● ビジネスで社会を変える時代──「クリティカル・ビジネス・パラダイム」が描く未来
プロ14年目の最新の認知科学に基づく気功とコーチング、
そして10年後も使えるビジネスの実務とアカデミアを、
超具体的なステップでマスターする「なかだ塾」を主催している中田です。
年間100~200冊以上の本を10年以上読み続けています。
さて、「クリティカル・ビジネス・パラダイム 社会運動とビジネスの交わるところ」
山口周を読みました。
2024年4月初版。
一言で言えば、
「クリティカル・ビジネス・パラダイムは
ビジネスで社会や世界を変える新しいパラダイムの解説書」
です。
・僕にとって、付箋多めな書籍は良書な傾向があります
ここ数年、僕が感じていたビジネスへのモヤモヤ感を整理し、
吹き飛ばしてくれる一冊でした。
いま、世界で勃興しつつある新しいパラダイム
について解説しています。
クリティカル・ビジネス・パラダイムとは何か?
クリティカル・ビジネス・パラダイムとは、
社会運動・社会批評としての側面を強く持つビジネスのことです。
従来のアファーマティブ・ビジネス・パラダイムでは
競争優位も持続可能性も保てません。
そのため、哲学的・批判的な考察によって
新たなアジェンダ(課題)を生成し、
アジェンダに共感して集まった
アクティヴィストと協働することで実践していきます。
従来のアファマーティブ・ビジネス・パラダイムの辿り着く先は、ディストピア
例えば、僕がやっていた「なかだ塾」シリーズは、
まさにこのクリティカル・ビジネス・パラダイムでした。
従来の美的センスや倫理感ない広告が大量に流される
アファーマティブ・ビジネス・パラダイムには、
僕自身、強い反発を感じていました。
結論としてまとめれば、アファマーティブ・ビジネス・パラダイムによって、顧客のルーズなニーズやウォンツに対して適応することを続ければ、やがて社会全体の風景がルーズな方向に引きずられ、それはまた、その市場のグローバルな競争力の喪失にもつながるということです。だからこそ、現在の私たちは、顧客の美的・倫理的感性を引き上げるようなクリティカル・ビジネス・パラダイムを必要としているのです。p61
「次世代の人々にぜひとも譲り渡していきたい、誇りをもって伝えたい」
と思えるようなものを生み出せているかどうか
をクリティカルに考える必要があります。
そのような反省もなく、
日々、美意識も倫理観もない大衆の欲求にルーズに適応することで
生み出されたこれらの商品が、
人々の生活の部隊である社会の風景を織り成し、
子供たちがそれらの商品に日常的に触れることで、
感性はさらにルーズな方向へと教育され、
美的センスの社会的なスタンダードは
長期的にズタズタにされてしまいます。
今日、あらゆるところを歩き回り、どこでもその野蛮な精神性を押し付けているこの人物を、人類の歴史に現れた「甘やかされた子供」と呼ぼう。「甘やかされた子供」はただ遺産を相続するしか能がない。ここで、彼らが相続するものは文明である。いろいろな便益や安全・・・一言でいえば「文明の恩恵」である。今まで見てきたように、文明がこの世界で作り上げた安逸な生活の中でのみ、あのような諸特徴を持ち、あのような性格を持った人間が生まれるのである。オルテガ・イ・ゼット「大衆の反逆」
オルテガはこのような大衆の振る舞いを
たとえて「甘やかされた子供」
と名付けていました。
なぜ大衆は甘やかされた子供に
なってしまうのでしょうか。
それは「文明がこの世界で作り上げた安逸な生活」
を挙げられています。
つまり、アファマーティブビジネスパラダイム
によって引き起こされているのです。
市場経済で顧客の要求や欲求を絶対視し、
これに対してアファマーティブに
対応することを続けているうちに、
顧客はまるで王侯貴族のように
自分たちの要求や欲求は満たされて当然だ
と考えるようになります。
オルテガが指摘する大衆の
自己中心的な性質は、こ
のようにして形成されるのです。
当然、振る舞いは王侯貴族に似ていますが、
オルテガが原書で貴族性を語っていたように、
権利を欲するのならば社会的義務や
責任を負わなくてはならないのですが、
「甘やかされた子供」である大衆には
そんな矜持がありません。
そのような無教養で美意識のない大衆からの要求・欲求に無限に応えることによってしか、市場で勝ち残ることができないのだとしれば、世界の辿り着く先はディストピアでしかありません。p64
従来のアファマーティブ・ビジネス・パラダイムから
クリティカル・ビジネス・パラダイムに
パラダイムシフトできないと、
社会はディストピアに向かってしまうのです。
なかだ塾シリーズの皆さんは、まずはアファマーティブ・ビジネス・パラダイムから始めよう
とはいえ、なかだ塾シリーズの皆さんは、
従来のアファマーティブ・ビジネス・パラダイムである
顧客のニーズやウォンツ、市場調査、ライバル分析から始めてください。
いきなり新しい市場を開拓するブルーオーシャンを
目指してはいけないようなものです。
ビジネスの基礎や顧客のニーズやウォンツがなく、
独りよがりの商品を作って売れなくなる可能性の方が高いためです。
しかし、現状に不満を持っている人がいるのならば、
その反骨精神はアクティヴィストに
とって大変貴重な資源です。
現状を批判した釈迦は毒殺か食中毒でしたが、
イエスキリストは磔になって殺されたように、
クリティカル・ビジネスは、
必ず批判にさらされます。
批判されても突き進んで、
社会を変革するためには、
それくらい、
いやそれ以上のパワーが必要です。
社会や世界に貢献したい。
現状に不満がある。
現状を変えたいという方は、
クリティカル・ビジネス・パラダイムにチャレンジしてみては?
と思いますね^^
と、その前に、
「クリティカル・ビジネス・パラダイム 社会運動とビジネスの交わるところ」
を読んでから。
【参考書籍】
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