【CDについて】
①作曲:ベートーヴェン
曲名:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 op37 (35:00)
②作曲:モーツァルト
曲名:ピアノと管弦楽のためのロンドニ長調 K382 (9:26)
ピアノと管弦楽のためのロンドイ長調 K386 (7:26)
演奏:アニー・フィッシャー(p)、フリッチャイ指揮、バイエルン国立管弦楽団
録音:1957年12月3日①、1959年6月26-28日② ミュンヘン ヘルクレスザール
CD:PROC-1155(レーベル:DG、販売:タワーレコード)
【曲に関して】
バートーヴェンのピアノ協奏曲第3番は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲では、唯一の短調の曲になります。ピアノ協奏曲第1番(2番より後で作曲された)の完成の翌年から構想されていたとのことですが、すぐには完成せず、7年ほど後の1803年に初演されました。この時はピアノのパート譜ができておらず、ベートーヴェン自身がピアノを演奏し、即興で乗り切ったということです。
【演奏についての感想】
アニー・フィッシャーの演奏を聴くのは初めてです。オーケストラは、出来についてはまず間違いないフリッチャイですので、安定した演奏を期待して聴き始めます。曲は、フリッチャイのしっかりした彫りの深い演奏で始まります。そこに乗ってくるアニー・フィッシャーも力強い音で答えていきます。全体的に固い感じがしますが、これはフリッチャイの指揮によるものか、あるいは、オーケストラの音色によるのかもしれません。剛と剛がぶつかる演奏だという第一印象でした。ベートーヴェンらしいとも言えるかもしれないと思いました。
第二楽章に入ると、一転ピアノ主導で穏やかな音楽が流れていきます。じっくりと演奏され、表情豊かなピアノ演奏を聴くことができます。それでも少し堅固な雰囲気は残っているかも、と感じました。第三楽章に入ると、曲は流れるような雰囲気になり、明るく和やかな感じになりました。演奏の基調は一貫していると思いますので、ベートーヴェンらしい堅固な音楽の上に、ヴィルトゥオーソの至芸が展開していくという感じでしょうか。往年のクラシックの醍醐味を聴くことができるCDでした。
カプリングされている、モーツァルトのロンドは、いずれもモーツァルトのピアノ協奏曲の第三楽章として書かれたもので、別の作品が定着したので、独立した形で残ったものです。K382の方はロンドといいつつ変奏曲になっています。シンプルかつ楽しい変奏曲で、解りやすく楽しめるものでした。K386の方はロンドという雰囲気がより強く、K382よりも華麗な雰囲気のある曲でした。フィッシャーとフリッチャイの演奏は、ベートーヴェンよりリラックスした感じで、輪郭のはっきりしたモーツァルトの音楽が楽しめました。
【録音に関して】
アニー・フィッシャーのピアノの音は、とてもよく捉えられていると思います。オーケストラの音はちょっと固い感じがしました。
【まとめ】
ステレオ初期の名演奏の一つだと思います。この50年代末から60年代にかけての録音は、ステレオ録音がどんどん発展していった時代で、素晴らしい演奏の宝庫ですが、私はかつて廉価盤を購入することにより、この時期の録音を通じてたくさんの名曲を知ることになったので、それらの雰囲気が、今でもクラシックを聴くときの私の標準になっているかな?と思いました。
購入:2023/11/22、鑑賞:2023/11/24









