TRIANGLE -165ページ目
気付いているの?
遠くで聞こえる囃子の音
君の手を叩く音が
耳の中で飽和して待ってる
君が思い出せない事を
罪だと嘲笑って
君が指差した電燈の
その上で踊ってる
台詞を振り解いて
打ち抜いたのは
誰の台本?
震えているのは誰?
君は何処に居るんだい?
誰もいない舞台の上で
笑っている君の横顔と
サヨウナラの言葉を
落ちていく意識に覗く
幕引きは、呼吸を止めて。
冷たい鉄の塊に
温度を奪われる様に
温くなった視界の波を
揺れた言葉を零した
もう誰も居ないよ。
もう、癒えない。
照明の熱で
浮かび上がる様に
その唇は言葉を紡ぐ
無視する様に駆け上がった
舞台は染まり上げる赤色
笑った君は
穏やかに死せる人形
膝をついたのは
一人きりの舞台の上で
ira le rai
大きく旋回、
夢浮上はまだ先で
僕が浮かび上がる
空気は窒息
酸素は途切れた。
宇宙みたいな
何も無い真っ暗な視界
好きな物は
全部仕舞い込んだ
僕の宝箱は
もう無いよ。
同じ様な風景
電線をくぐった
高架下深く、
二人の影を切り取って
思い出作りなんて
幼くて笑えるけど
拙い伝え方、
でもそれで十分だよ
嗚呼、回ってる
空の上で、君が。
落ちていくのは
二人の時間
鳥は空へ還る
巻き戻した時間を連れて
この季節は哀しい
何も言えないまま
冷たくなっていく空気
届かない物は
増えてくばかりで
笑えない冗談が
胸を軋ませる
歩いて見えるのは
枯れていく木々の隙間
怖くなっていく心は
見ないふりを続けた
言わない言葉も
少しずつ増えて
大人になる事は
まるで汚くなるみたいだと
イコールで結ばれた
言葉の意味を
理解するのが怖くなった
それなら語らないまま
無言の静寂で立ち続けた
立ち竦んだ様に
静かな夜にだけ
素直に言える気がして
冷えていく指先と
見据える様な月だけが
それを知ってればいいと思った
何も言えない様に、
何も癒えない様に。
語らない言葉で十分だって
嘘を吐いた気になって
色を失った頬が
痩せる様にに渇いた
本当の深いところを
隠すようにして
語らない言葉は
小さな違和感を生んで
それが気付けば溝になって
だけど笑えることは嬉しくて
うれしくて、
かなしくなった。
此処は、悲しいよ
哀しい
だけど温かいから
幸せだから
あえて、何も言わないよ。
小さく呼吸を始める
また今日も生きていた
濁る様に詰まる
声も遠くに置いて
大事な物だけを抱え込んで
癒えない心を護った
眠ったら何か変わるかな?
夢は見たくないけど
理想だけはあるんだよ
見えない不確かな、
でも一番幸せな未来。
せっかくなら
現実になればいいのに
黙り込んで膝を抱えてる
その背中は細く、
後悔ばかりを背負ってる
僕は、無力だ。
僕は、あまりに脆い。
力を込めた両の手じゃ
君を護れなくて
ただただ掻き分けた
その先で君を
もう一度見れる気がして
また不規則に鼓動を打つ
呼吸は、止めたまま
落ちる様に眠りに沈む
静かに殺されていく様に
君の喉を絞めていく
目蓋を閉じれば、
知れる気がしたんだ
君が 最後になにを思ったのか
今じゃもう分からないけど
不自然な世界で
自然な君を弔う。
雑踏に紛れて
両手を振り翳す
憎たらしい声も
嫌味な言葉も
全部飲み込んで
詰め込んだ感情が
喉に突っ掛かった
「とれないよ、」
痛みだけが
身体に広がっていく
気を引きたい訳じゃない
ただ知ってほしかった
殺していく心が
余りに悲しそうに泣くから
どうしようもなくなった
感情の行き先が
爆発しそうだった
「どうしようか、」
いつも日常が
非日常へ変わって
視線も温度も
全て変わっていく
辛いだなんて
自分の言葉は無責任だ
振り払われた掌は
苦味を帯びて喉を逆流する
女々しい限りの言葉が
喉の奥からついて出る
「じゃあさ、」
拒んだ腕に目を細める
無自覚なその言葉も、行動も
今じゃ辛いだけだからさ
そんな呆然と見ないで
自分が悲しい見たいな顔しないで
いっそ優しくしないで
一思いに突き飛ばして
この身体を還せれば
解決するからさ、
お願いだから。
「なかないでよ。」
もう、もどれないんだから。

