マーラー:交響曲第7番ホ短調 ロスバウト 南西ドイツ放送響 (1957) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

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学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

【CDについて】

作曲:マーラー

曲名:交響曲第7番ホ短調 (76:50)

演奏:ロスバウト指揮、南西ドイツ放送交響楽団

録音:1957年2月20日 バーデンバーデン(ライヴ)?

CD:PV702.1(レーベル:PHOENIX)

 

【曲と演奏について】

たくさん購入してしまったマーラーのCDの消費です(笑)。この録音データは、1957年2月20日のライヴとなっていますが、別音源で57年2月18-20日の放送用セッション録音というのがあって、それと同じではないのか?という風に思っているのですが、その別音源を聴いていないのでよく解りません。聴いた感じは放送用セッション録音というのが正解では?と思いました。少し前に出たSWRのシリーズでは、1958年2月18,20日となっているようですので、尚更混乱しています。ヒストリカルを聴く以上はそういった検証も必要かと思いつつ、それはさておきですね…。聴いてみます。

 

冒頭は、しっかりした入り方で期待が持てます。まだマーラーブーム前、というよりこの曲に関しては、まだ録音も演奏機会も数少ない時代の演奏ということを頭に置きつつ聴いてみます。切れのいい演奏で、中身が詰まった演奏という印象です。テンポは緩急がしっかり感じられ、早い部分は速めに感じつつ、緩徐部分が逆にゆったりと演奏されて、磨き込まれた音がとても美しく感じます。細部までよく見通された演奏で、曲も判りやすく、効果的でもあると思いました。

 

第二楽章に入るとゆったりとしたテンポが主になり、夜の歌という中に夜の茫漠とした雰囲気を感じました。第三楽章も同様な傾向で、早い部分はとても快活ですが、それを表情が濃い目の緩徐部分の演奏で、引き込んでいくような雰囲気を感じました。夜の怪しい雰囲気に包まれていきます。第四楽章も同様の傾向ですが、ここはいくぶんあっさりした感じがしました。そして、フィナーレの第五楽章に入ります。

 

第五楽章は普通にサラッと入って行った感じです。快調に出ますが、今までと同様メロディを歌う部分はテンポを落としていく感じです。全体的に統一されたニュアンスです。この曲の録音史においてはごく初期のものとは思いますが、予想以上にいい録音であったのと、細部までよく見通しよく表現された演奏で、演奏水準も高く、今聴いても全く遜色の無い、とてもいい演奏だと思いました。白眉は第二楽章から第四楽章までの夜の雰囲気でしょうか。そして、ラストは切れがよく盛り上がって全体が閉じられました。

 

【録音に関して】

音の広がりが今一つという印象派ありますが、この時期の録音として、大曲の音が余すところなく捉えられていて、かなり優秀な録音だと思いました。全体感もよく出ていて、細部も明瞭です。

 

【まとめ】

久しぶりのマーラーの第7番。今年に入って全く聞いていませんでしたので、感想もぶれているかとは思いますが、しっかり堪能しました。あまり感情過多にならないマーラーだとは思いますが、とても密度の高い良い演奏だと思います。

 

購入:2024/01/26、鑑賞:2024/04/25

 

リンクは今までの記事からマーラーの第7番を並べてみました。