「桶狭間の合戦まで」 第四部
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「桶狭間の合戦まで」 第四部
今川の三万も、おそらくは寄せ集めの集合体であり、全部が実力者であるはずがない。そこをつけばこの戦、勝てるかもしれん。
今川勢の大勢力はほとんどが使えぬものばかりであろう。三万とも四万とも言われておるが、実態は、農民、商人、漁師や、子供まで、町の者を巻き込んで、総勢で、それだけの数を集めているだけだ。その上、実質はいいところニ万五千、といったところだ。そのうち半数は甲斐、相模、三河からの借り物であろう。そ奴らにしてみれば、義元には義理もなければ、縁も、貸しも借りもない。いつ何時逃げ出すか、危うい者たちばかりであろう。ただ、追従しているだけで、小遣いをもらおうとしているだけの者達だ。戦の経験なんてなにもない者たちばかりで、せいぜい、頑張っても、町の喧嘩位な乏しい経験があるかないかのものであろう。
今川対織田の戦いを、蛇対鼠、と揶揄して、負けるはずがないと、のほほんと、しているのであろう。
参加するだけで、金になると思っているのだ。飯がでて、運良ければ酒まで振舞ってもらえる。その事に浮かれた脳足りん共だ。
そこにきて、大将が背中で仕事をしている尾張の国は、下層から天辺まで、造りが違う。土台がしっかりしている。
余の意識が波に乗ってきた。高揚してきた。
つまりは、この戦、近々、開戦される尾張対駿河似非連合軍は尾張に勝機がある。
乱暴に扉を開けて、佐久間信盛が闖入してきた。
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