無念無想こそ最強なれ | talltreeのブログ

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TTF(talltree factory)の趣味・家族の生活記録ブログです。
明るい自閉児しおんの日常のほか、音楽・写真・旅行・韓流ドラマ・K-POPなどについて、エッセイまたは小ネタで語ります。
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 今日は午前中はいつものしおんとの散歩、午後から散髪に中百舌鳥へ参りました。先週はAOI兄、今日はしおんと私です。祝日なので妻の「修業」はお休み。しおんを見る人が必要で、ちょうどよい機会なのです。

 昨日の野球つながりで、ふと思い出したことがあります。

 「お父さん、長嶋が巨人に入るってほんとかな?」(浅田次郎『角筈にて』)

 読売巨人軍の終身名誉監督、長嶋茂雄は「ミスタージャイアンツ」ですが、立教大時代は、当然卒業後は南海ホークス入りするものと見られていました。南海は「援助」もずいぶんしていたようです。

 先輩として長く、彼と南海とのパイプ役だった大沢啓二は、結果的に顔をつぶされたわけで、著書でもこれを「裏切り」と書いていますが、要は長嶋は若い頃から、常識の枠を超えた「何をするかわからん奴」だったということでしょう。

 

 金田か稲尾か、あるいは野村だったか忘れましたが、対戦して一番始末が悪いのが長嶋で、なぜなら長嶋はバッターボックスに立ったとき、何も考えていない、というようなことを語っていた記憶があります。

 

 今回は野球の話ではありません。これを思い出して、私の思考は別方向へ飛躍したのです。

 

 私と妻は、学生時代からの付き合いなので、もう今年で40年になります。「お前が十八 俺十九 忘れもしない この川に」(黒の舟歌)まさにこの歌の通り。私どもの「川」は「にのがわ」です(笑←リンク貼りました)

 

 二人とも若い時代ですが、年がら年中いちゃいちゃしていたわけではなくて、歌をうたったり、話をしたり、時には二人でゲームをする時もありました。

 これは「レーダー作戦」とか「潜水艦」とか呼ばれるゲーム。紙と鉛筆が二組あれば、どこでもできます。方眼紙か何か罫があるほうが、やりやすいですね。

 適当に10×10程度のマス目を書き、A・B・C…1・2・3…と番号・記号を振ります。これが自分の海域。そして決めた個数の艦船を、相手に見えないようにして、好きな場所に配置します。これで準備完了。

 先攻・後攻を決めて、相手の海域へ爆弾(魚雷)を投下します。たとえば「Aの3」。言われた方は、正直に配置した艦船の一部にでも当たっていたら「当たり~」、違ったら「はずれ~」と答えなくてはなりません。そして艦船の全部に命中弾が投下されると「沈没~ブクブク」と申告します。これを交互に続けて、早く相手の艦船を全部沈めた方が勝ち、というゲームです。

 

 最初にどこへ配置するかもカギですが、心理戦・だまし合いという意味合いもあります。たとえば二隻をつなげたり、L字型・逆L字型に置くと、フェイントになります。

 だいたい一発当たっても、それがタテヨコどちらの方向に伸びているのかが、わかりません。それは勘による勝負です。

 囲碁・将棋のような技術100%のゲームは、私の方が得意ですが、この「レーダー」は、たいてい私が負けていました。勝率にして3割程度でしょうか。明らかに分が悪かったです。

 なぜか。妻は、あまり考えずに「こっちかな~」で当ててしまうのです。上記の図で、10×10のうち、当たりは25だから確率的には1/4ですが、たいてい妻は2回目くらいから当て始めます。理屈ではないのです。

 

 冒頭で、長嶋を引き合いに出した理由がおわかりいただけますね?野球も心理戦なのです。プロのレベルならば、どんなに速くてもストレートばかりなら打てる。球種・緩急・コースの読み合い、裏のかき合いなのです。だから、長嶋が「何も考えていない」とは言わないけれど、彼独特の感覚や考え方が他の人間には理解しにくい・わからないということは、長嶋にとって技術にまさる武器だったというわけです。

 もう一つ、数字を使った、これも紙と鉛筆だけでできる「Moo」と呼んでいたゲームがありますが、これもたいてい勝つのは妻でした。相手が決めた暗証番号みたいなのを当てるゲームですが、私はセオリーを深めます。「形が同じで、重さの違う重りを…」によく似た理論で、私は定跡通りに進めますが、妻はそんなもの関係なく、「何となく」感覚で言い当てます。これは勝てません。

 老子・荘子も言っています。「無為自然こそ最高」と。無念無想を相手にしては、人智は到底及ばないのでした。「Moo」のルールが知りたい方は、お知らせ下さい。

 蛇足ながら、上の写真は妻が撮った私のシャンプー場面ですが、大衆理容でオッサンに頭もみくちゃにされるのと、ヘアサロンで若いお姉さんが丁寧に扱ってくれるのとでは、雲泥の差でした。

 少々の値段の差は、問題ではありません。やや語弊がありますが、○○気分の快感でした(笑)私ではないオジサンで、それを志向して歯医者などへ通う人もいるそうです。

 

 お粗末さまでございました。