曖昧に言葉を語って

浮かべた筈の笑みも

歪んでしまった


誰かの声が張り付く

振り払う様に頭を振って

一つ二つと瞬いた

両目から雫が零れ出した


忘れてしまう事も

きっと当たり前になって

伝えたい言葉も

感情も

記憶も

何時かあやふやになって


僕の世界が褪せていく

頭の中に響いた音は

雑踏に溶けていった


籠の中で君が笑う

柵の外で僕が泣いて

箱庭に溺れた誰かが

指差して騙るんだ


何も知らない事を

何時か忘れてしまって

喉に言葉が張り付いて

それすらも当たり前になって


僕は泣いてしまうよ、

そんな世界の果てで

曖昧に触れてしまった

悲しい世界の始まりに。