一度だけやり直せます
ここは私の店。
黒いドアには、プレートがかかっている。
「一度だけやり直せます」
外から店の中は見えないし、
ドアを開けると真っ赤なシルクのドレープのカーテンが
いきなり視界をさえぎるので、ひやかし客はこれでひるんで入ってこない。
それでいいの。
ここは反省した人しか入れないのだから。
「あのー・・・。」
中年男性が立っている。
「はいどうぞ。こちらにおかけください。」
店内は2畳ほどの空間。
真っ赤なカーテンの中に黒い椅子が向かい合って2脚。
その片方に私が座っている。
中年男性はおどおどとためらいながら前に進む。
椅子に座ると何か言いかけたが、
私はそれをさえぎるように話し出す。
「ここは過去を悔いてやり直したいと願う人が来るところ。
人生のうちでたった一度しかやり直しが出来ません。
あなたが過去に戻り傷つけた相手の心を修復する、
もしくは傷つけないように回避するなど
あなた自身がやり直すことが出来ます。
傷ついた側がその過去をなかったことにするのではなく
あくまでも『傷つけた側』が心から悔いて
相手を思いやれた時にしか実現しません。
当然あなたの反省度合いに不足があれば
過去に行く権利はありません。
過去に行く権利のチャレンジに失敗しても、
過去に行っても、もう2度目のチャンスはありません。
よろしいですか?」
中年男性はぎゅっと口を結び
まっすぐにこちらを向いてうなずいている。
「結構です。それではこちらへ」
私の隣の黒いドアを開けて中に入るように促す。
そこには昔の薬箪笥のように細かい引き出しのたくさんある棚が
3面取り囲み、ドアの隣の壁側には
これも同じような引き出しがたくさんついたローチェストがある。
その上には大きな鏡。
鏡の前の椅子に中年男性を座らせる。
「ここにあなたが相手を傷つけた『凶器』があるわ。
もちろんあなたは相手を『言葉』で傷つけた。
でも時には言葉はどんな武器にも劣らない『凶器』になるのは
あなたもわかっているわね?」
中年男性は一層口を固く結びうなずく。
「あなたが本当に反省しているなら
一度でその『凶器』をこの部屋の引き出しから引き当てられるわ。
それに失敗したら、もう過去へは行けない。
一生をかけて悔いるがいいわ。
さぁ、『凶器』はどこ?」
中年男性はためらわず目の前の引き出しを開ける。
そこにはハンマー。
「そうね。あなたは相手に言ってはいけない一言で
渾身の力を込めて一撃で相手の心を砕いてしまった。
どんなに相手は辛かったでしょうね。
あなたはラッキーだわ。
こんなにひどいダメージを与えても
相手はものすごい努力をして現在も生きている。
どんなに反省しても相手が亡くなっていたら
過去に戻ってやり直しも出来ないのよ。
やり直しは出来てもあなたの罪は消えない。
そのハンマーは持ち帰りなさい。
その罪を忘れないために。」
私は中年男性の後ろから
鏡越しにそう語りかけた。
「さぁ、過去へ行きなさい。」
中年男性は鏡の中だけにその姿があった。
・・・・・wake up・・・・・
久しぶりに夢見ました~。
ここのところあまり見なかったんですけど
なかなか面白かったので続きが見たいです。
どうする?
のどかな田園風景。
左には川幅の広い、浅い穏やかな流れ。
右にはすすきの向こうに田んぼや畑が広がるのが見える。
ここは土手の上。
何もない砂利道がまっすぐのびている。
「あ~気持ちいいな。」
初秋の爽やかな風が私の髪をなびかせる。
この道をすすんで体育館に行こうと思っている。
初めて来た町。
広報でこの情報見て良かったな。
通うの楽しみになりそう。
「シュッ!!」
「え?」
パシッ!!
鋭く空を切る音と、ショルダーバッグが切れた衝撃で
私は土手のすすきの中に飛ばされた。
顔を上げると土手の上から白に赤のラインの入った
オフロードのバイクに乗った男が見ている。
手にはナイフ。
黒いヘルメットの奥から見えるその目は冷たい。
怖い。
すすきの斜面をそのまま転げ落ちるように逃げた。
いくらオフロードのバイクでも、こんなに伸びたすすきの中は走れまい。
誰か助けて!
