男性側から語られることの少ない

「不妊治療」。


前回は

「#1 僕たちができること」、

男性として不妊治療とどう向き合うか

お届けしました。




今回も同じ男性3人で、


「不妊治療に関わるお金について」


語りました。


登坂淳一
49歳。妻40歳。

2019年7月から不妊治療を開始。

13カ月間の不妊治療の間に流産2回を経て妊娠。

2021年4月に第一子誕生。

 

I氏
44歳。妻40歳。

2016年から不妊治療を開始。

転院を繰り返し、
5年間の治療の末妊娠。

2021年7月に出産予定。

H氏
48歳。妻36歳。

2020年1月、35歳の時に不妊治療開始。

タイミング法3回、人工授精3回、体外受精3回

現在も妊娠にはこぎつけていない。



#2 不妊治療に関わるお金について



登坂
子供を持ちたいと思ったときにまず考えたのは、
自分の年齢のことでした。
僕たちみたいに、 20代・30代は仕事をして過ごして、そして40代になってから子供のことを考え始めると、時間のリミットというものはどうしても頭にちらついて、焦りますよね。
自分の身体の面から子供を持てる年齢、そのあと子供を育て上げる年齢、それを逆算すると、最短距離で子供をもちたい、というところはやっぱりありました。
その状況の中で不妊治療を始めて、どうしても問題に
なってくるのは「お金」のことでしたね。

I
お金の問題は大きいですよね。
自分で不妊治療を受けてみて、医療は進んでいるんだな、サポート体制は意外とあるんだなと分かったんですが、でも、適切な治療があることと、それを受ける力が
あることはまた別問題だと思いました。
ひとつは何より、当然ながら女性側の身体・時間の負担の問題と、そうしてもうひとつは、今話に出た金銭的な負担の問題。
うちは最終的に、1000万円以上はかかってしまっています。

H・登坂 おおー

登坂
皆さんは不妊治療を始めるときに、
何年間は頑張ろうとか、費用的にこのくらいまでは
やろうとか、夫婦で決めていたりはされたんですか?

I
僕らは、最後の治療の前に「これは総力戦だから、費用は度外視しよう、持てるものを投入しよう」と二人で話しました。
お金は気にならないと言ったらウソにはなりますが、
そのくらいの気持ちでしたね。
ただ、請求が来た時には、ベンツかフェラーリでも買ったのか?とはなりましたけど。(笑)
でも、お金は後で何とかしよう、頑張って働いて稼ごう、と思ってましたね。

H 
そう思ってないと仕方ないですよね。費用的には、最新のiPadを毎月買ってそれをドブに捨てるのを繰り返しているような感じのお金はかかりますもんね。
あまりうまくいってないときはここまでやったら終わろうか、みたいななんとなくのゴールはセッティングすることもありますね。

I 
僕らに関しては、割と二人とも楽観的だったんですよね。
旅行に行くのが趣味なんですが、不妊治療中も、とくに制限せずに旅行には行ってました。そういうのが良かったのかなと今では思いますね。
治療の方にお金かかったらお金かかったで、会社の保養所などをうまく使って節約して旅行に行ったりとかして、なるべく普通の生活で楽しみは削がないようにしていました。

登坂 
うちも、治療の後に必ず妻のリクエストのものを食べに行くとか、テンションの上がることを必ずするようにしてました。

H 
節約しながら、それでも不妊治療が精神的な負担にないようにされていたんですね。
でも、来年の1月から保険適用になれば、今よりは
良い状況になるかもしれませんよね。

登坂 
そうですよね。あと、今年の1月から国の不妊治療の
助成が拡充されましたよね。
でもそういえば僕、医療費控除をできることとか
知らなかったです。
病院が教えてくれるわけではないので、たまたま調べていた時に見つけたんです。そういう制度の部分も、
もっと整うといいですよね。

I 
たまたま僕も医療費控除を知っていて、ここ2,3年は出来ました。それでも、控除の金額なんて優に超えてしまうので、どうしたものか、という感じではありますが。
ただ、もっと制度や控除に関しては周知されるべきですよね。クリニックとかでもぺらっと紙が置かれているだけで、積極的に教えてくれるわけではないですし。

H 
持続化給付金とかもそうかもしれませんが、そこに僕たちが乗り越えなければならない壁がありますよね。
わかりにくいホームページが改善されたり、コンシェルジュみたいな人がいたりすればいいかもしれませんけどね。




次回は
「#3 ふたりで進める不妊治療」
をお届けします!