偉大なる皮肉・たまごかけごはん編 | Short+α

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おじいちゃんといっしょ 第46話「G作戦?」、Kindleインディーズマンガにて公開開始

○実は、たまごかけごはんの歴史はそんなに古いものではない。どんなに古く遡ってもせいぜい200年がせいぜいである。


○平安時代についてあれやこれや書いてきているが、そのどこにも、たまごかけごはんどころか、タマゴ料理そのものが出てこない。どうやら、平安時代はタマゴを食べるという概念が無かったようなのである。


○日本の歴史の中で、はっきりとしたタマゴ料理が出てきたのは江戸時代になってから。タマゴを食べるという概念も、戦国時代の鉄砲伝来以後の話であろうと考えられている。


○たまごかけごはんについての記録の最古は天保九(一八三三)年。前述の通り、200年前がせいぜいであり、それまではタマゴ料理というものが火を通すものという大前提あった。


○西郷隆盛がたまごかけごはんを食べたというという話があるが、そのような記録はない。ただし、西南戦争を取材した新聞記者がたまごかけごはんを食べたという記録ならばある。


○たまごかけごはんが日本国の庶民に広く浸透したのは、戦後。終戦直後の食糧難はコメが貴重品となったが、タマゴもまた貴重品となった。その両方の貴重品を一度に食べることのできるたまごかけごはんは一気に普及した。


○このたまごかけごはん、世界的に見るとかなりグロテスクな料理らしい。私事になるが、ついこの間まで同僚だったイギリス人は和食を普通に食べていたが、たまごかけごはんだけは手出ししようとはしなかった。


○世界的に見ると、火を通さないタマゴ料理という概念は珍しい。ロッキーが生卵を飲むシーンは、日本では「栄養をつけようとしているんだな」と捉えられたが、日本以外の国ではとんでもないゲテモノ食いと捉えられた。


○外国人観光客を迎え入れる旅館が、本来なら生卵を朝食として用意すべきところで、ゆで卵に置き換えるというケースがある。


○たまごかけごはん以外で生卵を使用する料理となると、タルタルステーキとかミルクセーキとか、あるいはユッケもあるが、そのように特筆すべきほどというレベルの珍しい話ということでもある。


○タマゴは、生鮮食料品としてかなり厳しい衛生基準が求められる食品である。そもそも生卵を食べることのできる国自体が珍しく、生卵を食べても構わないぐらいの衛生基準の国でもサルモネラ菌による食中毒はある。


○日本にたまごかけごはんという食事があるということで、日本に観光にきて食べる人はいる。


○問題は、自国でたまごかけごはんを試そうとする人。日本国の衛生基準の厳しさをクリアしていないタマゴでは、真剣に命に関わる。




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