顧問CFO川井隆史のブログ -86ページ目

役員報酬‐法人税優遇?




経済産業省が2016年税制改正の要望で役員報酬について法


人税の改正を出すようです。実は以前外国人のプロ経営者を


雇う場合の足かせになっているとブログで申し上げたことが


あります。新聞記事では法人税「優遇」と書かれていますが、


「優遇」という表現には違和感があります。


役員報酬は法人税法34条に定めていますが「役員給与の損金


不算入」という項目で、立てつけとしては役員給与は損金不算


入(つまり税額を計算するときの経費として認められない)であ


るが①定期同額②期首にあらかじめボーナスを決める③利益


に連動するの3要件の場合損金として特別に認める形になって


います。当然事業に費消した経費は損金算入されるのが当たり


前で、今まで不当に税を課されていたと考えれば「優遇」という


表現には違和感があります。不利だったものが普通になった


だけです。曲者は③の「利益連動」で要するに会社の利益に


機械的に連動する一律なもののみであり、本人のその利益に


関する貢献度などには関係なく一律支給しなければ損金算


入になりません。本来利益連動はインセンティブですから貢献


度を加味しなければ意味がなく、この規定は企業経営の視点


が全く抜け落ちているものだといわざるをえません。個人的な


感想として役員報酬としてきちんと利益を出している会社のき


ちんと貢献している役員(たとえばトヨタの役員)などの役員


報酬平均が9000万弱というのは安すぎると思います。



一方でオーナー系同族企業などで役員の報酬を利益調整に


使う(たとえば今期は利益がいっぱい出て法人税を払うのが


嫌だから役員報酬で利益下げよう!)ケースを税務当局は


主張しているようですが、役員報酬に対する所得税の推進


課税の中で十分カバーできそうです。なんとなく、日本の税務


当局は税法を恣意的に運用できる余地を残しておきたいという


ような願望があるのではないかと感じるのは私だけでしょうか?

ANAに決まったスカイマーク支援ー疑問と懸念 




思いがけないANAの圧勝で驚きました。勝因はエアバスにA380


という超大型機を購入する約束をエアバスにしたのではないかと


日経では書かれています。ただ、東京証券取引所の適時開示指針


で社内決定事項ならば1機530億円もするエアバスの数台の購入


は開示しなければならないので、ガバナンス上の問題か適時開示


義務違反ではないのでしょうか。もし、約束ではなく単なる示唆


だけでしたら欧米の会社が全く文書のない口約束でこのような


判断をするのか非常に不可解ではあります。



もともとスカイマークの破たんは非常に米国のPSA(パシフィックサウ


スウェスト航空)の破たんに似ています。PSAはかの有名なサウ


スウェスト航空がそのモデルのコピーをして大成功したことで有名


ですがこの会社自体は経営破たんしました。大きな理由としては


同じ中小型の機体を使い続けるというポリシーを止めて大型機を


導入するなど中途半端な戦略をとり続けたからです。スカイマーク


は財務戦略の失敗も大きいですがJAL、ANAの値下げ攻勢に


A330を導入したりA380で国際線進出など無理な戦略をとった


ことも大きいと思われます。



ANAの立場になると、ANAもスカイマークの路線をどうしても


取りたかった面はあったかと思います。また、JALとの寡占に


なれば国内線はマージンが厚くとれるとふんだのでしょう。


ただ、スカイマークが導入して失敗したA330の問題に加え、


A380という超大型機はイメージとして非常に燃料費・維持費


が高いので、そのマージンの厚さでA330のコストとA380の


コスト増大分をカバーできるとふんだのでしょう。・・・という


ことはANAの予測計算が正しければ、我々国内線の利用


者にとっては国内線は高止まりするという嫌な結果になって


しまうのは明らかですよね。オヤジとしてはミニスカアテン


ダントの今後の動向も気になりますが・・・・

IHIの純利益下方修正ー東芝ドミノ起こるか?



I


IHIが昨日発表した決算短信の際、従来予測から100億円の下方


修正を発表しました。理由はシンガポール向け採掘船の船体工事


などで採算の図面の修正等により大幅に工事が遅延して、それが


ドミノ倒しのように他の工事に波及していたというのが理由とされ


ています。


内容を見ると突発事項ではなく、正直申し上げて決算と同時でな


いと発表できない内容ではありません。本来もう少し早く開示できる


内容と思われます。また、5月に行った業績予測をすぐに大幅


修正するというのは一部上場企業として恥ずかしい話でなかなか


やりません。



以下はあくまで想像ですが、このギリギリの発表は先送りにしたい


派ときちんと開示したい派のせめぎあいがあったのではないかと


思います。また、これは、いわゆる東芝問題で話題になった長期


工事の引当の問題に近い話な気がします(この船舶工事に工事


進行基準を用いているかは不明ですが)。監査法人は東芝問題


を見て、かなり強硬に損失の認識を迫っており、ぎりぎりで先送


り派も東芝の二の舞は避けたいと断念したのではないでしょうか?



これから地味ではありますが、このような損失認識の発表がポチ


ポチと長期工事やプラントをやっている企業からドミノ倒しで出


てくるのでは・・・・と思うわけです