吹奏楽コンクール実施規定 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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全日本吹奏楽コンクールの実施規定、みなさんは読まれたことはありますか。この実施規定、今年改正されました。どんなふうに改正されたのかを見ていくとともに、そもそもどんなことが書いてあるのかを見てみました。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  実施規定、審査内規

 

その実施規定、吹奏楽連盟のホームページにあります。PDFファイルです。

下のページの中の、『全日本吹奏楽コンクール実施規定・審査内規』というファイル。

 


今年からの改正点は、赤字で書いてあります。

うしろの方に審査内規もありますね。
あまり読む機会はないかもしれませんが、読んでみると興味深いところもありますよね。

 

 

  変更点

 

まず、今年からの変更点を見てみると…
中学校の部』が『中学生の部』に変わっていますね。
その内容は、従来どおりの単独校に加えて、合同バンド、地域バンドが加えられました。
えっと、合同バンドってこれまでありませんでしたっけ…
単独では部員数が少なく、複数校合同で活動しているバンドってこれまでにもありますよね。
複数校合同バンドの条件の中に、『学校長の許可のもとに編成』とあります。
勝手にやっちゃダメよ、ということですね。
地域バンドは、参加が難しい少人数校の生徒にも参加の機会を、という趣旨なのですね。
こういうふうに機会が広がるのは、いいことだと思います。
ただ、もし『複数校から選りすぐった選抜メンバー』なんていうバンドが出てきたりすると、
それはこの趣旨とは違ってくるので、そういうことをどう防ぐのかは大切でしょうね。
ルールの裏をかくような動きって、どこの世界にもあるものですからね。
 

 

  メンバー

 

規定を読んでみると、メンバーについても『そうだったのね』ということがあります。
たとえば、中学生の部に小学生がまざるのはOK(ただし同一団体内に限る)。
高等学校の部に中学生や小学生がまざるのもOK(ただしやはり同一団体内)。
ご存じでしたか。えっ、おまえ知らなかったのかって? すみませんでした…
大学の部には大学院生が入ってもOK。
ただし管楽器、打楽器、コントラバス専攻生の参加は不可。ということは…
ピアノ専攻生はOKということね。
職場・一般の部については、『職業演奏家』の参加は認めない。ということは…
音大生はOK? 職業演奏家、ではないですよね?
どこに線を引くのかというのは難しいところでしょうけど(そもそもプロとアマの線とは)…
そして、『かけもち』不可なのですね。
あれっ、アンサンブルコンテストもかけもち不可でしたっけ…
 

 

  選出母体

 

そのほか、あらためて『そうだったのか』と思ったのは…
全日本への選出母体となる支部連盟って、あらためて見るとこんなにあるのですね。
11連盟。
なにしろ『関東』だけで『西』、『東』、『東京』と3つもありますからね。
東海と北陸は別になっていたり(もちろん知っていますけども)…
各支部内の分母、団体数になるべく差がないようにしようと思った結果なのでしょう。
これでもまだ関東地方は激戦区なのでしょうね…
 

 

  楽譜どおりに

 

そのほか…
『課題曲は楽譜どおりに演奏すること』。
あたりまえですが、時々物議をかもす部分ですよね。
のちに疑義が生じたときでも失格にするかもよ、とも書いてあります。
いや、課題曲改竄、聞いていてわかることありますよ。
また、そういう裏改編をウリにしているような指導者も、過去にはいました(今もいる?)。
練習は公開しない、見せられないんだって…
そういうことをしてはいけません。教育上も、とてもよくありません。
大人になって、「ベートーベンもどんどん書き換えちゃえば?」なんて子がいたのには、
唖然としてしまいましたよ…(呆)
 

 

  編成と許諾

 

『課題曲はスコアに指定された編成とする』…
以前…
自由曲にコントラバスクラあるから課題曲ではバスクラに重ねちゃえ、ってやったバンドが…
それがね、たしか県大会を通っちゃったけど支部で失格になったのだったか…
クラリネット(並クラ)はB管のみ、トランペットもB管のみ。
ホルンのハイF管は? アルトトロンボーンは?(そもそも使おうとは思わないですよね…)

著作権の項についても、みなさんご存じですよね。
編曲許諾。
編成をちょっと変えるだけでも、『編曲』と見なされるのですよね…
そして、書いてはありませんが、演奏許諾。
ぼくも『演奏許諾』を何度か書いたことがあります。
未出版の楽曲を演奏するには、書いた人の許諾が必要なのですよね(支部によって違う?)
 

 

  賞の基準

 

コンクールの賞といえば、『金』、『銀』、『銅』。
これ、どうやって決まるのか…
各審査員が『A』、『B』、『C』で審査して、集計…
審査員の過半数が『A評価』だと、金賞。
審査員の過半数が『C評価』だと、銅賞。
それ以外が、銀賞。
『各賞の数については制限を設けない』ともあります。
これだとやっぱり『銀賞』がいちばん多くなりそうですよね…

さて、吹奏楽コンクールの実施規定、審査内規、みなさんご存じでしたか。