でも民家も人の姿もない。
バイクで追われないよう、木立の中に紛れ込み
少し行くと3軒の民家が見えた。
「助かった!」
そのうちの1軒、下が茶色のブリキのような壁で上が白のしっくい
屋根がエンジのいかにも昭和な感じの家の玄関が開いてて
網戸のドアが付いていた。
これなら中に人がいるはず。
私はその家に飛び込んだ。
「すいません!どなたかいらっしゃいますか!!」
私は叫んだ後、ぎょっとした。
玄関の中の下駄箱の上に飾られていた写真。
白に赤のバイク、黒のヘルメットを小脇に抱えた男の写真。
・・・ここは犯人の家だ!!
しまった!と思った時、奥からおばあさんとおじいさんが出てきた。
さっきの私のただならぬ声に心配して来た様子。
「どうかされましたか?」
「ええ・・・。あの・・・。」
私は言いよどむ。
警察を呼んでもらいたかったが、ここは犯人の家だ。
さっきまでは正体のわからないただの通り魔だったが
私は犯人の家を知ってしまった。
これはかなり危険なことじゃないの・・・?
警察を呼ぶか、迎えを呼ぶか、
でもどちらにしても私が犯人の身元を知ってしまうことに変わりはない。
どうしたらいいの?
「あら!あなたそのバッグどうしたの?切られたの?
それに服もドロドロだし、あちこちすりむいてるじゃない!
大丈夫?転んだの?事件?」
人の良さそうなおばあさんは心配そうに私の顔を覗き込む。
「いえ、あの・・・。」
「・・・警察沙汰にはしたくないんです・・・」
ぼそぼそと私は言った。
「家に帰りたいんです。タクシー呼ぼうにも場所がわからなくて・・・。
タクシー呼んでもらえませんか?」
「タクシー?お困りならうちの息子に送らせるわよ。」
おばあさんが言う。隣でおじいさんもうんうんと頷いてる。
「いえいえいえ!!そこまでご迷惑をおかけできませんし遠いので
タクシーを・・・お願いします・・・」
犯人と同じ車でなんかいられるもんか!!
ああ、どうすればいいの?
・・・・・wake up・・・・・
また逃げる夢を見てしまった・・・。
1ヶ月くらい前は不眠症で眠剤飲んでたり
最近は忙しくて爆睡だったり、
夢をあまり見ない生活でした。
なのにね~久々に見たのがこんななんて~はぁ・・・。
ゲーム
「ゲームに参加しませんか?
いわゆる『鬼ごっこ』です。
鬼はロジャー。人間です。特徴は申し上げられません。
ルールは簡単。
今日から100日間、ロジャーに捕まらなければ
あなたの勝ちです。莫大な財産が手に入ります。
ロジャーに捕まれば、どうなるかですか?
それは死の苦しみを味わいます。
実際に死んでしまうわけでも、ケガを負う訳でもありませんが
同等の苦痛を感じることでしょう。
それではあまりにも不利だと思われますか?
いえいえ、そんなことはありません。
ただ逃げればいいだけですし、
わずか100日で一生遊んで暮らせる金が手に入るんですよ。
それではもっと詳しくルールを説明します。
このゲームでは各都道府県内に1人ずつロジャーがいます。
プレイヤーもロジャーも、行動範囲はその1つの県内です。
例えばあなたが埼玉県内で参加する場合は、
埼玉県内に留まってもらいますが、
都内に行かなくては行けない場合、
都内に入ってから1時間以内に都庁に行って下さい。
都庁がリセット場所となり、あなたは都内のロジャーから逃げることになります。
都内に入って1時間を経過し、
都庁にたどり着けなかった場合もゲームオーバーです。
同様にその他の県などに行く場合は都道府県庁所在地がリセット地点。
1時間以上他の都道府県に滞在する場合は、そこに必ず行って下さい。
リセットはあくまでも場所の変更に過ぎません。
日数は継続して考えられますので、ご心配なく。
そしてロジャーは退治することが出来ます。
この銃を使用してください。
弾は1ダース差し上げます。
リボルバーには6発しか入りません。
ですが、ロジャーには7発撃ち込まないと退治できません。
もちろんあなたがロジャーと間違えて一般人を撃った場合
現行の法律で裁かれます。
当方は一切の弁護をいたしません。
そして退治されたロジャーもまた各都道府県庁から再スタートします。
ロジャーは皆さんが移動した分しか動けません。
例えば都内で100名のプレイヤーが全員1歩動いたら、
ロジャーは100歩動けます。
プレイヤーの人数が多くてもリスクはある、ということです。
どうしますか?参加されますか?」
・・・・・wake up・・・・・
あぁ、また得体の知れない夢を見てしまった~!
