曖昧に浮かべる

誤魔化した感情の行方は

書き出しては汚く

黒く塗り潰された言葉


きっと、伝わらないんだ

遠くにあるはずの

その背中に耳を澄ませて

指先が辿る

針は動かないまま

僕を待っている


枯らした喉の

夢は土に埋もれたまま

さよならも聞こえない

それは、夢でありますように。


願いは木霊して

青いだけの空を駆ける

風のように在りたくて


いつだって正しくはない

隠したって

誤魔化したって

黒は黒のまま

白い言葉を溶かしていく

伝えられないよ

知ってる。


夢であるように、

何時だって此処に在るんだ。


零れ出した涙の嘘

夕暮れに堕ちていく

瞳の色は虚ろに迷う


少しずつ剥がれていく

地面を蹴り出す

嘘吐きは此処で

膝を抱えて泣いているよ

それすらも曖昧に


爪を立てた

仮面の裏で笑う

裏切り者は

何時だって僕だ


溢れ出して

本当が無くなっていく

きっと歩き出すにも

勇気が必要で

それなら逸らしたままの

視線を合わせてみようか


そんなささやかな事で

涙を流してさ

嘘を吐いた仮面は

罅割れてしまった


虚ろに溶け出す

瞳の最後に君は笑う

夕暮れの色彩に

僕は君と生きようか


項垂れたまま

静かに涙を流す

まるで夢を見ていたみたい、

柔らかな温度だけが

幽かに頬を撫ぜて


温かさを失くした雑踏

冷たく振り上げた言葉が

顔を、感情を殺して

誰も分からなくなっていくんだ


まるで同じ顔、同じ人

個別を無くして

呼吸の仕方なんて当たり前も

僕は分からなくなってしまった


この朝が明ければ

悲しい未来なんて

無くなるのかな。

そうであればいいのに

君を失い始める

僕の温度は

少しずつ浸食し始めて

消えていく夢の話。


積み上がる言葉と

流した分だけの「君」を


この声の分だけ

君が無くなって

無理矢理押し出した

言葉に君は

涙を零すんだ


押し殺しだだけの

僕の隙間は

何時だって

此処にあったのに。


浮かび上がる泡沫

弾けた水飛沫に映る

僕の瞳は遠く。


此処から歩き出して

逸れてしまった

この両手の行方に

空は何時だって

僕を見つめては離れる

誤魔化しながら

虚ろに溶け出していく様に


飛んで、

飛んで、

見えなくなるまで


離れた温度に慣れるまで

崩れ落ちそうな砂の城

僕が落ちていく

海の底まで

もう、見えないから

忘れてしまいたいと

願うたびに浮かび上がる

何時かの泡沫。


黄昏時の光は

橙を抱え込んでさ

僕がなくなるまで

溶かしていくんだ


飛んで、

飛んで。

手から擦り抜けた光の束に

泣いてしまわぬ様に


呑み込んでは

言い出せない嘘

空は青いんだよ。

そんなちっぽけな事も

何処まで行けるかな、

漕ぎ出した足を

二人縺れさせて


集めた光を鏤めて

キラキラしたままの世界に

飛び込んでしまえたら

『きっと幸せだ』

続かないその言葉の先を

目蓋の奥に閉じ込めた


撫ぜた風の温度も

触れては離せなくなる

指先を握り締めて


「さよならの歌を謳おうか」


きっと僕らは幸せだ。

言い出せない嘘は

何時か風化して、

そして笑ってしまえる

そんな気がしたんだ

隠した事も全部

空は青いから、

許される様な

そんな気がするんだ


あくまで、想像だけど

僕の妄想かもしれないけど

それでも僕らは幸せだって

両手一杯に抱えた

花束投げ出して


漕ぎ出した先は

何時だって一緒だった筈さ。