TRIANGLE -179ページ目
失った
言葉。
続けられない
言葉。
拾い集めた
意味も無いのに
気付かないのは
知りたくないから
目を逸らして
緩やかに下る
俯いた先は
逃げた背中で
伝えられない
言葉。
ころした、ことば。
ねぇ、なんで。なんで。
こうなったんだろうね
理解なんて
一番最初に放棄したけど
理不尽、だなんて
僕が言えた事じゃないけどさ
それでも許せないよ
誤魔化せないよ
かなしいん、だよ
殺めた言葉の数だけ
罪は遠ざかっていく
許されてないのに
許された気になって
理由も無く辛くなって
吐き出した呼吸は白々と
良かったなんて、呟くんだ
言葉が積もる。
言葉が笑う。
言葉が泣いた。
ないた。
しんだ。
ごめんね、
高架下の雑踏
雑居ビルの中で
誰かが溺死した
もがいて、足掻く様に
呼吸を止めて一秒
つまらないと吐き出した
言葉の裏の裏
僕は悲しみを表現して
この道を歩いた
無駄に明るい癖に
どれも手に取る様に寂しい
嘲る様に蔑む様に
隠しながら毒を吐いて
向かいに座る少女は
気付いているのかいないのか
横目で見ては視線を外す
ふわふわ揺れてるのに
足は地面についててさ
馬鹿みたいに苦しいと
勝手に止めてた呼吸を始める
進み始めた人混みと
混雑する様に回り始める
環状線の駅前で
誰かの手を取って走り出す
灰色の空と見えない星の
嘘吐きコントラスト
今殺したばかりの感情に
上乗せした不快感と
不愉快だと笑ってる心は
エレベーターに閉じ込められた
悲しい籠の鳥みたいだ
雨音を引き裂いた
発車の音楽に歩み始める
気付いていたのは僕なのさ
君の声も言葉も姿も
意味すらも呑み込んでしまって
踏み割ってしまった風船が
破裂して零れ出したのも
救い出せない雑踏の嘘
もう何もかもが分からなくて
とりあえず必死に笑うよ
興味も関心も置いてきて
僕は落ち始めるのさ
隙間に溢れだした
失った心の奥底で
回り始める電車の車窓に
泣いている僕を見つけた
呼吸を忘れた
午前2時の空気
浅く拾う音と
淡く触れた温度の差
火傷しそうな指先を
良い様に解釈して
柔らかく握りしめた
もう聞き返さないよ
その言葉の先は
塞いだ耳に溶けた
目蓋は閉ざしたまま
見えない視界は明るい
君を知らない夜に
慣れてしまったから
旅立つ訳じゃないけど
逃げる訳じゃないけど
誤魔化した痛みは
軋んだ心臓の涙
きっと眠れないのは
コレのせいだよね
分かってるんだよ
理由なんて後付けで
離れる為の口実に
僕は持て余した熱に溺れる
今日は笑っていられたよ
明日はどうだろうね
きっと壊れない様に
僕は抱き締めているんだ
都合ばかり優先して
君の電話を鳴らさない様
暗く淀んだ空気を吸って吐いた
もう呼吸は止まらないよ
喉を強く押しつけて
逃げ道を塞いで君に伸ばす
この両手が届けばいい
生きている証と笑って
僕の声が墜落していく
溺れたんだ、
酸素の泡を空に浮かべる
時計の針が動いたら
きっと僕もまた生きる
だから許してね
僕の心が死んでしまう前に
君を想う僕を許して下さい。
向けた刃の切っ先
身動きできない呼吸の音
打ち付けた鼓動は
意味を持たない剣
知らなければ
攻撃する事も厭わず
苦くした瞳の奥で
触れた玲瓏とした空気
その細腕一つで
駆け上がる坂の上
貴方を見る事が叶わないなら
全てを切り捨てる覚悟で
祝福は私の手を取らない
それなら殺してしまえ
私の名が映す全てが
焼き滅ぶ砂の城
鏤めた銀河の星でさえ
嘲笑う吐息の北風
踏み止まる引かれた手
どうしてか息は出来ず
貴方を愛した私を
否定する世界の理に
歪めた表情は哀し
傷付いた足も
地を固めて砂埃
その手を取っては泣いている
冷たい呼吸は頬を撫ぜて
知らないと嘯いて祈る
貴方を傷付ける私 の刃は
殺す事を殺して私を殺めた
踏切に並ぶ
例に倣って横一列
馬鹿の一つ覚えみたいに
同じ顔の羅列
僕も同じだと呟いて俯く
特記事項無し
曖昧な僕の人生は
書き連ねる事もない
きっと単純で平凡な
とんとん拍子の上辺だけ
素晴らしいと称賛される事も
批判される事もない
想像だらけの単純明快な
一本だけの道筋
笑う事も泣く事も
特に思い浮かべる事もなくて
右手にかかる重さは
一人で生きてくには十分
だけど何処か虚しくて
胸は空っぽになって
巣食う様に穴を空けた
僕の人生は空白だらけだ
震わせながら筆をなぞる
インクは歪んで僕を笑う
どうしても先を見れなくて
同じ顔の人たちは
僕を見据えていた
「どうしようもないんだよ」
夢なんて大それた事も言えず
伏せた眼がそれに触れた
言えない言葉は固まって
胸につっかかって呼吸を詰める
右、左、右、ひだり、みぎ。
それでいいって言ってしまえば
全て万事解決するけど
それでいいのか心で問う
踏切の向こうで笑ってる
僕は踏み出す勇気もないけど