エレベーター
私は普通のOL。
グレーのベストにグレーのタイトスカート。
ごくごくありふれた制服を着て事務をしている。
課長が私のところに来て
「おい、キミ。
今日出荷があるから、5階の倉庫から1階に荷物を下ろしてくれないか?
隣の彼と組んでやってくれ。
集荷は1時間後だから、急いでくれ」
「はい。わかりました」
私は隣にいたA君に
「私は5階に行くから、1階でエレベーターから荷物降ろしてくれる?」
「いいですよ」
階段で5階まで上がった。
うちの会社のエレベーターは「荷物専用」。
なぜか人は乗ってはいけないと言われている。
理由は知らないけど。
「あ~あっつい!」
制服のブラウスの袖を肘までまくり、
肩までの髪を後ろで一つに縛り、
「さて、やるか!」
段ボールの箱と格闘しながら
台車に乗せて満載になったら1階のボタンを押す。
エレベーターが戻ってくるまで、箱を寄せてきたり、
周りの掃除をしたりしていた。
「あの~。」
隣の課の人達が数人倉庫に入って来た。
「エレベーター、まだまだかかります?」
「すいません、出荷があるんで・・・。あと30分後の出荷にギリギリくらいです」
「えー!うちの課、これから飲み会なんだよね。
残業したくないんだけどさぁ。どうにかなんない?」
「すいません、急ぎますけど・・・。まだこんなにあるんです」
「なら階段でも運べばいいじゃん!」
「でも、下で降ろしてくれてるんで、階段使うと余計にタイムロスが・・・。」
エレベーターが上がってきて、また荷物を詰めながら答える。
「ならエレベーターで降りちゃえよ!」
ぐいっと段ボールごとエレベーターに押し込まれて、扉が閉まる。
「やだ~も~!はははは~」
扉の向こうで笑い声が聞こえる。
ウィーン・・・。
エレベーターが動き始めた。
エレベーター内は電気が点いてなくて暗い。
真っ暗だ。
場面変わって、ここはグランドハイアット東京。
私は淡いピンクに近い赤紫のシフォンのワンピースを着ている。
ゴールドのチェーンのストラップで、ベアトップ。
膝上丈のドレープの利いたドレス。
「あぁ、髪もこんなに伸びちゃって・・・。」
後ろを見るとスカート丈と同じくらいの長さがある。
今日は海外青年協力隊の壮行会がある。
私も明日からその一員として出発する。
華やかなパーティーは、あっと言う間に終わり、
帰宅すると、父が怒っていた。
「お前をそんな治安も衛生も良くないところになんか
絶対に行かせないぞ!!俺は許さん!!
お、お・・れは・・・」
バタツ!!
父が倒れた。
うちの父は心臓が悪い。
慌てて救急車を呼び、病院に担ぎ込んだ。
「とりあえずは大丈夫ですよ。
意識は回復しました。でも興奮させないで下さいね。
一帯何でこんなに興奮しちゃったんですか?
