にゃんこと見る夢 -2ページ目

サスペンス ~続編 ⑥~

何で宮城に向かうのに新幹線じゃなくて

一回伊丹まで出てから乗り換えて仙台に行くなんて

そんなお金も時間もかかるルートを選択したのか

疑問に思う人も多いだろう。


最近の新幹線、物騒な事件多いでしょ?

ナイフで脅されてトイレに監禁とか。

飛行機は一応セキュリティチェックしてくれるから

長時間の移動にはこちらを使うのだ。


アタシも一応武器を携帯したまま乗ってるし

必ずしも安全な訳ではないけど

危険は少しでも排除しておいた方がいい。


今日のアタシの服装は

そこら辺で売っている安物の黒のスーツ

何てことない白のブラウス。

髪は黒のショートボブ。

顔はほぼすっぴん。

とりあえずこれくらいがみんなのイメージかと。


空港から電車を乗り継いで

羽田影樹の遺体を確認した警察署に向かった。




「公安庁・公安調査官 迫田真美です。

羽田影樹の資料開示をお願いします。」

そう、私は公安調査官。

氏名などの偽装は調査の為。

この迫田真美さえ偽名だ。

公安調査官は同僚でさえお互いの素性を知らない。


公安庁は法務省に属する。

だからそのトップの星があれこれ調べれば

当然私の正体はわかるはずだろう。

でも一調査官のアタシにそこまでの労力を使うかは疑問だ。

調査官同士でも調べられないのだから

大臣だって調べるにはそれ相当の手間がかかるからだ。


アタシが長年追ってきた男、羽田影樹。

こいつはテロリストだ。

こいつの特徴は自分で手を出さず、確実にターゲットを仕留める。

身代金を要求し資金を稼ぎ、応じない者や会社などには

たいていは不慮の自然死か事故死が起こる。

自分では実行しないし

下っ端にはまるで存在を知らせていないので

実行犯が捕まっても一切足がつかない。

潤沢な財産を持ち、社交界にも顔が利く。

大物の知り合いが多くうかつに手が出せなかった。

それは裏の顔。


表向きにはケチなジジイで人付き合いがないように装ってた。

社交界の時の身なりとはまるで別人。

アタシは人のこと言えないけどね。


そんな男が宮城の山中で、一人で死んだんだ。

あるドデカイことしでかして

その金も徴収しないまま死んだんだ。


羽田は赤坂の議員宿舎の建設の時、

基礎に爆弾を山ほど仕込んでいやがった。

国会に脅しをかけ、60兆円もの大金を要求した。

議員達は怒り、議員宿舎の調査をしようとしたのだが

その調査員は全員PRSPという抗生物質の効かない肺炎になり

5名が死亡した。

その後また脅迫は続き、爆弾は遠隔操作が出来ること

無理に取り除こうとすると爆発することも明かされた。

そして支払われなかった場合、咳に注意しろとも・・・。


議員たちは怯え、世間の風評を煽り

「赤坂の議員宿舎は違法。贅沢すぎる」の訴えに乗り

「ここには入居しません」と言う大義名分をつけた。


その羽田がなぜ宮城で死んだんだ?

しかも自分が普段やりそうな手口で。


婦人警官から渡された資料に目を通す。

死因は土砂流出に巻き込まれたため肺に泥が入り窒息死。

土砂に埋もれる際に付いた小傷は全身に見られるが

特に不審な外傷なし。

身元引受人は甥。

・・・東弥一!!そんなバカな!

アタシが散々調べたってそんな身内はいなかった。

弥一が甥のはずがない!

立会いに警視庁の鍵屋まで!!


ようやく今回の事件の真相が見え始めた。





サスペンス ~続編 ⑤~

「深草君!深草明子君じゃないか」


振り返ると星法務大臣が後ろにいる。

星孝一。40代前半で大臣に任命された議員。

前回の「友達の友達はテロリスト~」な大臣とは全く違い

温厚そうで柔和なイケメンだが目立つことはせず

着実に公約を果たし、今回の内閣で見事大抜擢を受けた。

でも、この男の目はいつも笑っていない。

何を考えているのかは全くわからない。

私の中では危険人物に分類されている男の一人だ。


「こんにちは。星先生。ご無沙汰しております。」

私は深々と頭を下げた。

今回の私のスタイルはアクリスというスイスブランドの黒のスーツ。

大企業の秘書っぽいシンプルだけど、上品なデキる女イメージ。

髪は漆黒で爽やかにストレートのセミロングシャギー。


ここのホテルは高級会員制だけあって

安い服なんて着ていたら追い出されかねない。

会員権は中古マンション買える位の金額だもの。

普通の人は近寄れない場所。

ここではライターの「深草明子」で出入りしている。


「深草君。どうだね、やはり私の秘書になる件

もう一度考えてみないか?

ライターよりも君に向いてると思うんだ。

それに君と僕は似ているし」

にやりと星法務大臣は笑った。

それでも瞳の奥は冷たい光を放っている。


「先生、もったいないですわ。

ワタクシそんな恐れ多いこと・・・。

大変光栄です。

けれどとても先生のような偉大な方の大変なお仕事に

ご一緒させていただく程の力量はワタクシにはございません。

申し訳ございませんが、ご迷惑をおかけする前に

きちんとお断りするのも星先生のためかと」

アタシもにっこり答える。


「そうかい?確かに議員秘書は地味な活動かもしれないけど

おもしろいもんだよ。

気が変わったらいつでも電話してくれ。」

右手を上げて星議員は去り、SPと共にエレベーターに乗り込んでいった。


ここは大物が多いからセキュリティーはしっかりしている。

多少のごたごたがあっても、世間には漏れない。

そんな理由でアタシはここを利用しているのだ。

今日はとりあえず少しまともに休みたかった。

ここのところ落ち着いて寝ることも出来なかったから。

部屋にチェックインしてすぐにシャワーを浴びて

バスローブでそのまま眠ってしまった。


夜、高層階のプールで軽く泳いだ。

窓から都会の夜景が見えて、

ほとんど照明の付いていない壁や天井には

プールの中からの光が映り緑色の水の波紋が広がる。

宇宙船の中のような気分になる。

ここはどこなのか、自分は誰なのか。

何のために生きてきて、これからどうすればいいのか。

もはや何も判らなくなり、どうでもよくなってくる。


そんなんじゃダメだ。

アスカや弥一や鍵屋が何で死んだのか

死ななきゃいけなかったのかはっきりさせないと!

