掻き毟る様に全てから逃げて

泣き出した声の遠くも

全部が返る事なんてなくて

抱き締める為の腕も

力なく垂れ下がるただのモノで

君の為だなんて安い偽善を

幾つも繰り返しては

静かに泣いてるんだ


あの頃の二人は幼くて

出来ない事ばかりだったのに

今の方が縛られていて

出来ない事がもっと増えていった

埋め込まれた自尊心が

少しずつ君を遠ざけていく

伸ばした掌も

もう届く筈もなく


離された距離だけ

考える時間が増えていって

上辺だけ塗り固められた

言いたくない言葉も

簡単に口から零れていった

その分だけ伝えたい言葉が死んで

僕の中の君も死んで

愛していた筈の君の事も

全部覆い尽くしてしまうんだ


もういいよって

あの頃の二人から離された

遠くの方で君が泣いている

聞こえた言葉の羅列が

僕を突き放して


もう戻れないのは

気付いていたんだ