平安てふ薔薇真先に崩れをり

「雲の峰」2023年8月号課題俳句入選句。

「雲の峰」では毎月「課題俳句」と称して、特定の季語を含んだ句を2句投句する決まりになっている。この時の課題は「薔薇」。そこで、心療内科への通院帰り、中之島バラ園を訪れた。時期が早かったのか、まだまばらに咲いた状態だったが、すでに散っている花も見受けられた。散っていたのは「平安」という種類のバラ。偶然見つけただけだったが、今の世知辛い世の中を象徴しているようにも見えて詠んだ句。

この句は、特定の国や地域、思想信条を批判したり、糾弾したりという意図は全くない。ただ「平安」という名前が気になって詠んだだけ。しかし、深読みする人は、何らかの意図を感じて、「お前はどっちの味方なんだ」と責めるかもしれない。考えすぎかもしれないが、今のネット社会では、「口は禍の元」の言葉通り、またはその言葉の意味をも超越して、魔女狩り的な言葉狩り、思想狩りが横行している。ちょっとした言葉尻を捕らえられるので、おちおち喋れない。もっとも、自分の揺るがない信念があれば、何を言われようと堂々と公言すればいいのだが、それを詩歌に乗せるとなれば、話は別だ。兎角「訴え系」は誤解を生みやすい。そういう意図がないにせよ、普段から言葉のチョイス、咀嚼が重要になってくる。

(絵はAIによる創作です)

 

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