少なくともアスカはアタシのせいで死んだんだ。

ちゃんと敵は討たなくては。


頭を2・3回振り、水から上がった。


最上階のレストランバーも、夜景のために照明が最小限になっている。

小洒落たところは野菜はサラダ系とかしかないのが不満だが

さすがに選りすぐりの食材でおいしい。

生マッシュルームのサラダと有機野菜のグリルと

200gのフィレステーキとペリエをオーダーした。

今後のことをぼんやり考えかけていたら、聞き覚えのある声がする。

席が少し離れているので、内容までは聞き取れないけど

あれは・・・!


「お待たせしました」

ウェイトレスがサラダを持ってきた。

「ごめんなさい。

時間があんまりなくなっちゃったから、

残りのものも全部まとめて大急ぎで持って来てくれる?」

「かしこまりました」

一礼してウェイトレスが去る前に、アタシはサラダを口に運んでいた。

食事をキャンセルはしない。

相手はまだゆっくりしていそうな感じだから。

食べられる時にちゃんと食べるのは鉄則だ。


ここのサラダのドレッシングはいいバルサミコを使っているので

とても香りがいいのだけれど・・・。

今日はそんなこと気づかなかった。

びっくりするような人物がその席に着くのが見えたからだ。


鍵屋!生きていたのか!!


なぜ洋とこんなところで密会している?

ここのホテルはビジターは1階のカジュアルレストランしか入れない。

このフロアにいるってことは会員ってことだ。

鍵屋のような刑事・・・安月給の公務員には一生縁のないところのはず。

アイツは敵だったのか・・・。

もう何食べても味がしない。

それでも闘うためには食べることは、身体に染み付いた習慣なので

機械的に手は料理を口に運び、口は勝手に咀嚼した。



洋と鍵屋は1杯だけビールを飲み

引き上げていくようだった。

少し先に店を出て先にさりげなくエレベータに乗り込み1階のボタンを押す。

鍵屋と洋が乗り込んでくる。

ヤツらは13階か。

アイツらが降りてエレベーターのドアが閉まる寸前に12階のボタンを押す。

12階から非常階段を静かに上り、1315室に鍵屋が入るのが見えた。


また急いで1階に行き、内線電話を1315にかける。

「お客様お休みのところ申し訳ございません。

先程モーニングコールのご登録をされたかと存じますが

機械エラーのため解除されてしまいました。

恐れ入りますが設定しなおしますので

ご利用時間を教えていただけませんでしょうか?」

アタシはフロントになりすます。


「え?設定してねぇけど・・・まぁいいや。

8時で頼む。あとウイスキーロックで1つ届けてくれ。

銘柄は何でもいい」


「かしこまりました」


電話を切った後、フロントにかけ直し

同じ内容を告げ、アタシは自分の部屋に戻った。


翌朝。

ほぼ昨日と同じスタイルで、

アタシは1階のラウンジで新聞を読んでいた。

9時近くなって鍵屋と洋が現れて、カジュアルレストランに入っていった。

それを見たアタシはトイレに行き、

個室でメイクとカツラを替えた。



「あら!洋さん!」

カジュアルフレンチから出てきた洋の肩を叩く。

「あ~晴代ちゃん~!何お客さんと泊り~?

にしては地味なカッコしてるね!?」

アタシは顔だけ晴代にした。

鍵屋はアタシの赤い髪を見てキャバ嬢と判断し

苦々しい顔でそっぽ向いた。

もちろん洋は胸の方に主に目線が行ってる。


「アタシは就職活動ぉ~。いつまでもキャバ嬢やってらんないでしょぉ。

洋さんこそお泊り?ここ高いでしょ?

御曹司はやっぱ違うねー!

今度アタシも泊りたぁ~い!!」

「いいよ!いいよ!来週なら泊めてやるよ。連絡してこいよ!」

すっかりアホ面している。

「ありがとぉ~!じゃメールするねぇ♪」


その時後ろを一人の人物が横切った。

「明子君は変装も上手だね」

アタシにしか聞こえない小声ですれ違いざまにつぶやく。

ぎくりとしたがアタシは顔色を変えないように勤めた。

星孝一。

やっぱり侮れない。


服はほぼ「明子」のスタイルだが着こなしを崩して「晴代」にしたし

メイクや髪はまるで違うのに、一発で見抜いた。

あの目はどこまで見抜いている?

まだ数回しか会っていないのに、前回は秘書になれと言って来た。

何かを調べた上で言ってたのか?

星の立場ならその気になればアタシの素性を調べられなくもない。

とにかく星は危険だ。

しばらくはあまり近づかないようにしておこう。


アタシはホテルを出ると羽田空港行きのリムジンバスに乗り込み

また空港で変装して宮城へ向かった。

サスペンス ~続編 ④~

洋と接触してみてわかったこと。

確かにアイツはこの一件に関わっている。

でもアイツには常にアリバイがあって

アスカが死んだ時にはもう店を出ていた。

鍵屋の時にはどうしてたかはわからないけど

弥一の時には、洋はパチンコ屋は別々に出ていたり

殺害推定時刻には数駅離れたコンビニの防犯カメラに

立ち読みしている姿が写ってたと聞いた。


アリバイがしっかりし過ぎてて

怪しいんだよ。

それにこのタイミングでアスカが急性アル中死するなんて

出来すぎている。

こんなこと前にもあったな・・・。


そうだ先月の地震の時

アタシが長年探していた男が死んだ時と同じだ。

都内に隠れ住んでいることがわかって

訪ねていこうとしたら、いなかったんだ。

そしたら数日後宮城で生き埋めになって発見されたって

ニュースでやってたんだ。

アイツは無職だったし、宮城に土地勘もない。

なのにこのタイミングで被災して死ぬなんて・・・。

あの時感じた何かと同じ感じがする。


アイツが見つかったって話は鍵屋にしかしてなかった。

鍵屋も殺られたんだったな・・・。

弥一はなんで殺されなきゃいけなかったんだ?

