顧問CFO川井隆史のブログ -82ページ目

ゲノム創薬と医療費の増加




日本は特定の遺伝子に作用するゲノム創薬の分野で欧米に後れを


とっていましたが、今回武田薬品などが中心になって共同プロジェクト


を立ち上げたようです。自分もかつてバイオベンチャーで経営陣に加


わっていましたがこの点での日本の製薬会社の力の入れ方というの


はあまり強くはなかった気がします。大きな点は遺伝情報(ゲノム)を


解読する技術が進んで安価になったことがあるようです。かつてはヒト


の遺伝子情報を読み取るには億円単位の費用がかかりました。


ゲノム創薬によって特に癌など遺伝子の作用による病気に関しては


効き目が高くなります。さらにゲノム創薬の抗がん剤の良い点はがん


を発生させる特定の遺伝子にだけ作用するので副作用が少ない


点です。


ただ、ある特定の遺伝子にだけ作用するのでそのがんの


原因が違う遺伝子による場合は効かないので販売数は必然的に


少なくなります。製薬会社の費用で一番大きいのは研究開発費


でなんと売上げの20%近くを占めます。もし、研究開発費が他の


薬品と一緒であれば当然薬価は高くなり将来の医療費の増加の


可能性は高くなります。 研究開発費が高くなるのは臨床試験で


かなりの人々を集めて治験をしなければならないところにあります。


一つには治験の一層の効率化、場合によっては補助や税制優遇に


より対処する必要があるのかもしれません。個人一人一人にあった


テーラーメイドな薬ができるのはうれしいのですが、その分薬価が


高くなってしまうのは経済原則として当たり前と言いつつ皮肉な


ものです。

「おわハラ」など新卒就職活動について



8月1日より新卒の採用活動が解禁になりました。別にこれは文科省


など国が決めているわけではなく、経団連が「採用選考に関する


指針」を出し、採用広報活動を3月から、採用選考活動を8月から


にしているだけです。したがって、経団連に加入していない企業に


とっては関係ない話ですが日本の大手一流企業はほぼ加入している


ので、大手一流企業にとっては公式には守らねばならないルール


です。狙いとしてはほっておくと青田刈りが激しく、できる限り大学3年


までは勉学に集中するために就職活動を4年から始めるような形に


したと言えるでしょう。


しかし、実はちょうどバブル初期に就職した私の時とほぼこのスケ


ジュールは一緒で全く守られないのはわかっていたはずです。私の


就職活動時もどちらかというと売り手市場で大手企業は解禁の日


より前に「内々定」をだし、解禁の日は拘束され内定をもらう日で


した。ただ、今はもう少し慎重で「採用合格基準に達しています」


など言葉が違うだけのようです。「おわハラ」も結構あったようで、


当時N証券など内定辞退者を呼び出して頭から牛丼をかけた


など都市伝説的なうわさも流れました。



ゲームの理論で囚人のジレンマという話があります。2人組の強盗


がつかまりましたが2人を隔離して尋問を行います。二人とも完黙を


貫けば懲役2年で済みますが、どちらかが白状すると白状したほう


は執行猶予がついて、しなかったほうは懲役10年、両方とも白状する


と懲役5年ずつです。当然2人で完黙すれば得なはずですが相手の


行動が見えないですから疑心暗鬼になり結局両方とも白状して懲役


5年を受けます。結局相手の行動が見えない中では自分の利益


のみを追究し結局望ましくない結果を招いてしまうという経済学の


理論です。このように経済合理性のない規則は破れて当然です。


また、過去にもうまくいっていなかったわけですからうまくいくはず


はないのです。


正直言って大企業だと大卒の新卒と言っても幹部候補と兵隊候補


はあきらかにいます。前者が少数で後者は多数です。新卒採用は


幹部候補だけにして後者は通年でもいいのではないでしょうか?


ただ、後者でも優秀な人はいたりするので幹部候補に挙げるライン


は残しておいた方がよいとは思いますが。

多分使えないベビーシッター所得控除




厚労省が乳幼児を抱えながら仕事をしてベビーシッターを利用する


会社員の税負担を軽くするために所得控除を導入する方針という


ニュースが新聞に載っていました。ただ、内容を見るとがっかりで


「特定支出控除」という非常に使えない制度の中に組み込むという


ことです。自慢ではないですが今まで特定支出控除を使っている


方を見たことがありません。実は平成24年度は6人しか利用者が


おらず25年度に「急増?」し1400人くらいになったようです。要する


にほとんど使えない制度といってもよいと思います。


理由は所得控除(要するに経費として認められると考えてください)


できる額が給与所得控除の2分の1を超えた部分に限られるところ


です。たとえば年収800万の人がベビーシッターを使っても給与所得


控除の2分の1の年間100万を超えた額でないと所得控除が全く受


けられません。月額10万で年額120万のシッター代がかかったと


してざっくり(120-100) x30%=6万(震災部分除く)が減税額です。


おそらく、ないよりかはましですが、「これで安心してベビーシッタ


ーに任せて働ける!」とは思わないでしょう。また、この控除をえる


ためにはおそらく様式に記入して添付書類を集めて会社の証明を


もらわねばなりません。普通の人は面倒でしょう。



多分少子化対策なのでしょうがこのような小出しの政策はやめ


て保育園の設置の一層の自由化とかもう少し考えることはある


気はします。シッターにしてもフィリピンの女性などはアジア各国


やアメリカなどで活躍しています。ホスピタリティの高い人も多く、


英語も上手な人も多いですから活

用できないのでしょうか?