またこんなことがあると命に関わりますよ」
「ちょっとケンカしまして・・・。」
医師に呼ばれて、そう答えた。
あぁ、やっぱり私は父を置いて行けないな・・・。
もう外に出ると夜が明けている。
母と2人で病院を出た足でNPO本部に向かった。
「申し訳ありません。
父が危篤で、今回参加することが出来なくなってしまいました。
こんな当日になってから、こう言うのは本当に申し訳ないのですが・・・。」
「いいですよ。
政府のチャーター機で行きますから経費が無駄になるわけでもないし
あなた1人が減ったくらいでは別に。」
呆れた顔した事務官が、あっさりと言い放った。
「申し訳ありませんでした」
それでも母と2人、頭を下げて謝った。
NPOの入っているビルを出て、空を見ると雲一つない晴天。
そこに屋上へリポートから飛び立つ大型ヘリ。
「私もあれに乗って行くはずだったんだね・・・」
涙が出た。
「きゃー!!」
悲鳴。
見るとヘリが隣のビルにぶつかりそうになり、
急旋回していた。
「危ない!!」
急旋回したヘリはバランスを失い、他のビルに墜落した。
「逃げて!!」
隣にいる母は腰が抜けている。
でも炎やビルの瓦礫などがバラバラ落ちてくる。
このままここにいたら、2人とも死ぬ。
母に覆いかぶさりながら、
「逃げましょう!歩いて!!」
叫ぶ私。
「ねぇ!ねぇ!!動いてくれないと本当に危ないのよ!
しっかりして!!」
暗転。
「チーン」
明るくなる。
エレベーターの扉が開いたのだ。
「あぁっ!!」
隣の課の人達が、びっくりしている。
まるで幽霊でも見たかのように。
「あなた・・・!!
あなたヘリの事故で死んだんじゃなかったの!!」
赤紫のシフォンのドレスを着た、
髪の長い私が荷物エレベーターに乗っていた。
・・・・・wake up・・・・・
久々に見ましたね。変な夢。
最近気づいたんですが、基本的に逃げる夢が多いような。
生活的には別に追い詰められてないんですけどね~(笑)
・・・あ、阪神が最下位になったからか?(爆)
住所教えられません
俺は大型酒販店で働いている。
給料は安いが、なかなかいい。
何がいいって?
隠れるところがいっぱいあるところさ。
「お疲れっす!」
今日も仕事が終わる。
俺は家に帰るフリをする。
「○○さん!たまには飲みに行きませんか?」
「いや~悪いね。今日はやめとくよ」
「いつも付き合い悪いな~!そんなに奥さん美人なのかぁ~!?」
「はははは」
同僚と繰り返されるいつもの会話。
ここは酒販店だけあって酒好きが多い。
俺はいつも飲み会を断る、付き合いの悪いヤツだ。
なぜって?
俺は今この店で寝泊りしているから、
鍵が閉められる前に店に潜んでいないとダメだからさ。
店の奥のパレット置き場の一番上で
ごろりと横になりながら、人がいなくなるのを待つ。
「やれやれ、やっとみんな帰ったか」
俺は店内を歩き、1本の缶ビール、1本のウーロン茶
乾き物1袋と冷凍食品のやきそばを取り出した。
「あ~やっぱ発泡酒よりビールの方がうまいな~」
ささやかな酒宴。
万引きと思われるくらいの少量で済ませるのが
この生活をバレずに送る秘訣だ。
こんな生活をしだして数年が経つ。
最初は終電乗り遅れだった。
でも誰にもここに泊まっていたとは気づかれなかったし、
服装はいつも会社の作業着だから怪しまれもしない。
これでも会社の役に立ってることもある。
泥棒や横領の気配がすると、会社にしつこく電話したり
大きな物音を立てて阻止したりもしてるんだ。
だって事件が起きたら、疑われるのは俺だろう?
この生活は、なかなか快適なんだよ。
・・・・・wake up・・・・・
私、ほぼ下戸です(笑)
しかも♀です!
なのに男で、こんな内容・・・?
前世なのかしら~?
