけど。


どうであろうと

僕が僕である事が

全部否定されても

仕方ないとしても

それが事実でも

あの夏の温度が嘘みたいに

本当のところ、何でもいいんだ


きっと終われるなら

僕が君といられるなら

茹だる様な季節を繰り返して

もう一度笑えるなら

それはそれでありだろう。


それが正解である様に

僕は僕である事を

何度だって諦めはしないんだ。


何の為の力なのか

何の為の腕で

何の為の足なのか


考え抜いた絶望と

打ち抜いた頭ん中で

強請る様に許しを請うて

その癖恐怖に脅えて


死んでしまうならば

呼吸を止めてしまうなら

抗うだけの力を

求めてばかりの腕に

釘刺す力を


向けた切っ先と

抜けた鉄の塊と

逸らさない視線で


誰かの為に殺すなら

誰かの為に生きるなら

誰かの為に力を使うなら

その鉛は何の為で

その力は何の為なんか


穴だらけの論理と

空白だらけの回答で

納得なんて一度もしなくて

知ったかぶりを繰り返して

語れない人生と

汚れてばかりの思考で


積み上げた罪と

屍の上で笑うなら

僕らは何の意味もない

ただのモノで

薄汚れてる世界を

蹴飛ばすだけの力もなく

それなのに脅えてる


恐怖すべきは


他の誰でもない


人であるはずなのに


一つ足跡を残して


笑う様に頬を撫ぜる


繰り返すは黄昏に俯く


その横顔に触れた光


天を仰ぐ一つの形に


語り継ぐ誰かの声を聴いた


飽和した木霊の命


数多の言葉に


遥か続いてきた道を


幾度と立ち止り


振り返る事があれど


何の意味もなく


またそれを望めど


語る理由もなく


震える両手に


掴まえたのは


何の言葉も持たない


草原の向こう側で待つ貴方の背


私はきっと何も知らない


数多の心に


黄金に焼けていく感情を


この唄に鼓動を乗せて


息衝くのは嘗ての園


巡るはその唄と


誰の語る全ての物語


掻き毟る様に全てから逃げて

泣き出した声の遠くも

全部が返る事なんてなくて

抱き締める為の腕も

力なく垂れ下がるただのモノで

君の為だなんて安い偽善を

幾つも繰り返しては

静かに泣いてるんだ


あの頃の二人は幼くて

出来ない事ばかりだったのに

今の方が縛られていて

出来ない事がもっと増えていった

埋め込まれた自尊心が

少しずつ君を遠ざけていく

伸ばした掌も

もう届く筈もなく


離された距離だけ

考える時間が増えていって

上辺だけ塗り固められた

言いたくない言葉も

簡単に口から零れていった

その分だけ伝えたい言葉が死んで

僕の中の君も死んで

愛していた筈の君の事も

全部覆い尽くしてしまうんだ


もういいよって

あの頃の二人から離された

遠くの方で君が泣いている

聞こえた言葉の羅列が

僕を突き放して


もう戻れないのは

気付いていたんだ


騙す様にして

手に入れた物は

全部最初から偽物で

僕の為じゃなかった


手向けた花束も

浮かべた笑顔も

何処か虚ろで曖昧な

作られたもので

気付きたくなかったのに

知りたくなかったのに

掻き集める様に集めた

僕だけのお人形は

何処にもないんだ


幸せになる為の偽りの箱庭は

君の為になんて偽善で

作った笑顔も

作った感情も

全部全部宝箱の中

埋め込んでしまった疑心も

知ってしまった憎悪も

見なければ知らなかったのに


見つけてしまったのは

誰かの為だけの君の姿

僕のじゃない君が

君のじゃない僕が

偽りの宝箱に

閉じ込められていく


幸せになんて、

なれやしないよ


僕だけの箱庭は

崩落した楽園

お人形は全部、

燃やしてしまった。


もう幸せになれないなら

作られた仮面で笑おうか


君が幸せになれるように


僕の偽りで死んでしまわぬように