預けた両腕から

擦り抜けていく言葉

向こう岸で笑ってる

貴方は僕を

忘れてしまいましたか


立ち止っては

この場所を思い出す

僕の居場所は

温かくも冷たい

誰も知らない事が

今も辛い


怖くはないよ

ただ悲しいんだ

きっと貴方は知らない

過ぎた時間だけ

僕の心が軋んだ事を


貴方が呼吸を止めた分だけ

僕が繰り返した呼吸が

詰まりそうな程に

途切れそうな程に、


愛しているんだよ

愛おしいんだ

目蓋が落とされた

その上に零れた

全ての愛が

今も苦しくて

今も笑えない


この時間がいつまでも

僕の心を撫ぜるんだ

忘れないでって

そう言えたら楽なのに

貴方は今も知らないんだ

知らないまま


この場所で笑ってる

貴方が居るなら

もういいよ


見失った時間と

忘れかけた感情論理

組み立てた玩具の上

僕らは不安定に揺れる

温度感覚に溺れる


消えていくのは

幻みたいな夢物語

白く濁っていく意識と

触れた心の隙間が

泣きたくなるほど、温かい

優しいだけの嘘に

一つ本当を含んで

笑って、なんて。


そんなの無理で、

無駄で、無謀な運命の

天秤にかけたのは

僕の言葉浮付いて離れない

きっと分かってるんだよ

きっと本当は、って

何度でも嘯いて

この胸の中で言い聞かせた


耳も塞いで、

目も閉じて、

ずっと待ってたんだ

星屑を並べて

同じ様な言葉だって

意味がなくなっちゃって

だから君を待ってたんだ


消えないで、って

言って欲しくて

そんな偽善的な僕のエゴを

君は笑いながら殺してく


ごめんねなんて

そんな言葉は要らないのに


君だけが必要なのに、

まだ青々しく

失われるには

あまりに早い

その瞳は瞬き

踏み締めた草の香り

僕はまたこの場所で死んだ

もう一度、

森の中に見つけた

誰かの声の後ろ側

耳を塞いだけれど

鼓膜を揺らして気付く

その片手の先は

何も掴まずに

ただ静かに失われる

瞳が気付いた温度が

森の中で沈んでいく

誰も見つけられない

何処かの子守唄

僕は雨に濡れて

見ないふりを

ただ繰り返した

そうしてまた、死んでいく


覆い尽くして

其処から目を逸らす様に

合わせない視線の行方は

きっと誰も笑えない

心の奥底に沈殿する

白濁とした嘘

伝わらないなら

関わりたくもなかったのに


幸せになれないなんて

誰かに言われるでも

自分自身で分かってた

逃げ出したくても

熱を奪われるだけの

冬のアスファルトに落とされた

言い訳の理由すら

きっと関係ない。


いつか、幸せに。


なりたかったのに

なれなかったのに

君の一番は

誰も見えない場所で

覆い尽くされたのは

誰の為でもない嘘

そう言えれば

いくらだって幸せになれる気がした

弱音だって、

嘘吐きだって、

なんて言われたって

僕は君と居れるんだって


そんな嘘を、

何度も重ねていたから


底から逃げる様に

伸ばした手の温度も

気付かれないうちに冷めた

その言葉が愛したのは

きっと僕じゃない誰かの横顔


埋まる、埋まる。

心ん中で

騒いでる

雑踏

拾うのは

誰のお仕事?


下線部強調、

僕は失いかけた

倫理上の嘘を重ねて

何もかも全部

窓の外へ放り投げた


君が巣食う様に、

僕も君に寄生する


泣き喚いて

叫び散らして

その瞳だけは

いつも事実しか映さない


仲間に入れてよ

人混みで窒息して

その胸におてて当てる

分かってるでしょ?

幼いだけの頭の中

空気が抜ける音がした


溺れた言葉の行方

一人で追っかける

拾い上げた言葉も

机の上に投げ出されたまま

答えを待ってるんだよ

静かにインクが滲んで

その答えを消していく

赤いだけの線じゃ

何一つ伝わらないけど


君が巣食う様に、

僕も君を救いたかったんだ


君にはなれないよ

手を離してよ

御託を並べて

突っぱねた僕の事も

きっと何も許せてないね


僕だって同じだよ


結局は誰も救えないんだ