翡翠や日のある限り背ナの艶
「方円」2012年8月号清象集掲載。
翡翠は夏の季語。渓流などで、高いところから急降下して魚を捕らえる。ヒスイの漢字があてられている事からもわかる通り、ヒスイ色の誠に美しい鳥。句の背景は、恥ずかしながら忘れてしまったが、恐らくこの時私は初めてこの鳥の実物を見たと思われる。夏の晴れた日、川辺に翡翠を見つける。その背中の美しさは、太陽が照っているからこその輝き。そんな美しい色への感動をそのまま詠んだ句。
人には必ず「初体験」というものがある。初めて電車に乗った日、初めて山に登った日、初めて海で泳いだ日など。それらは幼少の物心ついたときに経験することが多い。その時どんな感覚だったのか、何を思ったのかは、だいたい忘れているだろう。しかし、大きな経験として、心の奥底に眠っている場合が多いだろう。ある程度大人になってからは「知識」と「理性」というものが加わり、初体験と言っても、さほど驚かない場合があるかもしれない。だからこそ、初めて美しいものを見た時の、何とも言えない感覚を大切にして、そこから想像を広げたい。
(絵はAIによる創作です)
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