TRIANGLE -25ページ目
優しい最後を夢見て
明日の終わりを謳った
貴方は六つ花に全てを埋めて
独り膝を抱えた
小さな街角に灯をともして
貴方は笑いながら傘を振った
僕も答える様に足を踏み出して
たった二人だけの世界で
貴方を二人だけ
明日を残していった
置いて行かれたのは僕なのか
それとも僕が貴方を置いていったのか
今では思い出せやしないのに
白く何処までも広がる世界は
足跡だけが後ろに倣って
まるで世界の果ての様だと
返らない声をあげた
愛したのはきっとそうだった
貴方と共に生きた全てを
抱えて生きるは重すぎた
その檻の先には行けないのだろう?
その檻の先には何があるだろう?
何も知らないのに僕は
泣きながら幾つも嘘を吐いた
幸せな夢が埋まった場所で
僕は街灯の下で夢を謳う
貴方には二度と逢えないのだと
優しい夢が叶わない事を知りながら。
いつもいつも
大事な事ばっかり
忘れてしまうから
単純な事も
当たり前の事も
両手に抱えてってさ
自分お手製のカメラで
一生懸命切り取って
何時までも覚えておきたい
大切な事なんてさ
もっとそこらへんにあるんじゃない?
一つ一つ丁寧に磨きあげた
宝石だって良いけどさ
もっと泥臭くて鈍く光ってる
原石だって良いんじゃない?
もっともっと当たり前な
単純な人生だって
つまらなくしたくなくて
それなら笑っていろと
誰かが笑った気がしたんだ
溢れたモノが
返らなくなって
忘れたモノが
死んでいく
それすらも気付かずに
僕が僕である事も
全部無くなってしまって
子供の様な言葉
夢を語るには
もう全部遅くて
死んでしまいたいと
願う言葉は遠く
その手を握るには
あまりに知らなすぎた
現に倒れる夢は
溶け出した理想論
僕が生きた意味を
理由を全て捨ててまで
言いたい事なんて
一つもないんだよ
最後を語ることなんて
最初がない僕には
出来る訳もなくて
始まってすらもいない
そんな事知ってただろう
それでも僕は夢にしがみ付いたまま
離れる事が出来ないんだ
上書きされた鼓動が
二つ程度の両手に
絞め殺される感覚
その隙間に埋めた
安い愛の行方を
たった独り追いかける
突き放した心は
粉々に砕けた気がした
汚いものの様に
僕の心を踏み躙る
丁寧に折り曲げた夢の事
もう忘れてしまったんだろ
僕が生きてる事ぐらい
簡単に無かった事にして
上書きされていく存在が
理由を求めている事を
ずっと前から知っていたのに
それでも貴方が知っていた事を
僕もずっと知っていた
この鼓動が始まった時から
その瞳は僕を映し始めた
僕が僕である為の構成内容を
貴方は静かに添削する
その指先で撫ぜた頬に
流れたモノだけは知らないふりして
心から垂れ流したモノを
僕は愛おしいと思い続けて
貴方が捨てていく程に
この鼓動は生き続ける
殺されたままの愛を両手に抱えて
君と二人の部屋は
穏やかな空気で満ちる
ずっと一緒であればいいと
思い続けながら
絡めた小指は
嘘を吐かない様にと
歩き続けてきた道を
否定をしない様にと
笑いながら駆け下りる
その先に君は居なくて
握った掌は冷たく
君を忘れてしまう前に
心を置いてきたのだと
僕は君の瞳を知らない
明日が来る事も
柔らかな朝日の事も
今生きている事を
僕が否定する事で
君を否定してしまうなら
僕が歩いてきた事実に
ナイフを突き付けてしまう事を
笑っておくれよ
もう許す事も
許される事も
殺し続けた感情は
君を裏切らないから
この部屋で君と二人
祈り続けた事、
離れた小指の意味を