だとしたらロクなヤツじゃないな(苦笑)
写真の中の・・・後編
広島から帰り、いつも通りの日々が戻ってきた。
毎日カレーを仕込み、お客さんが来てくれての
お店中心の毎日。
1週間休んだ後の客足とかが心配だったけど
変わらず戻ってきてくれて一安心。
ちょっと怠けていた身体に少々キツさを感じながらも
お店って楽しいな~と改めて思った。
ある日のこと。
「あら、いらっしゃい!」
広島の叔母達がお店に来てくれた。
「先日はどうも」と言いつつも、叔母の目は笑っていない。
他の人もどこか不審な態度で、よそよそしい。
「来年、結婚するって聞いたんだけど、
式は田舎でやるの?」
カレーを半分食べ終わったところでスプーンを置いた叔母が
私にそう聞いてきた。
「はい。喪が明けたら、そのつもりですが
みなさん何かご都合でも悪いですか・・・?」
「・・・別に何も・・・。そう・・・。」
叔母は目をそらして言う。
「カレーお口に合いませんでしたか?」
私が聞くと叔母はあわてて
「う、ううん、そうじゃないのよ。最近胃の調子が悪くて。
おいしいんだけど、あまり量が食べられないの」
コップの水を1口飲んでやはり目をそらす叔母。
「そうなんですか。お大事になさってくださいね」
まだお店が混んでる時間なので、
軽く会釈して私はその場を離れた。
それからも広島の親戚が数人
入れ替わり、立ち代りやってきた。
みんな一様に何かよそよそしい。
「私、親戚の人達に嫌われちゃってるのかな・・・?」
ある日彼に胸に溜まったもやもや感をぶつけてみた。
「そんな事はないだろう。
でも俺にもなんだか他人行儀なんだよな。
なんでだろ?」
彼も何かみんなの態度がひっかかるようだ。
そしてまた数ヶ月経ち、年が明け、
あと数日で結婚式となった時に、叔母が訪ねてきた。
ものすごく数ヶ月の間に痩せた叔母。
この前言ってた胃の痛みはそんなにひどかったのかしら?
こっちで病院でも紹介してあげれば良かったかな・・・。
私がそんなことを考えていると、叔母は泣き出した。
「どうしたんですか?どこか痛むんですか?」
近寄った私の手を握り
「違うのよ・・・違うのよ・・・ごめんなさいね・・・
ごめんなさい・・・」
叔母はただただすすり泣くだけだった。
結局何も話をしないまま叔父が迎えに来て帰って行った。
「叔母さん、何が言いたかったのかな?
何かあったのかな?」
彼も首をかしげる。
「悪い病気とかで余命宣告受けたとか・・・」
「いやね!縁起でもない!そんなことないわよ!」
私は否定したけど、そうなのかな・・・とも思ってしまった。
それくらい叔母は生気の無い顔をしていたのだ。
そして迎えた結婚式当日、
空は青く、田舎の空の青は本当にキレイな青だった。
式の前から泣いている親族がいる。
叔母も泣いている。早くない?
そんなにみんなが感激するほど、私達何か感動的なこと言った?
普段オシャレしないから、化けた私に感激したのかしら?
とかのんきなことを考えていた。
式はスムーズに進行し、披露宴となった。
乾杯の挨拶を叔父がしようとした時だった。
「もう・・・もう止めましょう!!黙っていられないわ。
この人達がいなくなるなんて、耐えられない!!」
叔母が泣き叫んだ。
周りの人も一斉に泣き出す。
なんなの?これは??
「・・・ごめんなさい。この地方には言い伝えがあって
20年に一度、結婚したカップルが神隠しにあうの。
・・・今年が実はその年で、だから誰もここの人たちは結婚しないの。
でも誰も結婚しないと無作為に1組が突然いなくなるのよ・・・。
・・・だから、だから言えなくて・・・ごめんなさい」
そんな事ってありえるの?
あまりの衝撃の告白に私と彼は絶句。
披露宴の会場ですすり泣く声だけが聞こえる。
こんなのってアリ?
今から披露宴止めてもどうにもならないの?
彼の顔を救いを求めて見つめる。
彼は呆気にとられた顔から次第に怒りに変わり
「そんな!どうなってるんだ!!今までそんな話聞いたこと無いぞ!!ウソだろ!?」
「・・・いいえ、嘘じゃないのよ。
この前のおばあちゃんの葬儀の時の写真、見せてあげるわ」
叔母が写真を持ってきた。
「あ、見つかったんですね」
こんな時に間の抜けた発言をしてしまう私。
「ごめんなさい。わざと隠していたの。
見せられなかった理由があったの・・・」
叔母は写真を指差す。
「この人知ってる?」
おばあちゃんの棺のそばに立って写っている人は、
先日彼が知らないと言っていた人だ。
「・・・いや」
彼は不信感と怒りを隠さずに答える。
「この人は私の弟よ。あなたの叔父に当るわ。
今から40年前神隠しに遭った・・・」
「こっちに写っているのはあなたの従姉妹。
やっぱり20年前にいなくなったのよ・・・」
別な写真を指差す。
「どこかで迷っているのか、時々こうして写真に写りこむの。
でもどこにもいない。実際には存在していない・・・」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺達はどうなるんだ!!
