小川洋子の「アンネ・フランクの記憶」を読んだ! | とんとん・にっき

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小川洋子の「アンネ・フランクの記憶」(角川文庫:平成10年11月25日初版発行、令和2年4月20日9版発行)を、(遅ればせながら)読みました。

 

小川洋子の前作「密やかな結晶」の解説で、井坂洋子は、以下のように記している。

焚書、隠れ家、記憶狩りや秘密警察の存在などから、この小説を読む人は誰しも、ナチのユダヤ人狩りを連想することだろう。作者は、この小説を書いたあと、1994年の7月にかねてから念願の、アンネ・フランクの生家や隠れ家、アウシュヴィッツをめぐる旅をしている。

小川洋子にとって、アンネはまさしく本の中の特別な友人であり、その友人の跡を訪ねた旅の記録を「アンネ・フランクの記憶」という一冊にまとめた。「密やかな結晶」の世界は、アンネとは直接関係はないが、だとしても、あの悪夢が自然とあぶりだされてきて、そのことが、物語を底のほうから支える特別なものにしている。

 

「アンネ・フランク・ハウス」を見学したことがあります。

「オランダ・ベルギー・ルクセンブルグ10日間の旅」格安ツアーです。

2011年4月17日のことでした。

「アンネ・フランクの家」を見学した!

 

そのときに、アムステルダムの「アンネ・フランク・ハウス」で購入したのが、「未来に向けての歴史の叫び アンネ・フランク」でした。その小冊子は、以下のようにあります。

この本は、アンネの日記の抜粋や家族のアルバムを通して、アンネ・フランクの半生を綴ったものです。またホロコーストをくぐりぬけてきた人々の証言や史実も随時紹介し、アンネが生きた時代を再現しました。

 

さて、小川洋子の「アンネ・フランクの記憶」、アムステルダムのアンネの隠れ家を訪れるところから始まります。(贅沢とは言いませんが、大作家ということで、お付きの人たちがすべて手配するなど、大名旅行のような匂いも感じられますが…。)

 

内容説明:
少女期『アンネの日記』を読み、作家を志した小川洋子。アンネの悲劇的境遇だけではなく、言葉が心を表現することに衝撃を受けたからだ。以来、アンネを心の友にしてきた著者は万感の思いでアンネの足跡を訪ねる。フランクフルトの生家、アムステルダムの隠れ家、アウシュヴィッツへと歩き、フランク家の恩人ミープさん、親友ヨーピーさんと語り合う。少女の言葉に導かれた作家の魂の旅路である。


目次
出発―6月30日(木)
アンネ・フランク・ハウス―7月1日(金)
ミープ・ヒース―7月2日(土)
フランクフルトへ―7月3日(日)
ポーランド―7月4日(月)
アウシュヴィッツ―7月5日(火)
ウィーン―7月6日(水)
二人のユダヤ人―7月7日(木)

おわりに

解説 深町眞理子

参考文献

*単行本は1995年8月、角川書店から刊行された。

 

「アンネ・フランク・ハウス」

 

「隠れ家のあった建物の内部」

 

 

小川洋子:

岡山市生まれ。早稲田大学文学部卒。1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花賞、06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、13年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。著書に『猫を抱いて象と泳ぐ』『原稿零枚日記』『人質の朗読会』『最果てアーケード』『いつも彼らはどこかに』『琥珀のまたたき』などがある。

 

以下、書籍など

「アンネの日記」増補新訂版

文春文庫

2003年4月10日第1刷

2018年7月15日第34刷

著者:アンネ・フランク

訳者:深町眞理子

発行所:文藝春秋

(斜め読みでしか読んでいませんが)

 

「未来に向けての歴史の叫び アンネ・フランク」

アンネ・フランク・ハウス

アンネ・フランク財団(アムステルダム)2009

 

「アンネ・フランク・ハウス

ものがたりのあるミュージアム」

日本語ガイド

 

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