縦か横か | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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タイトル、何の話だと思われますか。音楽の話です。縦と横、タイミングと流れ、和音と声部の動き、瞬間の響きと前後関係…。さて、大切なのはどちらでしょうか。一概には言えないのでしょうけど、どちらかといえば…

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  音楽は前後関係

 

この記事…

 


この中で、前後の流れが大切ということを書きましたよね。
禁則だって、前後の脈絡次第では自然に聞こえるという話。
音楽って、前後の脈絡なのです。
どこから来て、どこに行くのか、これによって動いているように思えるのです。
その過程で瞬間的には、そこだけを取り出せばとんでもない音になることもある。
でも、それは、さして問題ではなかったりする場合もあるのです。
前後の流れが大切なのですね。

 

 

  和声の課題

 

音大生のみなさん、音大卒のみなさん、和声って、やりましたよね。
課題、どんなふうに解きましたか。
一拍一拍、和音を書いていく?
つまり、縦に書いていきましたか。
それとも横に、ソプラノを(最後まで)書いて、それからアルトを書いて、って解きました?
ぼくは後者なのです。
禁則だって、横の流れによって起こるわけでしょ。
声部の流れをいかに自然に美しくするか、みたいな気がするのですよ和声って。
そういう捉え方が正解なのかどうかわからないけれど…
 

 

  同じ和音でも

 

和音のお話。
たとえば、Cというコードがあるとするでしょ。C、E、Gの音で出来た長3和音ですよね。
これ、単体では単に長3和音でしかないですが、

どんな調性のどんな流れのなかで出てくるのかによって、意味や性格が変わってくる。
ハ長調に出てくればドミソ、ト長調に出てくればファラド、ヘ長調に出てくればソシレ。
ほら、前後の脈絡、横が大切でしょ。
 

 

  縦を合わせて!

 

吹奏楽の合奏で、指揮者によってはたくさん発せられる言葉…
「縦(の線)を合わせて!」「タイミングを合わせて!」
日本人は縦ノリだ、グルーヴしないし流れがないということを以前に書きましたが、
その原因って、これを言われて育ったからなのではないかと疑っています。
欧米人って、瞬間の音のタイミングなんか気にしてないように思えるのですよね…

  1. 気にしてないのに合う(自然な合い)
  2. 気にしてなくて合わない
  3. 気にしてるのに合わない(気にするからかえって合わない)
  4. 気にして合う(作為的な合い)

さて、どれがいいのでしょうか。
いい順番に並んでいると思われませんか。下に行くほど良くない。
なにしろ、やっぱり『流れ』だと思うのです。
流れの中にいるから、結果的に合うのです。
もうね、「縦の線」だとか「タイミング」だとかいう言葉は禁句にしませんか。
 

 

  そもそも…

 

メロディがメロディとして聞こえるのはなぜだと思いますか。
音楽が音楽として捉えられるのはなぜか、というのと同義かもしれません。
それは…
前の音と今の音、今の音と次の音、それを相対的に捉えているから、ですよね。
ほら、前後の流れなのです。
流れがあっての、音楽なのですよね。
だから、流れから考える、流れから捉えるのが自然で、そうあるべきだと思うのです音楽って。
書くときも、奏でるときも、合わせるときも…

さて、横、流れ、大切にしていますか。