いつ消えちまうんだ!誰か何か教えてくれ!」
彼は一人一人親族に向かって問いかける。
「おい!俺達はどうなるんだ!!」
誰も目を合わせない。
「誰か助けてくれよ!!」
彼の叫びはいつしか泣き声に近くなっている。
「もういいよ」
私は静かに彼に近づいて言った。
彼も泣いている。
「私はあなたと一緒にいられるなら、どこでもいいわ。
もうそうなる運命なんでしょ?」
彼の背中をなでる。
小さい声で彼がごめんと声にならない声で言っているのがわかる。
「いいのよ。ずっと一緒にいましょう」
「今日ご列席いただいた皆様。ありがとうございます。
私達は今までのみなさまのご恩をお返し出来ないかもしれません。
でも、私達はみなさまを恨んだりはしません。
だから私達の事を忘れないで下さいね」
泣いて泣いて泣き過ぎて、目の前が見えなくなった時、
周りの人達が忽然と消えた。
「・・・誰もいない・・・」
私がそうつぶやくと、彼が顔を上げた。
「・・・!!」
会場にいるのに、周りの人だけがいない。
隣の部屋も廊下もいない。
「神隠しってこういうこと・・・?」
探し回っても誰もいない。
とにかく動きにくいから、服を着替えようと更衣室に行った。
「・・・あ!!」更衣室の鏡には人が映っている。
誰もいないのに?
彼を呼びに行こうと思ったら、ドアを開けたら彼がいた。
「鏡には・・・人が・・・!」
彼も気づいたらしく、急いで走って私に知らせようとして
息が切れているのと、説明できない状況に言葉が途切れる。
どうやら私達が消えたのだ。
鏡の中に。
向こうには見えていないみたいだけど。
「あ~いたいた」
のんきな声がする。
「!!あなたは・・・!」
さっきの写真に写っていた叔父さんだ。
「今年は来る年だからと見てたんだよ。
みんなも待ってるから着替えておいで」
「あの・・・でもっ・・・!」
「いやいや説明すると長くなるから、
まぁまず着替えてからにしようや」
「はぁ・・・」
私と彼はそれぞれ更衣室に戻って着替えた。
「私が誰かは向こうで聞いてきたね?
40年前にこっちに来たから初対面だもんなぁ~」
叔父さんが愉快そうに話す。
「こっちの世界は『神隠し』なんちゅう怖い世界とは
すこぉし訳が違うんだよ。なんつったかの~平行世界とか言ったかなぁ」
パラレルワールド!
SF小説では出てくるけど、そんなもん本当に実在するの??