アイツはアタシのただの顔見知りだし。

アタシの正体は鍵屋だって知らないはずだ。


洋は何に関わってるんだ?

洋だってあたしの正体はわからないはずだ。

弥一と同じで、同じパチンコ屋の常連ってだけの付き合いだから。


このすべてを知っているヤツは・・・。

アイツはアタシの雇い主だが

アタシの敵なのか?


アイツはそんな小者に興味を持ったり

まして殺害するようなつまんないことするタイプではない。

そんなことで名前に傷がつくくらいなら

金で解決することだろう。


金?


金と言えば洋は何であんなに羽振りがいいんだ?

アイツはただのサラリーマンで

営業時間もサボってパチンコしてるようなヤツだ。

会社からそんなにもらえるはずがない。

サラ金から結構借りてて、

パチンコ勝つ度に少~しずつだけ返してたのに。


とりあえずは洋の近辺から洗って行くしかない。

次はアスカのような被害者を出さないように

慎重に動かないと・・・。


さてどうすっかな?

アタシはまたトイレで変装し

都内ベイエリアの高級会員制ホテルにもぐりこんだ。




サスペンス ~続編 ③~

もう家には戻れないだろう。

どうせあそこにはそんなに必要なものは置いちゃいないし。

まぁ別にいいわ。

貸金庫もしばらくは近寄らないでおこう。

当座はこれがあれば生活できるしな。


まず貴金属の買取やってる店に行き

プラチナの喜平ネックレスを1本売った。

最近は貴金属が高いから、全財産身に付けるのも簡単。

他にも役に立つから便利だ。

身分証明書なんていくつも持っている。

「瑤子」だって偽名だ。

アタシには何も本物なんてない。

あ、このプラチナは本物だけど。


とりあえず少しでも情報が欲しい。

少し買い物をして、それをコインロッカーにいれ

夕方を待ってあるバーに行った。


「すいません。まだ開店前・・・

なんだ瑤子か」

バーのマスターがグラスを磨きながら顔を上げた。


「オマエ鍵屋が行方不明らしいぞ。

・・・そのイメチェンぶりは何か関わったな?」


脱走した時のスタイルのままだったので

マスターにはお見通しだ。


「今回は俺には,、かばえねぇ。

今のところたいした情報もない。

唯一聞いているのは弥一には最近変わった様子はなかったが

洋はかなり羽振りがいいらしいってことだけだ。

ここはヤバい。逃げた方がいいぞ」


「ありがと。マスター。

でもねアタシの指紋はどこからも出ないからね」


軽く手を振ってそう言うと

マスターの顔は悲しそうにほほえんでいた。


マスター、アタシ売ろうとして葛藤してたでしょ。

バレてるって。

長い付き合いだもの。

逃がしても指紋くらいは売ろうとしたのね。残念。

今時はボンドとか使わなくてもいいものがあるのよ。

人工皮膚。

カツラとかに応用されたから皮膚になじむし

安くて便利なのよ。


アタシの言葉遣いはもう次のモードに向けて

チェンジしていた。



電車をあちこち乗り換えて

またコインロッカーに戻って

また電車乗り換えて

新しい服に着替えた。


今度はギャル系。

化粧は派手にまつげのエクステもして

赤に近いショートのヘア。

ジャラジャラジャンクアクセサリーをつけ

黒のセクシーな露出の多いミニドレスで

ラインストーンがたくさん付いたサンダルも黒。


今時はホント変装しやすい。

ヌーブラやら補正下着やらで体形も変えられる。

年もごまかして洋の行きつけのキャバクラに入り込んだ。


洋は一人で来ているらしい。

羽振りがいいのはテーブルの上のフルーツやら

ごっつい装飾のボトルやらですぐわかる。

2人女の子が付いているけど

左の子がお気に入りな様子。なるほどね。


「初めまして~晴代ですぅ~」

アタシは名刺を持って挨拶する。


洋は上機嫌で名刺を受け取りながら

「何?初めての子?

お祝いににボトル入れてあげるから

ここ座んなよ!」

ぽんぽんと自分の右側のソファーを叩きながら言う。


「ありがとうございまぁ~す」

白々しく演技しつつ隣へ。

洋はアタシの顔なんか見ちゃいない。

偽装した胸元に釘付けだ。

バカだなコイツ。


「お客様のお名刺かお名前いただけますぅ~?」

アタシが聞くと、洋は笑いながら

「オレは名刺持つような仕事なんかしちゃいねぇよ~。

名前は洋って呼んでくれよ」

アタシの左の腿に手を置いている。


「え~じゃぁどこかの御曹司~?

いや~んすごぉ~い!」


「まぁな。そんなもんだよ」

ますますテンション上がる洋に比べて

左の女の子がムッとしている。

いかんいかん。


「ご馳走様でした~。

またお席に呼んでくださいね!」

愛想よく去ろうとすると

「待てよ。これお小遣い。持ってきな」

手に数枚の一万円札と携帯番号が渡された。

「ありがとうございまぁす」

にっこり微笑んだら、去り際にケツ撫でられた。


アイツ本当にバカだな。

まるで見抜いてない。

もちろんそんなことは顔に出さない。


奥の控え室に戻るとさっきの左側の子

この店のNo.1のアスカが来て

「アタシの客を盗るつもり?」

と脅しをかけてきた。

アタシはそんなの怖くもなんともないんだけど

変に敵を作る気はさらさらない。


「いえ!あのお客様触ってくるし苦手なんです・・・。

さっき携帯番号いただいたんですけど

これお返しします・・・。

あとさっきいただいたチップも半分どうぞ」

差し出すとひったくるように奪い取って


「わかってればいいのよ。

アンタ別に悪い子じゃないみたいだけど

そんな風にしてたらこの世界やっていけないわよ?」

見下したように一瞥してアスカは出て行こうとした。


「待ってください。

実は黙ってようかと思ったんですが・・・

あの人殺人犯じゃないかって聞いてたんですけど

アスカさん大丈夫なんですか?」


「はぁ?何言ってんのよ!

