TRIANGLE -44ページ目
失われる情景
千切れた言葉は
継ぎはぎだらけの心の様で
絶えまなく贖罪を望む
きっと揺れてしまえば
何も覚えてはいないだろう
誰の為の救いになるのか?
救われなかった世界は
きっと視界に満ちてしまって
呼吸を繰り返す
膨らませた肺の奥で
途切れた鼓動を重ねて
雲の隙間は灰色に濁り
それでも愛を囁いて
意味がない事だとしても
それしか僕はないんだ
繋げた言葉は
優しさを弔って
そこに在るのは
誰かの意図であるのかと
問いかける声も
今では遠くに聞こえる
きっと救いは
何処にもありやしない
瞬いた睫毛が照り返る
二つの瞳が映す
世界は鮮やかに色を失って
きっと答えなんて
最初から在りはしなかったんだ
救いなんていらなかった
答えなんていらなかった
縋る事も出来ない願いは
誰の為にもなりやしないんだ
悲しみを飲み込む様に
伏せて笑う泣き顔を
きっと僕は忘れないだろう
死んでいく細胞と
溺れていく視界と
何も無い様にって
丁寧に並べて
そうだろうって言ってまで
世界はまだ回るんだって
僕が此処にいること
君が泣いていること
全部全部流してさ、
嗚呼、消えてしまえ。
空気が冷たくなる
吸い込んだ世界は
少しずつ縮まる
何も知らない僕を
ひっくり返してさ
引き摺った足跡は
涙の跡を引き連れて
剥がれた夢の傷を
君の指先が辿って
また、そうだろうって
君の言葉で誰かが死んで
緩やかに忘れる
僕の存在だって
何も見えないように
嗚呼、消えてしまおうか。
僕は君を置いていく
拙い歌は夢の様で
解けた糸は
緩やかに嚥下した
もう逢えないでしょう。
それでもいいのだと
笑えるまでは
きっと日常は変わらず
不変的な愛で
それではまた。
さよならの言葉を残して
走り去るその背中を
僕は見ているだけで
そこに残った夢の残骸に
意味もなく悲しくなって
泣き出してしまうんだ
古いフィルムの中で
手を振り笑う君は
もう何処にもいないけど
僕は君と生きるだろう。
じゃあね、と
終わり始める意識は
白くぼやけたまま
何も見なくていいですよ。って
笑い合う事も忘れてしまっても
ヘッドフォンから聞こえる
歪んだ鼓動の色は
何も見えない様に
少年が愛した
世界の色彩は
静かに眠りにつく
丘の上で何も無い様に
願う事も祈る事も
それだけは簡単で
両手を汚してまで
変えたかった事は
きっと見えてないんだろう
フードを深く被って
何も見なくてもいいように
ヘッドフォンをつけて
何も聞かなくてもいいように
もう何も知りたくないんだ。
此処にいる理由も
此処で泣いてる理由も
叶わない夢は
描いたままに
ふりだしに還って
白い世界は滲んだ
ビルの影に
君が笑っている
「少年はビルの隙間で泣いて」
汚い物が溢れ返った
僕の視界を塞いだ
腐りかけた言葉達が
何時だって
此処だって
叫んでいるんだ
チカチカと点滅する
何時かの街灯に
僕は背中を預けて
冷たく撫ぜた
空気を静かに混ぜて
涙は流れないよ、
例え死んでしまっても
答えはないんだ
それが全てであるように
僕が願いをかけたから
だからさ、
そんな悲しい顔
しないでよ。
まだ、此処に居るって
汚いモノばかりが
僕の周りに広がって
身動きがとれなくても
僕を引き摺り出して
消えそうな言葉達は
救われない癖に
笑う様に明日を望んで
叶う筈ないよって
笑えない冗談だって
溶けていく様に
その声をあげてさ。
冷たくなっていく
世界の温度だって
知ってるんだ
此処に居る事を
其処に在る事を
望んだのは
何時だって僕だって
分かってたのに
腐り落ちた
焼けた喉の奥で
消えそうに泣いた
言葉達の産声が
何時だって
今だって
脳裏から離れないんだ。