町の様子は確かに今まで見ていた景色のまま。
違いと言えば、人が少ないくらい。
「ここの世界は言わば『ノアの箱舟』みたいなもんなんだよ。
向こうの世界が環境破壊だの、地震だのと
絶滅の恐れがあるらしい。
その時のために神様か誰かがこっちの世界を作ったらしいんだよ。
詳しいことはわからないけどな。
でもここはいいぞ。みんな親切で穏やかだ。
自然災害が向こうの世界であっても、こっちではない。
人間が少ないけど、争いもないし、さびしいこともないぞ。
向こうの世界の様子も見られるしな」
・・・・・wake up・・・・・
久々に続き物の夢を見ました。
相変わらず、何でこんな夢を見るのか理由がわかりません(苦笑)
写真の中の・・・前編
私は彼とカレー屋をやっている。
普通の店舗ではなく、アンティークな感じの古いバスで、
ウイング車のように片側が開くオープンカフェ調なお店。
内装はべージュで丸い木のテーブルに白いラブソファ。
開いている外を向いて食べるお店。
他にアルバイトの男の子1人と3人でやっている。
今日もランチが終わり一段落。
「そろそろ結婚しない?」
お皿を洗いながら彼がそう言った。
「田舎の広島でやりたいんだよね。式。
おばあちゃんがもう年だからさぁ」
手を休めずに彼はそう続けた。
「広島。いいね。まず挨拶にいかなくちゃね」
私もお皿を拭きながら答える。
「あ~じゃあ少しお店休みになるんすね。
たまにはどっか遊びに行くかな~」
バイトの子もテーブル拭きながら言った。
「ごめんね~すぐ帰ってくるからヨロシクね!」
「いや、いいっすよ!この仕事仕込みもあるし
あんまり休めないんだから、いい機会ですよ。
思い切って少し休んだ方がいいっすよ」
「ははは・・・。確かにね。ありがとう。
それじゃあ1週間休んじゃおうかな」
こうして決めた休みは残念ながら
おばあちゃんの葬儀になってしまった。
「もう少し早く結婚決めれば良かったね・・・」
火葬場に細く立ち昇る煙を見ながら
私はぽつりと言った。
彼は無言だった。
お清めの席から帰る途中彼が遠くに浮かぶ細い三日月を見ながら
「来年、来年喪が明けたら、広島で結婚式しよう。
それまで待てるか?」
さびしそうな声で言った。
「もちろん。当たり前でしょ。」
私は彼の手を握り締め、田舎の暗い道を歩いた。
田舎にいる間、普段会えない彼の親戚に大勢会った。
叔父さん叔母さん、従兄弟達。
いっぺんに名前を覚えられないので、
携帯で写真を撮った。
あとでちゃんと覚えないとな~くらいな気持ちだったけど
私が写真を撮っているのを見て
親戚が集まるのはめずらしいからと
みんなで集合写真を撮ることになった。
ぱしゃり。
数枚の記念写真を撮って、
あとはスナップ写真を何枚か撮った。
帰る日になり、叔母が写真を探していた。
「集合写真はどうなったかしら?」
高校生の姪は
「え~?この辺にあったはずだけどぉ~?」
めんどくさそうに探すフリをしている。
「無くなっちゃったんですか?」
私が尋ねると
「そうなのよぉ!困ったわぁ」叔母が探し続けている。
「私、携帯で撮ったのがありますけど。
これでプリントアウトします?画質はあんまり良くないですが・・・」
「あぁ!助かるわぁ~。貸してくれる?」
ぱっと顔を輝かせている。
私は携帯のミニSDを渡すと、にっこり笑って
「すぐ返すわね!」と叔母は去って行った。
「おーい!飛行機に乗り遅れるぞ!」
彼が叫んでる。
いけない!時間忘れてた。
慌てて荷物を持った。
姪に
「叔母さんに挨拶できないまま帰っちゃってごめんなさいって
言っておいてくれる?
今度東京に遊びに来てね!」
とあわただしく言い残して広島をあとにした。
帰りの飛行機の中で、ミニSDを置いてきたことに気づいた。
でも数枚携帯に写真が残っていたので、
彼に見せた。
「これは誰かしら?」
携帯を覗き込んだ彼は困惑した顔をしている。
「え?誰だろう?近所の人かなぁ?
知らない顔だよ」
「でもこの時親族しかいなかったよね?」
「そうだよなぁ・・・。でもわかんないんだよ。
お袋兄弟多いからなぁ~」
この時はこの写真が意味することも
叔母がわざとミニSDを取ったことも
私たちは気づいていなかった。
・・・・・wake up・・・・・
この夢は4月7日に見て、
久しぶりに変な夢みたな~と思ったんですよ。
まさか翌日の4月8日に続きを見るとは思わなかったです~。
離婚
ご飯を食べ終わってテレビを見ていると
テレビの感想を言うみたいにそっけなく、だんなが言った。
「もう一緒に暮らせないな」
・・・・・
「えっ?」
あまりにも自然につぶやいたので、
一瞬聞き流すところだった。
「他に好きな子がいるんだよ」
「は?」
表情一つ変えずにだんなが淡々と話す。
私はただただ驚くだけだ。
「なんで?」
「どうして?」
「いつから?」
一気に質問をまくしたてる私。
「ん~。なんとなく」
答えにならないだんな。
呆然とする私に、
「じゃあ、そういうことで」
と立ち上がって出て行こうとするだんな。
「待って!どこ行くの?」
「行かないで!!」
「ん~でももうダメなんだよね」
どうしてこうなったんだろう?