弥一さん死んだけど、洋が犯人な訳ないじゃない!

ってゆーか何でアンタそんなこと知ってんの?

何者なのよ!?」


「アタシは・・・。

・・・弥一は・・・アタシの兄なんです・・・。

何で死んだのか、どうしても知りたくて・・・。」

アタシはアスカの顔をまっすぐ見つめハラハラと涙を流した。

ウソ泣きだけどね。


「私は今日初めて洋さんと会ったけど

兄から洋さんの話はよく聞いていました・・・。

洋さんのことは信じたいんです!

でもそんな噂があるから・・・。

アスカさん!何か知りませんか?

何でもいいんです・・・教えて・・・ください・・・」


「・・・アンタ弥一さんの・・・そう。気の毒にね。

でもアタシも知らないのよ。

洋がやってないとは思いたいんだけど

仲の良かった弥一さんが死んでも洋はあの通りなの。

何を考えているんだか・・・。

こんな派手に遊んでれば誰だって疑うわよね。

後で洋に話してみる。

アフター一緒にどう?」

アスカから敵意は消えている。


「ありがとうございます!ご一緒させてください!」


アスカはフロアに戻って行った。




店も深夜を前にして満席の大盛況。

アスカはあちこちからお呼びがかかり

何本ものボトルを入れてもらっている。

さっすがNo.1。

特に目立つ美人じゃないけど、

何といってもスタイルの良さはダントツだ。

女のアタシから見てもドキドキしてしまうほど。



「キャーッ!!」



フロアの端で悲鳴が聞こえる。

声の方向を見ると青いドレスの子が立ちすくみ

その横のソファにアスカ。

青い顔でぐったりしている。


「急性アルコール中毒だ!救急車を!」

マネージャーが黒服に指示を出した。

急性アル中?アスカはプロだよ?ありえないでしょ!


アスカごめん。

アプローチの仕方を間違えたよ。

アタシのせいでアスカも殺された。

あれはたぶん助からない。

でもおかげで少し敵が見えてきたよ。

敵は討つ・・・!


救急車到着の騒ぎの中、アタシはまたそっと店を去った。

サスペンス ~続編 ②~

数日後。


アタシは消防署から表彰された。

迅速な救助活動にどーたらこーたら。

興味ナシ。

パチンコ屋で誰かがアタシがやったって言ったらしい。

余計なことを。

常連だったらアタシのことはたいてい知ってるしな。


でもさぁそんなん賞状授与とかやってる暇あったら

あのバカ親教育しとけってんだよ。なぁ。


今日はパステルピンクのワンピース。

地面の掃除しちゃいそうな超ロングのフリフリ。

そう!気に入ってんの。


あー日差しがウザイ。

どこかのパチ屋でまた涼もうか・・・。


「瑤子!」

誰?アタシ呼ぶのは?


顔を上げると、鍵屋刑事がこちらを見てニヤついてる。

刑事なのに鍵屋なんてふざけてるのは名前だけじゃなく

伊藤四郎そっくりでさ、2時間ドラマで伊藤四郎出てると

ついコイツ思い出して笑っちまうんだよな。


「なんだよ。用か?」

別に会いたかった人物じゃないから

外で立ち話する気にもなれなくてめんどくささ全開で答える。


「オマエさぁ、うまいアリバイ作ったよなぁ。

表彰されるなんて誰もオマエが犯人だとは思わないもんなぁ」

ニヤニヤしながら近づいてくる。


「なんだと?アタシは弥一を殺しゃしないよ。

ヤツを殺る理由もないしな」


「まぁまぁそんな怒るなよ。

今朝オマエが怪しいってタレコミがあったんだよ。

匿名でな」


「はぁ?ふざけてるのは顔だけにしろよ!」


怒って立ち去ろうとするアタシの腕をつかみ


「まぁ待てよ。

その親切な匿名さんはオマエがホシだという

証拠をもってると言ってるんだ。

これからその受け取りに行くんだが

俺はソイツが怪しいと思ってる。

オマエ隠れてその男を見てみないか?」


「おもしれぇじゃねえかよ。

タレコミヤロウとデカの密会かよ。

それをデバガメ。

ははっ。悪くねぇな。行くよ」


鍵屋の後をついて歩き出した。


数分後、とある雑居ビルに入り

エレベーターで3階へ。

1・2階はマンガ喫茶らしい。

人の出入りは多いけど、誰も他人に関心はない。


3階はどうやら空室らしく、

狭い間口からはイメージできなかったが

奥行きは意外にある。

凝った金色の枠のつたのような装飾のガラス戸が

エレベーターを降りてすぐ目の前にあり

手前は10坪ほどのスペースで床は大理石。

壁紙も白一色だが凹凸でつたの柄が浮き出ている。


その奥にギリシャ風に彫刻されたガラスで仕切られ

天井の高い部屋がもう一つあった。

床と壁紙は手前の部屋と同じだが、

その部屋には木製のバルコニーが部屋の両側にあり

一番奥にそれぞれそこに上る階段がある。

ギャラリーか何かだったんだろうか?

内装がかなり金額がかかっている造りだ。


「アタシはあのバルコニーから

高みの見物させてもらうよ」


彫刻のガラスの仕切り戸を開け

階段を上って行った。


アタシがバルコニーに隠れてすぐに

エレベーターが開く音がした。


「早かったじゃないか」

鍵屋が奥の部屋から出て行く。


「うっ・・・!!何を・・・・!!」

どさっ!

