今日は2週間ぶりの休みだったので、朝からブログってましたが、まだ時間があるので、おまけ...。


鞭打ちのことは前に書きましたがこ、こではもっと詳しくご紹介。

鞭打ちというと両手を縛られ天井から吊るされ、長~い鞭で背中を打たれるという光景をイメージするが、この国の鞭打ちは籐製の80cmほどの長さの鞭を使用する。打ち付ける場所もお尻のみ。そう聞くと意外と軽いのかな??と思うが、そうは問屋が..。


入所して、風呂というか体を洗っている時、周りの連中のお尻には幅3~4cm、長さ20~30cmくらいの線が2本3本4本...と残っている。そう、鞭打ちの跡である。自分は鞭打ちがないので興味津々。鞭打ちってどんなものなのかあれやこれやと聞いてみる。体質にもよるが、1発で九分九厘皮が裂け肉がえぐられる。罪状により回数は異なるが最高24回らしい。あまりの痛さとダメージにより、1回の鞭打ちでは6発までしか行わない(執行人のコントロールは良く、同じ場所を打たないようにしているが6発も打てば、打てるスペースが無くなるため、と、看守から聞いた)。と、いうことは、24回のやつは、6発受け、傷が癒えたらまた呼ばれ6発、これを4回繰り返す。気の弱いやつは3発くらいで失神するという。さらには、入所後、そのことばかり考えて、めそめそしているやつまでいる。また、会場では、打たれる前からわんわん泣き出すやつもいると言う。

余談だが、星の国のやつらで、特にやくざ系の連中は、ここで泣いたり悲鳴を上げれば格が下がってしまう。だから、絶対に声を出さず涙を堪えているそうだ。だが、打つ方は何とか悲鳴を上げさせようとさらに勢いをつけて叩き付けるという(悪循環)。


この鞭打ちが行われる日はCanning Dayと言い、該当者には朝食が出ない。先ず、朝食前に、部屋から出される。笑顔のやつは誰もいない(チョンコレンは別、あいつらはなーんにも分かっていない)。2列縦隊で前のInmateの右肩に手を乗せうつむき加減に足取りも重くぞろぞろと歩いていく。


さて、夕刻になると、彼らが帰ってくる。朝と同じようにぞろぞろと、が、少し様子がおかしい」。歩き方が少しぎこちない。そう、痛くてまともに歩けないのだ。しかも、お尻」から足首にかけて紫色の幾筋の染みが見える。受けた傷には紫色の薬が吹き付けられ、それが垂れているのだが、なんともおぞましい光景だ。まさにDeath Parade.(もちろん全員生還するが。)一度は刑期が短くなるなら鞭打ちの2、3発もいいかな?何て思ったけど、いや~鞭打ち無くて良かったよかった。


彼らの試練はまだ続く。傷口が乾ききるまで体を洗えない。でも、うつ伏せで尻だけ出して寝ている姿はなぜかクレヨンしんちゃんを思い出させる。実際に傷口を見たが、擦り傷程度ではなく、本当に肉がえぐられている。いやーすごいの一語。


例外もある、拘置所入所時、簡単な健康診断を受けるが、その際心臓が弱いと診断されると鞭打ちの回数は変わらないが、鞭でお尻を触る程度にしてくれる。

そういえば、何年か前に、星の国在住のアメリカ人の子供が、近所の駐車場の車にスプレーでいたずら書きし、鞭打ち刑の判決が出た。アメリカの大統領からも鞭打ちを回避するよう要請を受けたが、この国の政府は、それでは示しがつかないため執行したと話題になった。本当に鞭打ちされたのかな?たぶんソフトタッチだったと思うけど。


しかし、こんな思いをしても、再び星の国に不法滞在し、またまた鞭打ちを喰らっている連中がいるのには驚いた。


皆さん、間違っても、星の国では鞭打ちを喰らわないないよう気をつけましょう。






所内での服装は体操着のようなTシャツと短パンだが、ほかに支給されるものもある。

Tシャツ3枚、短パン3枚、塩化ビニール製蓋付きマグカップ、長さ10cmほどの歯ブラシ、歯磨き、固形石鹸2個(風呂用と洗濯用)、通常サイズのタオル、毛布、トイレットペーパー、ゴザである。ゴザは、1畳サイズで、夜は布団、日中は着替えと私物を入れて保管するために使用する。衣類、毛布とタオル以外は、入口横のPigeon Box(縦横奥行き20cmほどに仕切られた棚)に保管する。別に大したものは無いのだが、消費するものには注意が必要。特に歯磨き(市販の携帯ハンドクリームサイズほどの大きさ)で、毎月支給されるが、1ヶ月でぎりぎりの量。油断していると自分のを使用する輩がいるのだ。外に飽き足らず中でもそんな狡いことをするやつがいる。自分も何度かやられたので、歯磨きだけは、着替え等と一緒にゴザにくるんで保管することにした。後々その必要もなくなるのだが。


