TRIANGLE -40ページ目
静かに撫ぜて
笑うその顔に寄せた
幸せは踏切を越えて
その傘に降り注ぐ
寂しさを少し流した
一筋の道を指し示した
夢の様な揺り籠に
誰かが笑って
光が煌めく
その中で君が手を伸ばして
カーテンが揺らめいた
スパンコールの笑みを
両手一杯に抱えて
静寂奏でる夢のあとで
きっと柔らかな幸せを。
踏み出した足跡に
隙間を駆け抜けて
海風の匂いを覚えながら
鮮やかな色彩に眠る
それでいいのよ。
笑ったその背を
誰よりも深く覚えてる
開いた両目に映る
誰よりも幸せな未来を
誰よりも私が望んだように
誰よりも幸せな世界を
誰よりも君が選んだように
それでいいのよ。
届かないだけの距離を
埋めるだけの意味も
何も持たずに
何処へ行こうか?
何処だって良いよ。
きっと明日が見えるだろう、
小さく砕いて飲み込んだ
鉄屑塗れの愛だって
きっと優しい味さ
忘れられないだけの
歪な夢の形を
踏みつけて進んだ
僕の心は何処へ向かう?
朝日が落ちて、
夕日を呑んだ
ずれた空の境界で
その先で何時か
誰かが終わるだろう
止める為に伸ばした手は
その背を静かに押して
少しずつ遠くなる
二人の距離に、
何処に行こうか、
君を迎えに行く為に。
吐き出した愛の言葉が
何時か君を傷付ける日が来るなら
誰も知らないふりをして
群青に溶けた茜を笑って
何処へだって行けるよ、
そう、きっと何処へだって。
悲しい事は忘れましょう。
寂しい事も、忘れましょう。
きっと何一つ嘆く事なく
貴方は笑えるでしょう。
僕は独り、
貴方を待ち続けて
優しい歌は
何一つ聞こえない
悲しい事は、隠しましょう。
寂しい事に、慣れましょう。
そうして、そうして。
差し出した両手も
汚れて見えてしまうんでしょう。
変わらない事も、
変わってしまった事も。
この瞳に映る事が、
まだ何も聞こえません。
また何も見えません。
消えそうな、言葉も。心も。
苦しくなって吐き出した息も
詰めるだけ詰めた感情も
頬を撫ぜる風の温度も
きっと不変的な変化は
僕を引き連れて
泣きたくなるでしょう、
叫びたくなるでしょう、
歩き出す背中さえも。
溢れだした雫でさえも。
きっと貴方は知らない。
何も知らない。
まだ此処に居る事。
まだ此処で生きている事。
貴方が愛すべき時間が
此処にはきっと在るでしょう。
悲しい事も、寂しい事も、
消えそうな声も、泣き出しそうな心も、
きっと、笑えるでしょう。
笑える、でしょう。
開いた口から
溢れ出した呼吸
一つ止めるたび
何かを忘れた
まるで怠惰の海に
四肢を放り出して
虚ろに瞬きを繰り返す
不鮮明な世界は
少しずつ罅割れて
きっと、壊れてしまうんだろう
曖昧に笑って
隠した傷跡も
それが正しいんだって
言い切って笑みを浮かべて
泣き出した心を結んでさ、
何も見えないふりしたんだ
褪め切った視界に
薄く膜がかかった様に
何一つ正せない
継ぎはぎだらけの世界は
誤魔化しばかりを伝えて
千切れてしまった心を
抱え込む様に跪いて
まるで、夢の様だ。
何一つ言い切れない
何一つ思い出せない
忘れた事も、君の名も、
二つのビー玉に映る世界は
静かに僕を奪って
曖昧に言葉を語って
浮かべた筈の笑みも
歪んでしまった
誰かの声が張り付く
振り払う様に頭を振って
一つ二つと瞬いた
両目から雫が零れ出した
忘れてしまう事も
きっと当たり前になって
伝えたい言葉も
感情も
記憶も
何時かあやふやになって
僕の世界が褪せていく
頭の中に響いた音は
雑踏に溶けていった
籠の中で君が笑う
柵の外で僕が泣いて
箱庭に溺れた誰かが
指差して騙るんだ
何も知らない事を
何時か忘れてしまって
喉に言葉が張り付いて
それすらも当たり前になって
僕は泣いてしまうよ、
そんな世界の果てで
曖昧に触れてしまった
悲しい世界の始まりに。

