【鵲の橋】(かささぎのはし)
七夕の夜、織り姫と彦星が逢うためにカササギが翼を広げて天の川に渡して作るという想像上の橋。転じて、恋人同士が困難を乗り越えて逢うことを言う。ストーカーであることを自覚していない人が自身をこう考えているケースもある。
【傘地】(かさじ)
こうもり傘用の布地。まさかポリエチレン素材がここまで流通するとは、さらに言えばそれを「ビニール傘」と呼ぶようになるとは、江戸時代の傘貼り内職の浪人は夢にも思わなかったであろう。
【挿頭】(かざし)
草木の花や枝などを髪に挿したこと。平安時代以降は髪ではなく冠に挿すようになり、本物の花でなく造花になった。そのうち京子先生に説明させる。
【翳し】(かざし)
かざすこと。また、かざすもの。今世紀に入ってからは、Suicaなどを用いた少額決済を示す語になった。銀行勤めとして言わせてもらうと、あと五年以内にさらにもう一段階進歩するはずである。
【風潮】(かざしお)
台風などの強風によって起こる高潮で、たいしたことないと侮っていると冗談抜きで命に関わる。
【挿頭草】(かざしぐさ)
桜の異称。四月の目黒川沿岸はこれによるインスタ映えを求める人でごった返す。
【翳し詞】(かざしことば)
正月三が日の間、物の名を忌むために呼びかえて使う言葉。「雨」を「おさがり」、「寝る」を「いねつむ」、「おきる」を「いねあぐる」というのがその例。別に忌むほどの言葉じゃないだろうと思うが、それを指摘してはいけない。
【笠錏】(かさじころ)
笠のような形をした兜のしころ。兜と言っても兜甲児のことではない。
【挿頭抄】(かざししょう)
江戸時代中期の語学書で、日本語の文法を解析し、日本語における副詞の概念を見いだした。国語の成績の良くなかった者は余計なことをしやがってと思うだろうが、日本語を語学として学ぶ人にとってはありがたい発見である。
【笠地蔵】(かさじぞう)
年の暮れに心やさしいおじいさんが雪をかぶった六地蔵に笠をかぶせてやると、夜中に六地蔵がコメやカネをお礼に持って来るという話。地蔵が持ってきたコメやカネはどこが出所なのだろうかというツッコミをしてはならない。
【風下に居る】(かざしたにいる)
人の真似をする、また、人の影響下にある。明治維新後、また、第二次大戦後の日本が発展した理由はこれであるが、今はこれをしようにも規制と既得権益の圧力が重すぎてできずにいる。
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