死に絶えていく呼吸も

動かない身体も

錆付いた様に凍る心も

全部が消えてしまえば

きっと何も悲しくはない


歩いた雑踏も

聞こえる雑音も

浮付いた戯言も

どれが本物かも

知りもしないで

丁寧に並べては

涙を零していく

コンクリートの壁を

何度も蹴飛ばした


隔てる境界線

沈んでいく鼓動

埋もれたのは

君を愛した僕への希望


蹲って俯いて

騙す様に騙って

何度も笑いかけて

結局泣き出した

意味のない時間の繰り返し

何の意味もなくて

何の価値もない

僕の為だと言うのなら

全部全部消してよ

こんな雨降りの世界

僕は要らないから


冷たい温度だけが

指先に伝わって

それだけの事なのに

何一つ覚えてないんだ

空の高さに溺れて

空の青さに喉を詰まらせた

僕らの意味なんて

誰も求めてないのに


なんでこんなにも悲しい

歩いてきたって

何度も躓いて

そして君は、


君は。


息を止めて僕は泣いた

目蓋を閉じてしまえば

何も見なくていいんだ

だけど映した世界の嘘が

僕を静かに苦しめるから

僕は呼吸を殺して

消えてしまえ、と何回も願った


届かないなら言わないから

逢えないなら祈らないから

もう二度と悲しまなくていいように

君が内緒に教えてくれた

この心を消してしまえば

きっと前へ進めるんだ

そう願うだけの日々に


また僕は静かに泣くんだ


きっと分かってたんだ

そんな単純な事じゃあないんだ、

ないんだって事くらい。


ぽたりと落ちたのは

紙飛行機だったのか

僕の涙だったのか

分からないよ

ずっと前からの願い事

二人ぼっちの世界で

叶う筈だった願いを

掌の中で壊れていく

浮かんでは崩れる星の言葉


届く筈ないんだよ

分かっているはずなのに

諦めきれない僕が踏み出した

その先で君は笑っていてくれるかな

もう逢える筈もなくて

願い事も踏み躙られて

それでも、それでも。


二人ぼっちの世界で

銀河の海は遠く近く

こんなものじゃあ逢えないけど

こんなものじゃあ届かないけど

途切れた言葉と

続かないお祈りはきっと


終わる世界が笑えるように

伸ばした掌をもう一度、

もう一度握り返してもらえる様に


銀河の海の中で君は笑う

僕はきっと、それだけで良かった


失う事で見慣れた事を殺してしまえば

針を突き刺す手前、嘘吐きは死んでしまえ

何もない癖に吐き出す情景

ただ祈るだけの嘘ならば

何一つ必要なんてないのだと

感傷で自分を傷付けて笑う

その度に何時もお前は

それだけ心に残してしまえと

意味もない言葉を吐き出す


振り払う雑念と憎悪の渦

暗く淀んだままの言葉は遠い

痛いのは誰の為?

苦しくて辛くてそれだけの感情を

口に出す事もなく、

霞んだまま歪んでいく

呆けた様に願いを掛ける

お前が望んだ世界で。


ただ願うだけが罪になるのなら

傷付けて殺してしまいたい程の

強く憎しみに満ちた心は

どれだけの痛みを与えるのか

弧を描く様に放物線を描いて

投げ捨てた感情論のままに騙る

お前は何一つ知らない、

どれだけ祈っても

救いなどありはしないのに。


馬鹿みたいに憂鬱な世界が閉じる

継ぎはぎだらけで痛みを伴う嘘

真直ぐ見れない視線の海

震えては冷えていく指先に

言いたい事をまた呑み込んだ

それが何になる?

意味も理由も意図もないのに、


歪んだ心が選んだ世界は

誰も笑う事のない歪で罅だらけな

境界の失った崩落した楽園だった


ぷつり、と

音が途切れる


探し物は

此処には無い様で

欠片と破片を集めて

鏤めた嘘は

何度も咲いている


悟るように

笑い合う事も

許されて

許可制の世界で

色を失った


見付からないのは

本当の事で

歩き疲れて

仰いだ空の隙間

緩やかに下降線を下る

君は何処にいるのだろう


居場所を見失って

もがくように

腕を翳した

顔を隠してまで

言えない事も

きっと何一つ

苦しくはないんだ


ノイズの様な

そんな世界は

音を迎えて、

二人だけ

放り出した事を

僕と君だけが

一緒に抱えた


共有された未来

保存した過去

隠した物を

失くした物を

探してた物を

もう一度翳して


ぷつり、と

途切れた

君の言葉と

映した瞳の奥で

君が笑ってる、


探し物が


見付かった。


この両腕を

君は切り離して

千切った

言葉の端で

振り払う様に

僕の瞳を蔑んだ


返らない言葉は

何度も繰り返された

騙る事も難しく

泣き出しそうに歪められた

本音なんか言わない癖に


思い出した事を

一つ一つ粉々にして

言葉にしたくない事を

全部全部隠しちゃって

首筋に触れた

冷たい温度が悲しい


何も言わなくていいよ

僕が悲しくなるから

寂しくはないんだ

ただ静かに傷付いていく

君の言葉が

僕を消していくから

見下す様な世界で

君だけが笑っているんだ


返さない言葉は

何度も握り潰した

騙りたくはない

語りたくもない

本音なんかないよ

全部本当の事だから。