Pigeon Boxの話が出たところで、部屋の間取りもご紹介。縦5m横10m奥行き10mほどの広さ。定員はMax30名様。両サイドに高さ1.5mほどの高さの棚があるが、実は2段ベッドである。上段だけで両サイド合わせて10人以上は寝れるスペースが作られている。決して巧みな技ではないが狭いスペースをうまく使っているなーと感心。奥にはトイレ(便器3個)と蛇口の付いたコンクリート製の長方形の水がめ(深さ1m横幅2mほど)ここにためた水で体を洗い、トイレも流す。蛇口にはどこで仕入れたか支給されていないガーゼ地の布がつけてある。もちろん錆で赤茶色。連中も錆水には気を使うようだ。洗濯は各自、奥の洗面スペースで済ませる。2段ベッドの下が洗濯物を干せるように作られている。従って、下は湿気があるので、自分は最初から上段で寝ることにした(上段は木製の板が敷いててあるし)。部屋の掃除は1日1回、箒はないので床一面に水を撒き、古い毛布で拭き取る。拭き取った後は二人一組でゴザをもち大きな団扇代わりに風を起こして乾燥させる。意外ときれいになるものである。


週2回運動日があり、わずか15分ほどだが、外に出ることができる。大体5部屋くらいずつ中庭に集められ、団体で運動する。まあ、ラジオ体操のようなものだが、晴れた日は新鮮な空気と陽射ししを浴びてリフレッシュできる。体操専門のIC(二人)もおり、体操の先生のように全員の前で次から次へ結構しんどい運動を掛け声をかけながらこなしていく。各棟曜日がずれており、朝から夕刻まで、時間を振り分けているので、この二人、月曜~金曜日、一日中体操だけをしていることになる。さすがにかなりいい体をしている。一人はナイジェリア、もう一人はインディアだった。


体操と言えば、隣の女性収容所も同様に体操をする。敷地内で高いトタン板だけでしきられているだけなので、体操の時の掛け声が聞こえてくる。あちらは、全員で声を出すので、良く聞こえる。「ワン、ツー、スリーフォー...」。こういう状況で聞こえてくる彼女たちの声はあまりにも刺激的過ぎると思うのだが。


男、女、とくれば、オカマさん。一人、コンタイのオカマが収容されていたが、完全に孤立状態で、悪さもしてないのに、最初からPC Roomに収容されている。まあ、彼(彼女かな?)を一般の部屋に入れたらとんでもないことが起こることは目に見えているわけだから仕方ないかな。彼は、捕まったときには肩までほどの長髪だったらしいのだが、収容されて頭を丸める時には泣き叫び大暴れしたそうな。毎食を配膳するクッキーに色目を使って憂さ晴らししているそうである。

ちなみに、一般の部屋にも実はホモちゃんがいる。特にバングラに多く、絡みをすればすぐにPC送りなので、寄り添って寝たり、いつも隣あってくっついている。片方がほかの男と話しただけで嫉妬し、それがもとでよく喧嘩があった。当然、皆PC行き。


B棟では2週間すごしたが、どうもこの棟のクッキーICには好かれてなかったようで、彼の進言によりC棟へ移動となる。結局、最後までC棟で過ごすことになるが、この移動が、私の収容所生活を一変させるのだから、彼には感謝すべきであろう。何せ、私もC棟のクッキーICになったのであるから。


クッキーICの進言と書いたが、クッキーICは絶大なる力を持っている。Inmateの移動までできてしまう。看守と一緒に1棟を任されるのである。部屋の定員は30人となっているが、クッキールームは常に10~15人ほどで、快適になっている。これも、クッキーICがIInmateの振り分けを任されているからで、毎日、出て行く者がいれば、入ってくる者もおり、そのコントロールを任されている。看守部屋の横にクッキー控え室があり(鉄格子は付いているがいつも空いており、出入り自由)、そこには、支給品や、爪きり、かみそりなどを保管している。一般クッキーは勝手に触れないが、クッキーICはそれすら自由にできる。トイレも看守用のきれいな個室水洗トイレを使用できるし、何もすることがなければ、看守部屋で看守と談笑している(看守の愚痴を聞かされたり、今後の収容所のあり方や、改善策などを話したりもした)。看守部屋には、時計も扇風機も付いている。クッキーは食事面で優遇されており、食事の量はInmateの倍、毎朝のコーヒーもしくは紅茶は飲み放題。毎食付いてるバナナも、クッキーは一般的なサイズの黄色い皮の新鮮なバナナ2~3本だが、Inmateのそれは、サイズの小さいまだ皮が緑色のバナナ1本である。おかげで、出所時には10kg近く太ってしまった。お勤めして太って帰ってくるなんて何てやつだ!と、友人たちにはあきれられた。


