塞いで


塞いで


分からないふり。


傷付いたって


知らないよ


君はなれない


自称して繰り返す


僕を繕って


誤魔化して


上辺で塗り固めて


知らないでいてよ


生きていたって


呼吸が辛くなって


泣きたくなるように


鼻の奥が痛んで


喉が焼けた。


堪えたって


嘘みたいな青空だ


僕の言葉は


どうしたって変わらない。


消えたって、


死んだって、


何も変わりはしないよ


知らないのは


罪と隣り合わせているのに


誰も見ないなら


それで終わりなんだ、


だとするならさ、


塞いだ穴の中


君は何を見るんだ?


自傷の先に


望む其れはないのにさ


嘘を吐いたって

何も返ってこないよ

馬鹿みたいだね、

分かってたのに。


夢の話は

途切れ途切れに浮付いて

このまま手を振って

「さようなら」って、


忘れてしまおうか

温い風が頬を掠めて

塞いだままの目蓋は

開きたくないんだ。


聞きたくないから

踏み締めた足音も

落ちていく群青も

滲んだのは何時かの茜


「さようなら」って

君は何もない日へ帰る。

思い出せないのにね、


どれだけ走っても

どれだけ手を伸ばしても

もうどれでもないんだ


馬鹿みたいに

胸を弾ませてさ、

それでも僕は

きっと忘れてしまうだろうね。


遠ざかる世界が

音を置いていって

僕は笑えない嘘なんか

一つも吐いてないよって

そう言ってまた笑って


見えなくなった表情が

思い出せなくなる頃に。


何時まで幸せでいられますか?


ただ一言、そう問うて

もう二度と開かない口は

目蓋に静かに言葉を落とした


涙は流さない

その声が届くなら

何時までも続くだろう


伝うだけの愛は

小さく影を伸ばした

痛みを伴う言葉は

喉の奥へ消えていった


さようならの言葉は、

もう思い出せない。


それでも幸せであるなら

少しだけ息を弾ませて

笑ってみせようか、


溶けあう様に

その笑みを混ぜて

駆けだすだけの夢を

君へと返した


開かなくなった口は

温度を失って

棘の様に心へ刺さるから

何も見ない様に

目蓋を閉じて


もう逢う事ない視線は

穏やかに送る

最後の手向けで在る様に。


胸元に落ちる一つの幸せが

何時までも其処に在る様に。



毒の様な

黒々としか感情は

沸き立つ前に

胸の奥に仕舞った


ごめんね、


言わなければ良かった

そう思いながら

歩く足は覚束ないまま


まるで偽善者を騙る

君の笑みを忘れてしまって

必要ないのは

いつもの温度の中

口を開いた喉の奥

引き攣る痛みも

ずっと一緒だった


寄り添って

やっぱりそうだね、

僕の声は枯れた

張り詰めた弦は

ぷつりと切れたまま

垂れ下がって


呟く言葉は

カラカラと乾いて

届かない事は

分かってたはずなのに

何を望んでいたのか

もう分からなくなって


それでも僕は

君に伝えたい事があって

それでもさ、

忘れてしまって


突き放した両手から

滲み出た感情は

伴わない嘘を選んで


違うんだよ、


もう届きやしないけど。


目隠し、

暗闇は優しいね

背中を撫ぜて

あやす様に

言葉を零して


僕を偽る。

君はまるで

気付いてないね

僕を望まないなら

手を離して

消える事に脅えて

笑うなら

笑ってくれればいいのに。


泣き出して

擦り切れた足の裏

滲んだ血の色が

笑えない嘘を重ねて

幾重にも積んだ

言葉のあやで

緩やかに解いた


誰の為でもないから。


目を隠して

見えないふりは

もう辛いけどさ

言いたい事も

伝えたい事も

全部全部放り投げて


何も変わらないなら

僕は笑えないや

気付いていなくても


それだけの優しさで。