曖昧に零して

窓際に腰かける

雨は止みそうにないから

埋もれた景色を思い出す

移り変わる

本音を隠して


泣きそうに歪める

その温度すら

忘れてしまう

錆付いては軋む

青く過ぎては

温く頬に触れた

また忘れてしまう!


それじゃだめだ

窓際の雨の青に

空から溢れだす

涙の跡に

また食い込んで

泣き出す夢の話を

置いていってしまう!


雨色の指輪に

滲んだままぼやける

不明瞭な季節の空に

僕は忘れたままの

景色は何時だって

此処にあるんだ


吐き出す呼吸は

少しずつ白み始める

その手を離して

私は、もう歩けないよ


怖くなって

その目を見れなくて

ただ静かに握りしめた

指先に力を込めて

爪を立てながら

君はきっと分かってた


あまりに弱くて

あまりに悲しい、

それでも私が

此処に居る為に


綺麗なものばかり

砂糖菓子みたいなキラキラを

緩やかに振るって

鏤めたままの夢から

目を醒ました私の手を

君はその瞳を瞬かせて

泣きそうに笑うんだ


吐き出す呼吸の意味を

単純にしてしまえば

きっと、愛おしさに

私は苦しくなるんだ


優しい魔法を君にあげる。


きっと笑える様に

もう泣かなくていい様に


踏み出した足跡は

二度と振り返らない

日々の中に隠した

放り投げて、

それは君が居る方へ

少しずつ近付いて

まるで運命の様だね、

言い出せない言葉は

曖昧に流された


優しいだけの、

君の魔法は

何時だって此処だ。

此処にあるんだって

そう言っては

もう戻れないんだって

そう言っては

泣き出してしまう、


それは何時だって優しく

悲しい歌の様で

君が寂しくない様に

僕も一緒になって歌うよ。

もう、泣かなくてもいい様に

それは何時だって此処にある

曖昧な君との境界線


優しい魔法を、君にあげる。

君が泣かなくてもいい様に

君が笑っていられる様に


運命だね、なんて言いながら。


記憶は鮮やかに

何時だって綺麗なまま

僕の心に在った


美しいだけの世界は

視界を彩って

雲が流れていく

そんなささやかな

日常ですらも愛しく

僕の心に花咲かせていく

まるで夢のようだ、

そんな当たり前ですら

一つ一つぽつりと浮かぶ


君は置いていくんだ

何も悪い事じゃあない、

それでも僕は

思い出せない記憶も

押し付けるようにして

両手を離すんだ


どれが正しい?

どれが本当?

どれが夢?

どれが君?


何時だって綺麗なのは

描いたままの夢の話だ

悲しい事はないよ

寂しくたって、平気だよ

零れてしまったものも

何時かは思い出せるって

そう言い聞かせた僕の

耳元で君は呟くんだ


これが、答えだよ

愛おしいのも

美しいのも

どれも本当の事なんだよ。


過ぎていく世界も

何時も僕を連れて

笑えるといいね、

君も

一緒に。


聞き取れない雑音

悲しい程に埋もれていった

言葉の意味を

爪を立てて剥いでいく


この曲がり角を曲がって

夢の向こう側に行けたら

きっと簡単に終われる気がして

迎えにはこない

貴方の声を追いかけて

寂しくはないわ、

知っているから


急いた言葉の続きに

誰かを重ねた影法師

それなら愛を語るのも

何時だって容易くて


嘘吐き、

その上に重ねた

安い言葉に溺れる

私が一番の嘘吐きで

視線は逸らしたまま

手は離したまま

想い出探しに

足を止めたまま


また埋もれていく

押し付けられた感情一つ

貴方に残していく事も

きっと貴方は何一つ知らない

言ってはやらないわ

馬鹿みたいに溺れた

私の戯言に。