
卵について
前回、酪農(牛乳)について書きました。今回は採卵鶏(卵)について。
日本には約1億3000万羽の採卵鶏が飼われています。日本の卵の自給率は97パーセント。すごい自給率です。
しかし、その鶏達が食べる餌は、ほぼ輸入の餌に頼っています。
見た目の自給率は高いのですが、実は餌は輸入ものという訳です。
世界的な気候変動、穀物生産国のウクライナ問題、中国の急激な穀物輸入、コロナによる運賃アップ、円安等々が加わり、餌の価格は暴騰。
そこへ鳥インフルエンザです。国内で1000万羽以上の鶏が殺処分されました。
もう卵の値段は上がらざるを得ません。
正直、これまでの卵の価格も安すぎたんです。物価の優等生と言われてきましたが、全て採卵鶏を飼う会社と鶏さん達の苦労によるもの。
我々畜産人も、まさかこんな時代が来るとは想像していませんでした。牛乳の記事でも書きましたが、今後も卵の生産を続けるためには「適正な価格」が必須です。消費者である皆さんの御理解をお願いします。
酪農について
畜産業の中で乳牛を飼って牛乳を搾る畜産農家を酪農家、酪農業と言います。
酪農に使われる牛は皆さん、ご存知のホルスタインという白黒の牛です。
彼女たちが1日に生産する牛乳は約30リットル。本来は、子牛のために生産するための牛乳で、これを人間が横取りしています。子牛は30リットルなんて必要ないのですが人間様が1リットルでも多く搾れるように改良してきたんです。もちろん改良された牛には、沢山の餌が必要です。かと言って餌を減らしたら、彼女たちは自分の身を削ってでも牛乳を生産するため、病気にかかってしまします。
新聞等で報道されている通り、餌の価格が半端ない値上がり。
酪農家が受け取る牛乳代金が10円値上げになりましたが、全く足りていません。搾れば搾るほど赤字。
このままではこの国から牛乳から消えてしまうかもしれません。
どうすればいいのか?酪農家の皆さんが再生産できる価格で国民に牛乳を買ってもらうしかありません。そうなった場合、スーパーで買う牛乳は高いものになります。
手遅れになる前にこの国の酪農を立て直さないと!