C棟に移ってほどなく、自分はクッキーになり、1日を外で過ごすことになった。この棟の責任担当看守 Mr Goh(最後まで本当にお世話になりました)が抜擢してくれたのだが、 彼は私をニックネームで呼び、私にもMr Gohと呼ぶよう指示した。それがきっかけで、ほかの看守や、同所幹部全員私をニックネームで呼び、私も彼らを名前で呼べるようになった。ほかの連中が、看守や幹部を名前で呼べば、怒鳴られるか、最悪それだけでPC送りである。皆、大学出の日本人というだけで相当気を遣っていたようだ。星の国はかなり勉強が厳しいが、それでも国内の大学に行けるのは、一部のエリートで、そこから漏れた一部の金持ちの子供が海外留学する程度である。ここの職員の中でも大学出はトップ幹部の3~4人ほどで、看守は誰も大学など行っていない。当然、ここに収容されている連中は、大半が小学校すら行ってない、途上国の連中である。そのような環境の中では、大学出の日本人はかなり異質なのである。とにかく、大学出といて良かった、英語が話せて良かった、日本人で良かった...。
クッキーの仕事は、慣れるまではきつかったが、慣れてしまえば楽なものである。とにかく外に出れるだけで満足であった。

鉄格子、中と外では別世界なのだ。

初心者棟から移ったのはB棟。いよいよ本当の収容生活が始まる。入れられたのは1階入口の横の部屋。どの棟もこの角部屋はCookie Room(クッキールーム)とはと呼ばれている。クッキーとは、各棟の掃除、食事の配膳、その他雑務を担当する。毎朝起床後の点呼が終わると、夕食終了まで、外で働いている。収容される前に、星の国の友人からは、入ったら、すぐにこのクッキーを希望して働けば、1日が早く精神的に楽になるから、と教えられていたのである。実はこの友人のいとこがついこの間出所したらしく、いとこの方もクッキーをやって良かったと話していたそうだ。あらゆる看守や幹部たちに呼ばれて聴取されていたことは先に触れたが、その際必ず何か困ったことや希望を尋ねられたが、その都度自分はクッキーとして働きたいと希望し続けた。いずれ自分もクッキーになるのだが、その話はまた後日のお楽しみ。


部屋に入ると先住の連中が待ち受けている。既に、日本人が来るというニュースは伝わっており、皆興味津々の様子。Room ICはマイケル(ナイジェリア)。身長190cmくらの痩せ型でやたら手足が長い(もちろん真っ黒)。性格は温厚でやさしい。ほかは、マレー、インディア、チョンコレン、インドネシアとフィリピーノ(フィリピン人)。ただ、何かが違う。何か雰囲気が違う。そう、一人ひとりの雰囲気が違う。皆、妙に落ち着き、目つきが違う。拘置所からこのかた、周りにいたのは皆不法滞在の連中だった。要は軽犯罪程度の小物連中だった。が、この部屋の連中は、麻薬、傷害、ハッカー、殺人未遂などなど、個性のある連中ばかりであった。

う~ん、恐ろしい。それから、皆、なぜか筋肉質。外で肉体労働でもしてたの?それにしては、皆が皆アスリートみたいだ。実は、部屋の中でウェイトトレーニングをしているのである。それもかなりハードに。室内でのエクササイズは禁止されており、見つかればPC送りなのだが、長期収容の彼らには関係ないようで、看守の目を盗んではひたすらトレーニングに励んでいる。これもひとつの暇つぶしなのだろう。PCと言えば、一度PC送りを食らうと、刑期が1週間追加される。PCに行き過ぎて出所が3ヶ月が伸びたやつがいたことも付け加えておきましょう。

救いは、マイケルが気のやさしいやつだったことである。まだ差し入れもない自分には、暇つぶしのための本もなかったが、彼は自分の本を貸してくれたり、何かと冗談を言っては笑わせてくれた。外ではナイジェリアに会った」ことすらないのに中に入った途端初めてナイジェリアと知り合い、そいつらがやたらいいやつだった。それに引き換えボビーオレゴンは...。


この棟に入った初日、ある看守が、「日本語の本があるけどいるか?」と、尋ねてきた。それもやけに丁寧に、もちろん答えは「Yes,Sir! Sure Si.!r」前に入所していた日本人が残していった本があるので貸してくれるという。正直、英語の本、雑誌、新聞には飽きてきたところだった。いったいどんな本だろうか?雑誌かな?小説かな?などと思いを巡らす。ところが待てど暮らせど本が来ない。ほかの看守が通るたびに、この話をし、どうなっているのか尋ね続けた3日後、ようやく本が届いた。やったね!「Thank you sir!」 ん?!何だこりゃ?○口Tトなどが組み合わさった文字。韓国語じゃねーか。「Sir, These are Korean books sir. 」。

さらに2日後、ようやく、今度こそ本当に日本語の本が届く。 「日本の歴史」 「世界の歴史」 前任者は随分と真面目な方だったようだ。何はともあれ、これで当分時間が潰せる.....と、いうような感じで、収容所生活がはじまったのである。