無機質に変わる瞳

無感情に潜めた

心の奥底で

きっと絶えまなく苦しんで

その両手を赤く染めながら

誰の幸せの願ってる?


錆付いた鉄を抱いて

鎖にも似た感情を

何時も弄んで

誰だって良いんだよ

救ってくれるなら

なんだって良かったんだ


君が忘れてしまった

感情を一つ僕が拾って

渡したところで

君は分かりやしないだろう?


まるで砂の城の様だ

触れても崩れ去る

放っても崩れ去る

何処までも脆い砂の城

王様の君はきっと

何一つ見下ろす事もなく

前を見る事も上を見る事もなく

只管に自分の居場所を探して

足元を見続けるんだろう?


その無情にも似た悲愴は

誰に縋れば良かったんだろうね

きっと君は知らないままだろう

僕だって分からないんだ

抱きしめた赤の温度も

鉄の冷たさも


この世界の悲しみも

君の世界の苦しみも

赤く染まり切った視界で

君が笑い続けるなら

僕はそれに従い続けよう


君の心を巣食う全てに

悲しみが拭われますよう

この砂の城が永久で在る様に。


きっと全てを忘れても

果ての果てで私は

貴方を見つけるでしょう。


きっと悲しくはない

寂しくもない

刹那の言葉を糧に

足を踏み出す事を恐れず

途惑う事など

とうに忘れてしまった!


私の最後の唄を

どうか聴いてもらえないか

愛おしい人の為の讃美歌は

何時だって心の内に潜めて

貴方が笑える未来ならば

私は何も怖くはない


忘却の果ての幻想は

夢日和に心穿たれて

そう拳一つ振るう事

誰もがその瞳を見開いて

忘れる事を赦すな!


貴方が理想とすべき世界が

何時しか失われていたとしても

貴方は貴方でしかない

私が貴方を愛してみせましょう。


途惑う事などない


私だけの讃美歌を!


白昼に投影された

僕は瞳を見開いて

憂いを潜ませて

熱を孕んだ言葉は

不快に塗り潰して


正解がないなら

何を正義に重ねる?

握りしめた掌も

幻想に眩んでしまって

向けた切っ先は

まるで僕の心の様だ


僕は何も許さない

何にも許されない

指先を静かにかけて

その頭に向けた

銃口は何も助けられなくて

『何』を選んだとしても

罪悪に潰される事なんて

きっと許されはしない


馬鹿みたいに高い

鉄塔の様な牢獄が

正義を殺す悪ならば

血を握る事もなかっただろうか

現実は痛みを伴う程に

苦しくなってしまうから


正解が殺される世界は

誰よりも安心して死ねるだろう

許しも施しも何一つない

残酷で現実的な理想に

痛みを孕んだ心の逃避に

誰よりも僕が笑みを浮かべて


皮肉に膝をついて

祈りを捧げる背中を

きっと僕は許せはしなくて

その癖銃口を下ろして

眩しく感じた世界の色に

僕は瞳を伏せた


きっと、僕はそうとしか生きれない


そうであろうと願う事も

そうであろうと祈る事も

僕が僕である限りは

僕は僕として生きるだろうから


隠した事も

失くした物も

全部宝箱に閉じ込めて

土を被せてしまおう


誰にも知られない様に

白くなるほどに

強く握りしめた掌は

軋む様に痛みを覚えて


どれが罪なのですか?

守る為に両手を広げて

可視範囲を狭めても

きっとそれは愛なのです

誰からも見付からない様に

欠片を殺しながら


隠した言葉が

僕の胸を撃ち抜いて

失くした筈の心が

痛みを訴えて

どうすればよかった?


罪が罰を引き連れて

明日を望む事を

誰も許しはしない


誰も許せはしない


呼吸の止まった世界で

その瞳だけは嘘を吐かないで

誰かの陰謀の様な

そんな暗闇を歩いて


銃声は途絶えた視界で

まるで灰色の空を覗いて

笑っているのは君一人だ

道理を説いてみたって

環状線の間で君は死んでしまって

どうしたって意味はないのさ


明るいだけの世界なら

必要はないのだから


幸せを解いた君の声が

溶かした色彩に溺れた

千切れた機械の腕は

君が選んだ物語の終焉に


現実と幻想の狭間じゃ

誰も口を出すことなく

選ばれてしまう事も

選ばれてしまった事も

何一つ気付かないで

舞台の照明に眩んでしまった


そんな夢の中で

銃口は誰に向けてしまうのか

鼓膜を劈いた嘘は

君を知らないふりして


二つのビー玉は

何も気付けないままに

霞んでしまった