なんで夫は他に行ってしまうのだろう?
いつから他の人に心を動かされていたのだろう?
驚き過ぎて涙も出ない。
・・・・・wake up・・・・・
別にケンカもしてないし、仲もいいんですが、
なぜかこんな夢を見てしまい、朝からテンションダウンです(苦笑)
逃げた♂のことが気にかかっているから
こんな夢見たのかな・・・。
あ、逃げた♂は「猫」ですけどね(笑)
別れ話を切り出された時、
私は「質問型」らしいですねぇ(笑)
「相手を怒る派」とか「自分を悔やむ派」とかいろいろあると思いますが
みなさんはどのタイプでしょう?
未来の中の過去の記憶
ここは宇宙ステーション。
窓の外には銀河が見える。
白いリノリウムの壁・天井・床。
家具も機材も何もない。
私の他には男の人と女の人が1人ずつ。
何も語らず、その場に立っているけれど
居心地は悪くない。
突然照明が消える。
あたりは窓から見える星の明かりだけ。
そして無数の文字が部屋全体に浮かび上がる。
日本語・英語・フランス語・ドイツ語・・・
ありとあらゆる言語で同じ文章が書いてある。
ブラックライトで照らされて浮かび上がったような
その文章は
「戦え!戦え!戦え!
あの闘いを忘れるな。
聖なる夜を忘れるな」
私の脳裏に瞬間的に大草原が浮かぶ。
馬に乗っている。
服装はギリシャ神話に出てきそうな白い柔らかな布の服。
行かなくては。
あの平原に。
・・・・・wake up・・・・・
これは続きを見たいんですが、
なぜか見られません(涙)
最近「過去退行催眠」がめちゃめちゃ気になります。
私の前世が見せている夢なのかなぁと思って。
いつかいい催眠術者をみつけて、受けてみたいです~。
逃げろ!
御成門の駅のそば、
新しい東京プリンスのタワーのホテルの裏の
公園の横の道を歩いていた。
都心なのにこの公園は木が多く、
山のような感じになっていて
隣を走る道の交通量さえ見なければ
田舎のような景色。
車は多いのに人通りが少ないので
何となくそれが嫌でタクシーに乗ろうと手を上げた。
程無く中央無線のタクシーが停まる。
後ろのドアが開くと男が降りて来て
私を助手席に押し込んだ。
走り出すタクシー。
ルームミラー越しに見ると後ろに男は2人。
チンピラ風だ。
運転手もヤバそうなタイプ。
しまった!拉致された!
信号で停まった時に逃げようとしても
助手席にチャイルドロックがかかってるのか
中からは開けられない。
男達はにやにやしているだけだ。
怖い。どうやって逃げよう?
男のうちの1人が途中で降り
「また後でな」ともう一人の残った男に声をかけ、
気持ち悪い笑いを浮かべた顔でこちらを見ていた。
一人減れば逃げられるかも・・・。
必死に逃げる方法を考えていると、強い衝撃!
ファミリーマートの駐車場から飛び出してきたベンツと
衝突していた。
運転手が怒鳴って降りる。
「テメェ、どこ見て走ってんだよ!」
相手のベンツからもヤクザ風な男が降りる。
「タクシーごときが偉そうに走ってんじゃねぇよ!」
コンビニにベンツ男の仲間がいたようで加勢する。
タクシーを運転していた男が殴られてる。
それを見て後ろに乗っていた男も
「ふざけんな!コラ!」
叫びながら降りた。
チャンスだ。逃げろ!
運転席に移りドアを開け
私は走り出した。
男達はまだ殴りあいのケンカをしている。
中央無線・21167
車体に書いてあるタクシー番号を見て
私は逃げた。
・・・・・wake up・・・・・
いや~怖かったです。
本当に中央無線のタクシーにそんな番号の車があっても
この話はあくまでも「夢」ですからね~。
でも私はきっと乗りませんが(苦笑)