顧問CFO川井隆史のブログ -81ページ目

すき家で800人契約社員 -登用は成功するか?




すき家がバイトから契約社員での登用を増やすようです。結構記事


で驚いたのが全国に2000店舗があるものの店長が1000人しかお


らず、残りの店舗はチーフと呼ばれるバイトが実質的に責任者で


あった点です。今回そのチーフをテストとして契約社員に登用した


ところその店の売り上げが大幅に伸びたようです。牛丼屋さんに


行くとわかりますが、店長と言っても基本的には普通の店員と一緒


に接客に追われています。そのような忙しくかつ他のバイトの管理


もしなければならないのにバイトで多少時給が高いだけといった


状況だったわけです。それに人手不足が追い打ちをかけたわけ


ですから接客の水準も下がるはずです。自分の弟も牛丼チェーン


の店長だった時代がありましたが、バイトが突然休むと自分が仕事


をしなければならず、会社に対する不平不満も聞かねばならず


本当に大変そうで体を壊して退職しました。これが通常のバイト


に毛が生えた程度の時給でやっていたわけですからある意味頭


が下がります。ただ、人手不足のおり、さすが心が折れてしまった


方が少なからずいたのだろうと想像します。


今回契約社員になることによって、5割ほど年収がアップするよう


です。今、ゼンショーグループ全体で正社員が5859人でパート従業


員が44117人ですから、1000人契約社員というのはパート従業員


の2%程度でさほど財務的にはインパクトのある話ではないと想像


されます。しかし、新聞にも大きく取り上げられたのでニュースとし


てのインパクトは強い方策と思います。8月にゼンショーグループ


は既存店売上高が3.4%と前年同月比上回りましたが、客単価の


上昇が9.8%で顧客数は-5.8%とまだ減り続けているようです。


確かにすき家は牛丼3社の中でもワンオペを代表するブラックの


イメージが強く最近自分も足が遠のいていました。


契約社員にして年収が上がったということは当然その人たちの


モチベーションが上がった理由だと思うのですが、やはり会社は


自分たちの努力を認めてくれているという感覚が大事だと思い


ます。時給の単なる増加ではなく手当や賞与といった形の年収


アップ+契約社員+正社員登用といったセットが同じ年収アップ


でも心に響いたのではないかと思います。従業員を部品のように


扱うのではなく、きちんとその働きを認めるということはつくづく


大事なのだと思われました。牛丼も一時290円の時代がありま


したがおそらく400円台くらいになるのでしょうね。残念ですが、


従業員の搾取の中に成り立っていたと思えば、400円台くらい


の方が適当かもしれません

日本電産 -カリスマ経営者の後継者はどう選ぶか




日経の日曜版に日本電産の永守会長のインタビュー記事が載って


いました。三協精機など買収なども絡め売上1兆円を達成しましたが


後継者選びで苦心している感が伺えます。現在ご本人をいれて4人


の代表取締役がいらっしゃり、有名な元シャープの片山氏と元カルソ


ニックカンセイの呉氏がよく次期社長レースの候補と言われています。


社内役員を見ると生え抜きは創業からの番頭的な役割の小部氏だけ


であとは外部からのスカウト組で人材の育成という意味ではあまり


成功していないかもしれません。そういった意味でカリスマ経営者で


もある「永守リズム」のようなものが社内で醸成される仕組みのよう


なものは出来ていないのかもしれません。



永守社長のおっしゃるように外からスカウトしていきなり社長にする


のではなく、準生え抜きといった形で苦楽を友にし、会社の文化を


共有した人物を社長にしたいという方針は素晴らしいことだと思い


ます。ただ、カリスマ社長の下で仕えるストレスと社長としてのスト


レスは違う気がします。日本電産の内部事情は違うのかも知れま


せんが、カリスマ社長の下で使えると日曜の夜でも平気で電話が


かかってきて仕事をしなくてはなりません。決めるのは社長のみで


その意思決定まで振り回されすごくストレスかかります。自分もある


カリスマ社長の会社と取引しましたが(私にとっては大きいですが


相手方にとっては小さな取引です)、副社長クラスとお話ししても


何も決まりません。社長の一言一言で副社長クラスが右往左往


するのを見て非常に気の毒になりました。



くらべものにはなりませんが、私も自分で経営をしていますが、必要


であれば日曜の夜でも平気で仕事をしますし、先週昨日までずっと


顧客先に詰めて仕事でした。しかし、自分の意思でやっているので


全く苦になりません(多少疲れましたが)。一方、会社役員のころも


社長や他の役員とは土日も連絡を取り合って仕事をしましたが


やはりどこかストレスには感じていました。一方お客様に対する


責任感とプレッシャーは会社員だったときよりもはるかに大きくなった


気がします。したがって、カリスマ社長に上手に仕える能力やストレス


耐性と社長としての能力、ストレス耐性は異なる気がします。そのあた


りどうお考えなのかもう少しつっこんだ質問が欲しかった気がします。

NTTの資金管理 -いままでどんぶりだった?




NTTがNTTファイナンスをグループの金融子会社として位置づける


ようです。いわゆるキャッシュマネージメントシステムをいれること


です。メリットはグループ内で余剰資金がある会社と足りない会社


があった際は、グループ内で融通ができるため無駄な資金が寝て


しまうことがなくなり、グループ全体の負債も減ります。したがって、


格付けなどもよくなる可能性は高く、資金調達にも有利で今後の


M&Aなどにも有効に生かせるわけです。


キャッシュフロー経営という言葉は10年以上前から聞くのですが、


NTTのような日本を代表するような企業でもまだ、資金管理につい


てはグループでの効率化が進まずこのようなどんぶりだったという


のはある意味驚きでした。欧米系だと金融子会社というのは中堅企


業くらいでもグローバル企業だと普通にあって香港などの税率の低い


国にあります。このような国は海外で発生した金利は一定の条件で


益金不算入(収益とみなされず税金がかからない)になるので税金


上も有利です。自分も外資系法人日本子会社に勤務しているころは


金融子会社にすべて資金は吸い上げられ(ゼロバランス)必要な時


だけ資金を調達するという仕組みの会社が多かったです。とにかく


資金の効率的な管理は口うるさく言われてキャッシュフロー予測な


ども常に厳しく管理されていました。企業グループの資金管理はまだ


まだ遅れている会社は日本では多数あるのだと認識した次第です