鍵屋が倒れるのが見える。

相手はどんなヤツだ!?

彫刻が邪魔になって全く見えない。


ズッ・・・ズズズッ・・・・。

鍵屋が引き摺られている。

アイツやられたのか!


まずい!まずいぞ!

アタシはまた現場に居合わせてしまった。

このままでは連続殺人の第一容疑者じゃないか!


どうやら鍵屋はスーツケースのようなものに入れられたらしい。

またエレベーターが開く音がする。


辺りが静かになった頃、

アタシはまずワンピースを脱いだ。

下にはシンプルな白のチュニックと黒のレギンスを着ている。

そしてカツラを取り、その下の髪を押さえるためにしていた

黒のバンダナで荷物を包んだ。


刑事と馴れ合いの会話をしてることから想像出来ただろうけど

アタシは全うな仕事なんかしちゃいない。

いつでも身に危険が及ぶことを想定している。

だから髪も自分で切っているから

本当の髪型は誰も知らない。


奥の部屋の窓を開けると、すぐに隣のビルの壁がある。

ちょうどいい。ここから降りよう。

防犯カメラには写るわけにはいかないから。


でも誰がこんなことを?

アタシに恨みのあるヤツか?

弥一と鍵屋を殺ってなすりつけやすいのが

アタシだったのか?


でも許さねぇ。弥一はいいヤツだった。

どこのどいつか知らねぇけど

思い通りにはさせねぇよ。


怒りがこみ上げてくる。

でも雑踏では目立たないように

アタシはなるべく無表情で歩いた。

サスペンス~続編①~

前書き。


先日の夢「サスペンス」が

どーにも気になるところで終了したのが

すんごいすっきりしないと数々のお叱り(笑)


たまには自分で結末を考えて

ちょっと書いてみちゃおうかな?

なんてもくろみ始めました。


構想2日。

ついにオチを思いついた(笑)ので

ぼちぼち書いてみます。


「あ~最後まで話がない方が

いろいろ想像できて面白かったなぁ」


なんてぼやかれないように

頑張ってやってみます!


なお、いろいろ伏線も張ってみるようにしていますので

そのへんも探りながら読んでください(笑)


では、本編へ。

ちなみに①は夢とほぼかぶってます。

あまり進展しないまま終わります。

怒らないでください(笑)


~サスペンス ①~


とある昼下がり。

私はいつものパチンコ屋にいた。

今日は天気もいいし、海日和だな。

って海物語やりに来た。


36の女が一人、本当の海に行ったら

それもそれでキツイだろ?

まぁパチンコ昼間っからやってるのもショボイけどな。

アタシにはパチンコの海の方が似合ってんだよ。


え?

服装がパチンコ屋で浮いてるって?

いいんだよ。別に。

個人の趣味にとやかく言われたくないね。

好きなんだよ。フリフリが。文句ある?

自分の金で買ってるんだからほっといてくれ。


オフホワイトの地にパステルの小花柄

胸元に大きなリボン、

裾や袖口にもふんだんにフリルのついたワンピース。

髪はこげ茶のロングで大きな巻き髪。

パールピンクのグロスに薄化粧。

それがアタシの格好。


今時メイドカフェとかじゃないと見ないようなフリルの嵐。

でも流行ってるのはゴスロリ系だけど

アタシはピンクハウス系。

あんまり見かけないから目立つわよね。

好きなもん着てるから、別に人の目なんてどーでもいい。


「出てるか~?」

後ろから声が聞こえる。

岸谷洋だ。隣にはいつのまにか東弥一が座ってる。


「まぁまぁだな」

後ろも振り向かずに、咥えタバコのまま答える。


「負けてなきゃいいさ。最近あんまり出ねぇからな」

弥一がぼやく。


「まーそんなもんだよな。

今日はどの台が回ってるかな?

またな!」

洋がアタシの肩をぽんと叩いて去っていった。

弥一も一緒に席を立った。

アタシは振り返らずに手を振った。


アイツらもしょっちゅうこの店にいるな。

しけてんな。

アタシもか。


お互いこの店の常連で

飽きもせずに10年くらい通ってる顔なじみ。


なんとなく落ち着くんだよな。この店。

でも腹減った。

食うもんはないんだよな。

昼飯行くか。


「食事中」

台に札立てて店を出ようとした時、

一人の女が血相を変えて飛び込んできた。


「誰か!誰か警察・・・ううん救急車

なんでもいいからヒロキを助けて!

早く助けてよ!!」

20代前半の若い母親は半狂乱になっている。


同じ年くらいのパチンコ屋の男の店員は

困った顔をして

「お客様!落ち着いてください!

息子さんがどうしたんですか?」


「塀にヒロキの手が挟まって抜けないの!

このままじゃ死んじゃうかも!!

どうして!なんであんな危ないものがあるのよ!

