Tさんに捧げた詩
一握の砂がその拳から流れ落ちる時
開いた手のひらには一粒の愛が残っていた。
愛が風に吹かれ空に消えると
大粒の雨が振ってきて全身を強く打つ。
目を閉じたまま両手を広げると
その雨粒一つ一つに光が宿り
果てしない愛に包まれていた。
Mさんに捧げた詩
公園でしゃがみこんだティファニーはパパに質問をしました。
「蟻は自分の何倍も大きいクッキーを運べるのに
私は自分より大きいものなんて持てないよ。なんで?」
パパはティファニーの頭を撫でながらこう答えました。
「ティファニーは蟻さんには持ちきれない程の幸せな未来を持ってるんだよ」
ティファニーは嬉しそうに立ち上がり、まんべんの笑みで家に帰りました。
頑張ってる蟻さんを踏んでしまった事も知らずに。
Rさんに捧げた詩
聖者は裂けんばかりに口を大きくひらくと
そこからピンクのフラミンゴのような肉が見えた。
その奥の暗い洞窟には原始人が住んでいて
骨の鈍器でプテラノドンをひっぱたいていた。
信者たちは拍手をしそれぞれ手に持った葡萄酒で乾杯をした。
王はそれを見て妃に愛の口づけをするであろう。
Sさんに捧げた詩
ジャニファーの瞳が瞬きした瞬間に
土星の輪ッカを走ってる宇宙馬を見た。
指の皺が多いほど幸せになれると言った老婆は
夕暮れの病院のベットの上で自分の手のひらを眺めながら
とても満足そうに微笑んでいる。
遠くの太陽を人はまだ、本当に知ろうとしない。
Sさんに捧げた詩
夜の光の粒の中を走り
マイアミビーチまではあと少し
光の粒がブルーの波に飲まれたら
大きな太陽が脈打って
大きなビートを刻んだ。
アフリカの象は鼻を鳴らし
風は下から上に向かって吹き上がった。
人は踊り狂った。
そして叫びのような歌をうたった
Sさんに捧げた詩
あなたが一歩踏み出すと蟻は押し潰されて
携帯電話を取り出と老人のペースメーカーは狂い 悶え苦しむ
あなたは太陽、そして湖に揺らぐ夜の苔
湖畔に建つ白木の小屋には少女が住んでいる。
朝には白い山鳥が、夜には優しい目をした牡鹿が訪れ
ゆっくりと霧がすべてを覆う頃
少女は静かに眠るだろう
明日の夢をみながら
独裁者の独裁愛
跪いた労働者の爪先から
黒い液体が流れる
杖を振り上げ独裁者は叫んだが
しかしその声は
誰にも届かない
独裁者は声高に歌を歌ったが
その心は誰にも届かない
ついに独裁者は涙し愛を捧げたが
労働者は背中を丸めたまま地面を見ている
黒い土を両手で握りしめ
一つの流れ星が落ちる前に
独裁者は杖を振り下ろした