糖尿病性認知症

 

糖尿病のある人は、高血糖の状態が長く続くと、認知機能が低下しやすくなり、認知症を発症しやすいことが知られている。 糖尿病の人はそうでない人と比べて、アルツハイマー病に1.5倍なりやすく、脳血管性認知症に2.5倍なりやすいという報告がある。

 

高血糖 高血糖が続くことによって、脳の血管に動脈硬化を引き起こし、脳が必要とする酸素や栄養が届かなくなります。 このような状態は、アルツハイマー型認知症の原因となる「アミロイドβ」がたまりやすい状態でもあり、認知症になりやすくなります。

 

認知症リスクが高まるHbA1c値はいくつですか?

認知症リスクは、HbA1c値が6%~7%未満の患者でもっとも低く、調整ハザード比は0.79(95%CI 0.77~0.81)になった。 一方、HbA1c値が9%以上であると、認知症リスクは上昇した。

 

入院基準はHbA1cが目安として8%以上であるが,8%未満でも教育目的で入院となる場合がある。

 

HbA1cを下げるには、血糖コントロールを良い状態にしておくことがポイントです。 血糖コントロールを良い状態にするには、血糖値を必要以上に上昇させない、糖の吸収を穏やかにする、運動を習慣的に行う、日常生活でこまめに動くなどが大切です。

 

HbA1cは1ヶ月でどのくらい下がる?

HbA1cは,入院時は16.3%という高値でしたが,1ヶ月後には11.4%,2ヶ月後には8.4%,3ヶ月後には7.2%と低下し,4ヶ月後からは6.4%前後の良好な値を維持しています. すなわち,HbA1cは,治療開始後は急速に改善し,その後,次第に低下速度が減少し,4ヶ月で新しい値に収束するという変化をしています.

 

HbA1cはどこまでが正常範囲ですか?

HbA1cが6.0%未満が正常範囲となります。 6.5%以上になると「糖尿病型」となります。 6.0~6.4%の場合は「境界型」といい、糖尿病の疑いが否定できない状態です。 5.6~5.9%の場合、「 糖尿病予備群」とみなされる場合があります。

 

かかと落としは血糖値を下げる効果があるのはなぜですか?

綿田:かかと落とし運動はとても良いと思いますよ。 筋肉を動かすと、そこにブドウ糖が入っていきます。 すると血液中にあったブドウ糖が減って、血糖値が下がることになります。 食後は血糖値が上がっていますから特に効果的です。