どうしてくれるのよ!!」

叫びながら泣き喚く母親。


うるさいパチンコ屋の店内でも

少し離れても充分に聞き取れるくらい

大騒ぎしている。


騒ぎの間にトイレに行ったアタシは

その母親に近づき


「どこ?」

と言った。


突然予想外の人物に話しかけられた母親は

わけがわからないと言う表情できょとんとしている。


イラつきながらアタシはもう一度言った。


「アンタの息子はどこかって聞いてんだよ!」


はっと我に返った母親は

「こっちです!」

小走りに店を出た。


店の裏の駐車場の奥に1軒の廃屋がある。

そこの塀の前で変な姿勢で男の子がうずくまっている。


「ヒロキ!ヒロキ!!」


母親が名前を叫びながら近づくと

男の子は火がついたように泣き出した。


「あぁかわいそうにヒロキ!」

抱きしめようとする母親を押しのけた。


「どけ!アンタが騒ぐと子供が動揺するだろ!」


右手で母親を制止した。


改めて男の子の状態を見ると

腕が変な角度で塀の隙間に挟まっている。

あーこれは厄介だわ。

抜いても脱臼するよな。

ま、いっか入れちゃえば。


「おいボウズ。

ちょっとばかし痛いかも知れねーけど

一瞬だから我慢できるよな?」


男の子は目に涙をいっぱい溜めたまま

まっすぐにこっちを見て頷いた。


「よし。じゃあ取ってやる」


左手にさっきパチンコ屋のトイレから失敬した

ハンドソープのボトル。

そのポンプの蓋を外して全部男の子の腕にぶちまける。


「やるぞ?いいな!」


腕と塀の隙間に流れ込んだハンドソープが

多少潤滑剤になって

予想通り肩は外れたけど、腕がするっと抜けたので

一連の流れの中で肩も戻せた。


「はぁ。

やれやれ」

安堵のため息を漏らしたアタシを突き飛ばし

母親が男の子を抱きしめて


「ヒロキー!!」

また泣き叫んでる。


「全くテメーが子供ほったらかしで

パチンコなんかやってんのが悪いんだよ。

事故とかで死ななくて良かったくらいだよ。

しっかりしろよな」

捨て台詞吐いてアタシは立ち去る。


助けたアタシにお礼さえ言わない母親は

そんなアタシの言葉なんて耳に入らないようだ。


ほぼ同時刻。

その塀の向こうの廃墟で弥一が刺殺された。

サスペンス

今日は天気もいいしのんびりパチンコ日和。

なんとなく回る映像を見ながら

咥えタバコでぼーっと過ごしている。


「よぅ!どうだい?」

顔見知りの男友達が2人後ろから声をかけてくる。


「ん~そうねぇまぁまぁねぇ~」

誰だかわかってるので振り向かずに答える。


「ま、そんなもんだな。またな」


振り返らずに私は彼らに手を振る。


よくある平凡な1日だった。


私は36歳。

ロングの巻きの髪で、今時あまり見ないようなピンクハウス系の

フリルこってりの服を着ている。

あ~でも最近はメイドとか流行ってるからごく一部では復活してるのかな?

それ以外は中肉中背で、目立たないごくごく平凡な顔だ。


少し飽きてきたので、食事中の札を立てて

席を立って出口に向かった。

すれ違いにすさまじい表情をした女が入ってくる。


「うちの!うちのむすこが!!・・・・とにかく救急車!・・・いや警察!!

何でもいいから助けてよう!!」

店員に半狂乱になりながらわめき訴えている。


「落ち着いてください!息子さんがどうしたんですか!?」


「息子が!息子が壁に腕が挟まって抜けなくなって・・・

なんであんな壁があるの!!」

若い母親は泣いてるんだか怒っているんだか騒ぎ続けている。


トイレから出てきた私は母親に言った。

「どこ?」


不意に予想外の人物に話しかけられた母親はきょとんとしている。


「あんたの息子はどこかって聞いてるんだよ!」


いらいらした私は強い口調で聞きなおした。


「・・・こっちです!」

我に返った母親が小走りに走り出す。


駐車場の裏の突き当たりに、廃墟のブロック塀がある。

そこの脇で変な姿勢で男の子がうずくまっている。


母親が泣きながら

「ごめんねぇ~痛いよねぇ!どうしよう!!」

騒ぎながら駆け寄ると、男の子もつられて泣き出す。


「どけ!あんたがわめくと子供も動揺するだろ?」

私は母親を押しのけて、男の子に言った。


「少し痛いかもしれないけど、すぐ助けてやる。

男の子だもんな。我慢できるだろ?」


泣きべそかいてる男の子はまっすぐな目で私を見て

無言で頷いた。


「よし。」

手に持っていたハンドソープのボトルを開け

挟まってる男の子の腕にぶちまける。

さっきパチ屋のトイレから失敬したものだけど

気にせず全部流し込む。


なんだよこれ。入ってる角度が悪いなぁ。

肩脱臼しちゃうけど、はめりゃあいっか。


「いくぞ?」

グッと腕を引っ張ると予想通り肩が外れたが

すっと腕も抜けたので、一連の流れの中で肩も戻せた。


「よく頑張ったな」

男の子の頭をなでると、母親が飛んで来て抱きしめながら

また親子で泣き出した。


「子供ほったらかしてパチンコなんかしてんじゃないよ。

死ななくて良かったくらいだよ。ボケ!」

お礼さえ言わない若い母親は、そんな私の捨て台詞も

全く聞いてないようだった。

別にいいけどね。


ほぼ同時刻。

そのパチンコ屋の奥の廃墟で一人の男が刺殺された。




数日後。


私は消防署から表彰された。

別に名乗り出なかったのに、あのパチンコ屋は常連だから

誰かが私だってことを教えたらしい。

迅速な救出にどーたらこーたら。

そーですか。

賞状なんていらないから、あの母親教育しとけよ。

なぁ?


その授賞の帰り道。

一人の刑事が寄ってきた。

コイツ伊藤四郎ににてるんだよな~。


「オマエ、表彰だって?

そりゃぁ見事なアリバイだよな?」


「オッサンうたがってんの?

そりゃぁ裏の廃墟で殺されたのは腐れ縁の友達さ。

確かにあの日パチ屋で声もかけられたよ。

でもあたしはやっちゃいない。

ヤツを殺す理由もないしな。」


「理由はあるかもしれないぞ?」


「なんだと?」


「まぁそう怒る前に1軒付き合えよ」


刑事は私の腕を引っ張り、ある雑居ビルに案内した。


「オマエが怪しいってタレコミがあったんだ。

その証拠を見せるからここに来いってさ。

オマエ隠れてその男を確認してくれ。

オレの刑事のカンではそのタレコミ男が充分怪しいとふんでるんだ」


「へー。そんなこと言うヤツがいるんだ。

刑事とチクリ野郎の密会現場を覗きか。

おもしれぇ。見てやるよ」


案内された場所はエレベーターを降りて正面に小洒落たドアがあり

10坪ほどの空間。

その右側に20坪くらいの部屋があって

両脇の壁に木製のバルコニーがあり部屋の一番奥に

それぞれ上る階段が付いている。

もともとは画廊か何かだったんだろか?

