目を伏せた

絶望に身を寄せて

思い出せない言葉を

いくつも並べた


それで満足したのか

それとも不満だったのか

今の僕じゃ何も分からないけど

確かに胸に犇めいたのは

軋んだ歯車の声なのか

誰かの呼び声なのか

不安定な世界の淵で

僕は生きていた


何処に行っても

結局は同じ結末で

多分そうだろうと思ってても

僕の中じゃ意味が分からなくて

理由を求めても

答えなんて返ってこなくて

暗いだけの世界の中

もがいても足掻いても

本当のところは

誰も理解なんてしてないんだ


目を伏せても

いつかは見えてしまうなら

不安ばかりだとしても

僕の中に在るのは

折れてしまうだけの

そんな弱さだけじゃないから

見据える強さくらい

僕の中にも在るんだって

そう言い聞かせていた


正しい選択をしたいんだ

間違うことが怖くて

いつまでも逸らしてしまう

現実逃避の逃げ道を

両手を広げて塞げば

僕の口から零れるのは

きっと返ってこない

正当化した自己満足


僕はずっと

世界の淵で崩れそうな

均衡の上に立ち竦んでいる


誰でもいいよ

綺麗事並べて

満足した自分を

笑えばいい


結局それも

正しい答えだ


同じ様に

指先で辿る

嘘吐き愚痴零して

突き立てたナイフも

痛みを伴って

誤魔化す様に胸を抑える


いないよ、

いたいけど


うそ、だって

いないって

そう言えたら

そう言ったら、


いつものように笑う様に

呼吸するように痛んでいく

心の奥で吸い込んだ

コトバの一つ言えやしない


笑う、よ

笑う。

笑える、って

そう言ってよ、

そう、言ってって

言いたいのは

僕の方。


爪を立てた

僕の背中にあるのは

ただの折れたコトバ

一つも救えやしない


ただ、痛いだけ

言いたいけど。


ごめんね、

ごめんね、


ごめんね。


5分だけいい

僕に時間があったなら

嘘吐いた事も

傷付けた事も

謝る事が出来たのかな


3分だけでいい

僕に時間があったなら

君を愛する事も

僕を許す事も

受け止める事が出来たのかな


1分だけでいい

僕に時間があったなら

きっとそれは夢だって

きっとそれは幻だって

言うことが出来たのかな


30秒だけでいい

僕に時間があったなら

泣く事も

怒る事も

笑い飛ばす事も出来たのかな


1秒だけでもいい

僕に時間があったなら、


僕に人生があったなら

僕の心臓が動いていたら

僕が呼吸出来たら


もしも、僕が生きていたら


もう一度君に逢えるのかな

もう一度君に触れるのかな

もう一度君と笑えるかな

もう一度君へ伝えられるかな


もう一度、君を愛せるかな、


愛せる、かな。


精一杯呼吸を止めて

そうすれば楽になれる

一つも苦しい事なんてない

ただ目を伏せるだけの

簡単な事なんだ


傷口を隠す様に

痛みを笑う様に

君の言葉に傷付くから

僕は耳を塞いだんだ

見てしまったら

もう戻れないから

一つも笑えないよ、

なのに見付からないように

愛想笑いを繰り返すんだ


一つ、一つ辿っていく

どれも嘘みたいで

どれも僕みたいで

心の奥で泣いているって

言ってもいないのに

偽善的に振舞う

自分だけの世界で

自分だけの殻に籠って

君を糾弾する、


僕は殺された。


そればっかり、

嘘ばっかり、

痛いって嘘吐いて

苦しいって愚痴を零して

また笑う様に

また隠す様に

僕はカッターを振り翳した


僕は殺される、


嘘ばっかり

僕ばっかり

能面みたいな僕が笑った


呼吸を止める、

でもそれじゃ楽になれなかったよ

隠しても意味がなくて

塞いでも聞こえてしまった

僕が殺される


笑えやしないよ。


電波障害

虚ろ目に映した

映像処理、

白黒点滅する

向こう岸の電子音

君が望んだ

0と1の世界に

夢を描いた、

極彩色の電子の海


ヘッドホン越し

鼓膜揺らす周波数

千切れそうな喉が叫ぶ

打ち付けた電気の欠片

もう思い出せない

デリートされた音声と

君が残したコトバの中で

僕が残した足跡は

誰かの頭に残る

意識の端で望んだ

夢の深淵だと

誰が気付いただろうか


電波場外

僕の為だなんて

嘘は要らないんだよ

どっちかだけでいい

どちらも必要なら

構築された世界に満たされた

本当の現実を

真実を飲み込んで


意味を失わないで

受け入れるだけの世界は

真っ白な綺麗なだけの嘘だから

そんな世界なら

僕は要らないよ

本当に手に残る

非生産的な現実に

僕は望んじゃいない事実を乗っけた


矢印が選んだ

一つの選択肢の上

僕は電子に沈んでいく

囁かれたコトバも

もう僕には要らないよ

分かってる

知ってる

それならもう

リムーブされた僕を選んで


もう一度構築された海で

僕は歩き出すからさ、