TRIANGLE -169ページ目
淡く笑う
横髪を掌で抑えながら
風の中に立っていた
表情の裏で
流れ着いた
言葉。
名前を付けて、
慈しむ様に
時間を取り戻して。
もう一度、
優しい空間に微笑んで
箱庭の中で
線路の上を辿る
「もう、いいよ」
呟く声は、もう弱くはない
脈打つ鼓動の隙間から
覗いた気持ちは
何を描くのだろうか
どこか遠く感じる
音楽を聴きながら
緑が陰り震える
今日が終わる、
温度を奪っていく。
その中で、
その手を取る
愛おしい人。
愛すべき人。
あの世界の中で
笑った事は
優しい思い出に変えて
僕は今日も、
笑ってる。
途切れた足音
見上げた空の色
手を伸ばした
その先に見えた
昨日の吐息
君を、愛せるか
気が付いた
曖昧なほど
気が遠くなる
距離、
明日もきっと
此処には在るだろう
思いの丈を
伝える為だけに
泡になった
言葉も。
心も。
ガラクタに埋もれた
感情一つ、
与える事も。
きっと、
今の僕には
愛おしい。
嗚呼、気が付いた
それはとても、
甘くて悲しい
届かなければ
虚しいだけの、言葉
閉ざした心も
目蓋も、思いを謳う
それでいいんだよって
君が言うから
指を折りながら
数えているよ
撃ち落とされた
感情丸ごと
移ろう色彩に
足音を探しながら
今の僕に何が出来るだろう
手当たり次第ぶつかって
ただ前しか見れないけど
紙切れと電波の世界で
視界を覆い尽くすほど
追い詰められたりして
きっと何かを失って
曖昧な感情論だけで
本当の辛さなんて分からなくて
あの背中に追いつけるほど
出来な人間じゃないけど
期待もクソもなくて
ただ単純にやってみたくて
その手を取ってみたくて
その背を、越えてみたくて
この今だけを頑張ってみようって
そう思ったから
Hello?Hello?
覚えていますか
この呼吸できない世界で
0と1で構成した人生
憧れた僕の理想論は
どれが幸せかなんて
簡単に言えたもんじゃないけど
あの手と生きてきて
ただ忘れたくはないから
チカチカ点滅する
グラフィックの海に溶ける
あの人は分かってるよきっと
期待を背負って生きるには
まだ呼吸が覚束ないけど
待ってて、
まだ目覚めてないだけだから
立ちあがって、浮かんで、
見据えてみるよ
弱い僕でも出来る、簡単な事。
嘘吐きの仮面被って
隠した本音に
苦しそうに嘆いた
言葉は、失われる。
好きじゃないよ
本当は嫌いだよ
でも言えないんだ
伝えられないんだ
すり替えられたのは
僕の言葉と心で
事実が変わってしまって
嘘が本当になった
言い続ける事は
本当はとても辛いよ
もしも話をするくらいなら
喉を掻き切って
本当の事を言いたいよ
どうしてこうなったの?
どうしてそうなったの?
どうして僕は、
君だけを愛せない?
歩き出した君の
背中に投げかけた
問いは僕に返った
消してほしい本音は
宙ぶらりんになっていた
最後だって言い切って
でも続きを言えない
分かったふりの空気に
きっと僕は曖昧に振り撒く
虚ろな笑顔が悲しいよ
仮面を剥ぎ取って
君に言いたいよ
苦しいのは、僕だ
哀しいのは、君だ
歩き出したのは、辛いから
差し出したのは、怖いから
でもこの言葉全部、
君の為だよ。
僕が君に与えられる
最初で最後の言葉。
ねぇ知ってた?
失った言葉は、君への、愛
届かない声は
遠い
意識の果てで
君が笑った
気がした
綺麗な星屑は
落ちていくけど
忘れないよ、
忘れない。
遠すぎるから
足を進めて
離れていった
思い出の話を
君に渡すよ
この腕に
抱え込んだ
泡になった
幾千の心
声が
途切れて
きっと
君に向けて笑う
消えないよ
点滅して
後ろに残る
痕は
僕の足跡
美しい程に
この世界に爪立てて
残した声は
記憶の残骸と
泣き崩れた
その残響
透かして
照らし合わせた
思いは
同じだよ
忘れない、
忘れないから。