今は何もないけど、床は大理石だし、内装はなかなか凝っている。


「じゃあ、アタシはこのバルコニーの上から

高みの見物させてもらうわ」


刑事は10坪の部屋の中央に立ち

タレコミ男を待っていた。


ほどなくしてエレベーターが開く音がした。


「早かったな」

刑事が男に歩み寄る。

どんなヤツだ?

仕切りのガラスに彫刻が入ってて見えない。


「うっ・・・」


ドサッ。刑事が倒れた!


何っ!?


ズッ・・・ズズッ・・・ズッ・・・


足を持って刑事が引き摺られて行く。


しまった!刑事がやられた!!

アタシはまた現場に居合わせてしまったじゃないか!

このまま行くとアタシは連続殺人の第一容疑者だ。

それ以前にここからうまく逃げ出さなくては。


エレベーターが開いて足音がしなくなった後

私はまずカツラを取った。

髪は自分で切っているから、本当の私の髪型を知る人はいない。

地毛を押さえるために頭にしていた黒いバンダナを外し

そこにカツラとワンピースを入れる。

ワンピースの下には薄い白のチュニックと黒のレギンスを着ていた。

まぁ、ここまで用意周到なのは

さっきの刑事との馴れ合いの会話からもわかる通り

私は全うな生活ではないんでね。

いつ何があっても逃げ切れるように準備はしていた。

平凡な容姿を利用して、わざと目立つ服装なのも

敵から逃れるための1つの手段なのよ。


防犯カメラに映らないように、

窓から隣のビルの窓枠とかをつかみながら

サルのように降りていった。

都会は人目につかないで逃げられるわねぇ。

狭い立地で建ってるビルって便利だこと♪


そんなのんきなこと言ってる場合じゃないな。

あれは、あの刑事を殺ったヤツは誰なんだ?

アタシはどこかで恨みを買ったのか?

それとも誰かが刑事を殺すのに一番なすりつけやすいのが

アタシだったのか・・・?


とにかく部屋にはもう戻れないだろう。

いずれはアタシも消される計画だろうし。


おもしろくねぇな。


誰だよそんなん企んだヤツ。


気にくわねぇな。捜してやるよ。


思い通りには絶対にさせねぇからよ。


私は出来るだけ無表情で目立たないように街に消えていった。


・・・・・wake up・・・・・


すいません~!!こんなところで起きてしまいました~!!

続き見たくて何度も寝なおそうとしたんですけど

どうにも眠れませんでした(苦笑)


あー2時間ドラマで始まって20~30分で電話とかかかってきて

テレビ見逃したような気分(笑)


誰か結末教えてください(笑)

