ツリース フィールド -10ページ目

ヴァニラエッセンス

僕の人生で
君の言葉は
ヴァニラエッセンスのように
まだちょこっとしかないが


それでも、僕の作り上げる詩は
君の香りに満ちている。

詞は曲でつながる

君と僕はキスでつながり
ちんことまんこは愛でつながり
詞は曲でつながる。


暗く、疲れ果てた天井と
薄汚れたガラス窓に挟まれた教室にいる君


手にしたシャープペンシルの芯が折れても
君が世界から遠のくほど眠くても


僕は何も知らない。
何も見えない何も聞こえない


流れる音楽と時間


どうかお願いだから
窓の外から見える雲に
僕を見いだしてください。


ぼんやりと

キスと夢

僕がいつも君にキスをするとき

僕はいつも君の手をにぎっていたい


唇を離し
目をあけたときに
すべての夢が 透明な空気の泡になって
頭上に浮いて 消え
手が届かなくなってしまいそうで


僕はいつも君の手をにぎっている


唇を離し
目をあけたときに


あなたの恥ずかしげな“えくぼ”が見えるまでは
うつろなあなたの目に僕が写るまでは


その目は僕の後ろにそびえるエベレストの白傘を見ているのかもしれない
その目はスクリーンに映る口元を隠した小麦色の踊り子のしぐさを見ているのかもしれない
もしかしたら、昔のおとぎ話や未来の空想を見ているのかもしれない


僕は今を
僕は僕を感じてほしいから
僕はあなたの唇を 舌でこじ開けた
目をつむらないまま
あなたの想いに強引にでも入っていきたかった

空は一枚の絵のように青い

空は一枚の絵のように青い。


しかし
ビルはそれを縁取りし、広さを殺した。
東京タワーは深々と刺さり、高さを殺した。
都会は空を傷つけるため
空は都会から逃げてしまった。


空がないから、人は俯きながら
歩く


悲しくないのに
悲しそうに歩く。


空が死ぬと人も死ぬ。
だから空を殺さないで。


私は
愛する人を愛すために生きる。
空がなくとも。


なぜなら、彼女は私にとって
空であり
陽であり
海であり
詩であり
地球であり、宇宙であり
悲しみでもあり


すべてであり、
私である。

絆は歩み
手をとり合って


上る坂道、たすけあい
下る坂道、ちゅういして


絆はひとつ
ふたりもひとつ


冬の朝には温め合って
夏の夕暮れくちびるかさね


絆は絆
ときめききらめき


弱さ悲しさのりこえて
うれしさ恋しさともにして


深まる絆
手をとり合って


愛するあなた
永遠に

指輪

どうか、言葉で心を救おうとする私の傲慢を許してください。


愛の言葉には神が宿り
心ない言葉には悪魔が宿る


私は言葉に悲しみを得、
そして言葉で悲しみを埋めるのです


人は進化のために離ればなれになり
悲しみや卑しさを覚え
妬みをもち
思い出に泣き
愛はそれらをくるみ
一つのかたちへ回帰する


だが再び神のかたちにはもどれない
私らは安息の地で神に近づく


何もない、すべてある地で
たった今産み落とされた赤子のように
感じ、喚き、
温かさの中のひとときの夢
しかし無表情に続く現実
目をつむってはいけない
iとfの間には何も存在しない


言葉で輪をつくり指にはめよう
永遠というアルファベットを綴り

花と太陽

花は太陽の光を浴びなければならないのです。
月の光や日陰では美しく育たないのです。


一億五千万キロメートル先から


太陽は己をかえりみず燃やし、豪快に燃やし。
花は葉を両手に開き、上を向いて伸びをするだろう。


水をあげましょう、土は肥やします。
私は太陽になる。


風から守ります、笑顔で話しかけましょう。
私は私を豪快に燃やし。


黒くドロドロした重油を頭から被り
マッチを擦って火をつけます。
眼球は卵の殻のようになり、
性器は失われ、
内蔵は早々に無くなり
思考は脳味噌と共に溶け消え


私は太陽になり
花は育つだろう

空の輪郭

太陽は白く、深い水色は空。
冒険の大海原をビルで埋め立てるのか、人よ。
かつての大地を隠してしまったように。


僕はしたたかな花を贈る。
そして声をも。
だがほんとうの意味は


空の輪郭にすら存在しない。


自由を求め、失ったのは自由。
真っ赤な爪を立ててしがみつくな、女よ。
白髭の老人が杖にしがみつくように。


僕は何も言わない。
空は何も答えない。
その涙の意味は


空の輪郭にすら存在しない。


赤子はなく。
鳥は死に場所を探す。
おとされた羊の群れに安息を求めるのは
金の亡者?
それとも愛の従者?


海さえなびかぬ風に足音は消され
太陽は白く、深い水色は空。

馬と瑠璃色の輪郭

歪んでいるのは
今に沈まんとする夕陽
恋人の理性を歪ます


澄んだ言葉を発するは
まだ言葉を知らぬ赤子
ベビーベットの中から


馬が見ているのは
瑠璃色の輪郭
地平線に目を向けて

首の無ひ人が立ってゐ留
冷涼とした草原に
其れは流れ落ちるやうな赤ひ花弁を
風に揺らす事も無く立ってゐ留

美しく無く
醜くも無い
唯、深い悲しさがそこに在る
空は大きな口を開け