中村屋サロン美術館で「中村彝生誕130年記念~芸術家たちの絆展~」を観た! | とんとん・にっき

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中村屋サロン美術館で「中村彝生誕130年記念~芸術家たちの絆展~」を観てきました。


1887(明治20)年に茨城県水戸市で生まれた中村彝(つね)は、11歳の時に母親を亡くし、一家で東京に移り住むことになりました。軍人を志して名古屋、東京の陸軍学校に通いますが、胸部疾患にかかっていたことからその夢は叶わず、療養しながら画家になることを志します。1906年、白馬会研究所に入門。中村悌二郎や鶴田吾郎と知り合い、その後、彼等は太平洋画会研究所に移りました。


彝が中村屋裏のアトリエに棲んでいたのは、1911年の冬から15年の春までの約3年間で、その間に中村屋の創業者相馬愛蔵・黒光の長女俊子をモデルにした作品を多く描いています。中村屋を出てからは下落合にアトリエを構え、体調を崩しながらも仲間に支えられて、制作活動を続けました。


本展では、荻原守衛亡き後の中村屋サロンの中心人物である中村彝の生誕130年を記念して、日本近代洋画を語る上で重要な彝と、37年という短い生涯の中、友情で結ばれた芸術家の中から野田半三、中原悌二郎、鶴田吾郎、堀進二、曽宮一念、宮芳平、鈴木金平、鈴木良三の作品が新宿の地に一堂に会します。それぞれの独自の表現を追求しながらも、認め合い、励まし合いながら生きた、その輝きが感じられるでしょう。(図録「ごあいさつ」より)



中村彝 1887(明治20)年~1924(大正13)年




野田半三 1886(明治19)年~1946(昭和21)年


中原悌二郎 1888(明治21)年~1921(大正10)年


鶴田吾郎 1890(明治23)年~1969(昭和44)年


堀進二 1890(明治23)~1978(昭和53)年



曽宮一念 1893(明治26)年~1994(平成6)年



宮芳平 1893(明治26)年~1971(昭和46)年


鈴木金平 1896(明治29)年~1978(昭和53)年


鈴木良三 1898(明治31)年~1996(平成8)年



「中村彝生誕130年記念~芸術家たちの絆展~」
彫刻家 荻原守衛(碌山)亡き後の中村屋サロンの中心人物であった洋画家 中村彝の生誕130年を記念して、彝と彼の37年という短い生涯の中、友情で結ばれた芸術家たちの油彩画、素描、彫刻、書簡類など約50点をご紹介します。彝の力強い作風と人望から、彼の周りには多くの芸術家が集まり、「絆」が生まれました。その作品と交友関係をお楽しみください。

「中村屋サロン美術館」ホームページ


tune1 「中村彝生誕130年記念~芸術家たちの絆展~」
図録
発行日:2017年3月18日

編集・発行:中村屋サロン美術館

制作:美術出版社






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