絵本

黒い表紙の絵本が1冊ある。

手にとって読んでみる。


「あるところに革職人の男の子がいました。

男の子には中学生の弟と

小学生の妹

幼稚園の弟

まだ幼い妹がいました。


母親は今はいません。


先日幼い妹と帰って来て

また子供たちだけを残してどこかに行ってしまいました。


革職人の男の子は学校に行っていれば高校生。

でもみんなを養っていかなくてはいけないので

一生懸命働いています。


頑張って働いても暮らしは楽にはならず

毎日家で弟や妹たちの面倒をみながら

今日も革細工を続けるのです。


ある日、革職人の男の子は

家の中で騒がしくして邪魔をする兄弟たちに嫌気が差して

隠してあるパンに小さな針をいくつか埋め込みました。


『もし盗み食いをしたら痛い思いをするし

俺が一生懸命働いて買ったパンを

勝手に食べたら罰が当たることを教えてやるんだ』



数日後。

革職人の男の子は親方からお給料をもらいました。


『たまにはみんなにももっとおいしいものを

おなかいっぱい食べさせてあげよう』


大事なお金で何を買おうか悩んだ革職人の男の子は

いつもより帰りが遅くなりました。


『ただいま』


家の中は静かです。


兄弟たちはテーブルのところで死んでいました。


『・・・なんで!』


見ると硬くなったパンのかけらが少し残っていました。

幼い兄弟たちはおなかが空いて

隠してあった針の入ったパンを食べてしまったのです。


革職人の男の子は声を上げて泣きました。


『もっと食べさせてあげれば良かった・・・』


その後、革職人の男の子は犬を飼い

1回のご飯に4つの入れ物を用意して

たくさんご飯を与えるようになりました。」


・・・・・wake up・・・・・


うーん。また暗い夢見てしまいました。

ここのところ介護疲れもあり、爆睡してしまうため

あんまり夢は見なかったんですけど

たまに見てこんなんだと・・・。

ちょっと嫌だなぁ。

one more chance

シュッ シュッ シュッ


「裁判長」が切るトランプの音だけが響いている。


「被告」はおじいさん。


このカードゲームの参加者は

「弁護士」「検察官」「原告」「陪審員」。


すっと被告の前に1枚のトランプが配られる。

被告は右手を伸ばし、トランプの右下の角を少しめくり

一瞥して言った。


「これで結構」


全員の前に1枚ずつトランプが配られ、

各々それを手にする。


「みなさん1枚勝負でよろしいですか?」 裁判長が言う。


弁護士・検察官は何の表情も表さない。

原告と陪審員は少々悩んでいるようだ。


「特に意見がないようなので、ではレイズしてください」


「15年」弁護士は言った。


「25年」検察官が弁護士をにらみつけながら言う。


「私は降ります」と原告。


「私もです」陪審員も続く。


「無期で」被告が言った時、驚きの空気が場内に流れた。


裁判長が言う。

「あなたの求刑は15年ですよ。求刑以上のものを言うということは

無罪で勾留された日数分の保証金を求めているとみなされます。

そしてこの勝負で負けるということは求刑15年に無期が加算され

累計で死刑に相当することになりますが、よろしいですかな?」


「もちろんです」被告は淡々と答える。


被告は認知症の妻を殺した、末期ガンの老人。

自分が先に死んでしまったら、残された妻はどうなると

その行く末を案じて心中を決意したものの

たまたま通行人に発見され

自分だけ一命を取り留めてしまったのだ。


世間の評価は賛否両論。

判決は出たものの世論が納得せず

こうして刑期を決めるのをカードゲームに託すことになった。


弁護士が勝てば、レイズした分、刑期は短くなる。

検察が勝てば、刑期が長くなる。

原告(この場合当事者である妻は死亡しているため妻の妹が代理)や

陪審員は勝負から降りてしまったので、

今回は関係ない。


「残った3名に訊きます。レイズに変更は?」


「ありません」


裁判長の問いかけに3人は答えた。


「では、カードを開けなさい」


被告は堂々とスペードの2を出した。

老人はやはり勝つつもりなどなかったのだ。

一人先立たせてしまった妻の許に行きたかったのだろう。


意外なことが起こった。

場内がざわざわとどよめいている。

検察のカードはクローバーの2。

こちらも勝つつもりがなかったのか・・・?

それとも得意のハッタリだったのだろうか?


そして弁護士のカードは、ジョーカー。


裁判長は言う。

「弁護士の勝利により被告は求刑15年のところ

減刑により無罪とする。これにて閉廷。」


カン カン!


木槌が振り下ろされた。


被告の老人が弁護士に詰め寄る。

「先生!あなたは私の味方ではなかったんですか!!」


弁護士は顔色一つ変えずに答える。

「私はあなたの刑を軽くするのが仕事ですから。」


泣き崩れる被告。


その肩に触れて弁護士は他の人には聞こえないようにささやく。


「あなたが犯罪人として処刑されたら、亡くなった奥様は悲しみます。

それにせっかく2人で思い出の地から旅立とうと決めたのに

獄中で亡くなってどうするんですか!

あなたはもう自由なんですよ。

またあの場所に行けるんです。」


被告の老人がはっとした表情で顔を上げると、

弁護士は踵を返し出口に向かった。


「あぁ・・・・」再び老人は声を上げて泣き出した。


・・・・・wake up・・・・・


これはですねぇ、先日見たニュースに影響されてみた夢です。

実際にあった話は、介護が必要な妻と末期がんで余命宣告された夫が

思い出の地で妻の首を絞めて殺し、

自分は刃物か何かで自殺を図ったものの発見され

逮捕されたというものでした。

いろいろ考えさせられちゃって、こんな夢見たんでしょうね。





As You Like

えーっと性格は

1.素直 2.わがまま 3.甘えん坊 4.大人びている 5.その他( )


うーん・・・1かな。


うわぁあと何枚記入しなくちゃいけないんだろう?

1・2・3・4・・・8枚もある!結構大変!!

お金も意外とかかるしさぁ。やらなきゃよかったかな?

でもまぁ1回くらいは試してみたかったし。


ふぇ~でもめんどくさっ!


1畳ほどのスペースで学校にあるみたいな机に向かい

私はせっせとアンケートを書き上げる。

すらすらと進むところと悩むところがあって

小一時間かかって完成。


その後別室でモンタージュ作り。


「お待たせしました!」

お店のお姉さんがにこやかにやって来て私を見ている。

「いかがですか?」


「・・・うわぁ~♪」


お姉さんの後ろに立っているのは

見ると息をするのも忘れちゃいそうな美少年。

女の子かな?とも思えるようなキレイな子で

手足がすらっと長く、ジーンズにTシャツなんだけど

ものすごくカッコイイ!!


「はい。ものすごく満足です!!お願いします!!」


「では当店の説明もう一度いたしますね。

今回お客様がご利用になりますのは

『バーチャル弟』です。そのように設定させていただきました。

何か設定でお気に召さない場合は

携帯電話から当社のサイトにログインしていただくと

簡単に設定が直せます。

その間の作業時間は無料延長いたしますのでご安心してください。


こちらは精巧な3Dホログラムです。

お客様の今回のご利用は3時間になっていますので

終了30分前にお客様との会話の中で『弟』が

『もうすぐ時間だけどどうする?』と聞いてきます。

延長の場合も終了の場合も会話でお伝えくだされば結構です。

終了時には自動的に消えますので返却の必要はございません。


なお、混乱防止のため自動記憶消去プログラムが作動します。

お客様以外の方にはこの『弟』の記憶が残りません。

3ヶ月間はお客様のご利用履歴を残しておきますので

3ヶ月以内にまたご利用いただく場合は

今回の記憶が残ったままの『弟』にお会いすることができます。


何かご質問ございますか?」


「・・・いえ特には。」


「そうですか。何かありましたらお電話か携帯サイトでご質問ください。

その分も無料延長されますので」


「はい。わかりました」


「では、当店出ましたところから3時間になります。

いってらっしゃいませ。」


「おねえちゃん、行こう。」

『弟』が細く長いキレイな指をした手を私に差し出す。

あー声の設定も大正解!!


うっとりしたまま私は『弟』と外へ出る。


ウィーン。お店の自動ドアが背後で閉じる。

さぁここから3時間だ。


外に出たとたん、道行く人が振り返る。

だってすごいカッコイイもの『弟』。

3時間顔見たまんま何もしなくてもいいくらい。


「おねえちゃん、買い物でも行こうよ。

春物の服見立ててあげるよ!」

にっこりほほんで『弟』は私の顔を覗き込む。


きゃーっ!!

心の中で歓喜の絶叫しつつ、舞い上がったまま

『弟』と並んで歩く。


これが実際の弟ならば、あまりのかっこよさに比較され

嫌いになってたりするのかもしれないな(笑)

でも本当にかっこよすぎて、

すれ違う人たちはアンバランスな隣の私が目に入らないみたい。

でもいいや。どうせあの人たちは『弟』のこと忘れちゃうんだもん。

高いお金払った甲斐があったなー。ふふふ。


・・・・・wake up・・・・・


めずらしく楽しい夢でした(笑)

欲しいぞバーチャル弟!!(爆)