南米に生息するツノゼミ科のヨツコブツノゼミは頭にある4つのコブがまるで風速計のような感じの昆虫である。セミとは名のつくものの、それとは程遠い風貌に違和感を覚える(セミはセミ上科であるが、ツノゼミ科もセミ上科も同じカメムシ目である)人も多いが、そのコブが何のために付いているのかはいまだにわからず、進化論者も頭を抱えていると聞く。
このヨツコブツノゼミの学名は「ボッキディウム・チンチンナブリフェルム」という聞くからに下ネタ系を思わせる名前であるが、当然ながらこういう事になると、絶対にこの番組が食い付くであろうと思ったら、案の定そうであった。CBCラジオ「つボイノリオの聞けば聞くほど」の聴取者が番組にこのヨツコブツノゼミの事についてメッセージを送ると、早速つボイ先生は反応したばかりか、他の聴取者もその学名を故意に間違えたとしか思えぬメッセージで盛り上がってしまう。たとえば「ボッキチンチンナブリ」とか「ボッキチンチンナブリナネブル」、「ボッキナデテモチンチン」などと毎度の事ながら朝の番組とは思えぬお下劣ぶりである(それが売りではあるが)が、つボイ先生も「正解でも間違いでも大して変わらない。これからは学名で感動を得るというコーナーを作ったら良い。オオイヌノフグリとか、いろいろ容赦ないやつを学者は付けている」と多少暴走気味に口にしたという。
番組では触れていないようであるが、実は「ボッキディウム」というのはラテン語でツノゼミの意で、「チンチンナブリフェルム」というのは「チンチン」と鳴る鐘を持った魔除けであると聞く。その魔除けを見ると、形はまさに男のいちもつであるチンチンであるから、もしかしたらこの学名を名付けた学者は日本語も解していて、「ボッキディウム・チンチンナブリフェルム」というこの学名も意図して付けたのではないかとも思ってしまう。そうでないと、ここまで都合の良い話にはならない。
見た目もグロテスクなら、学名も下ネタ系のヨツコブツノゼミ。これからもあちこちで話題になる事であろう。ある意味で最強の昆虫である。
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